- Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
- / ISBN・EAN: 9784393291368
作品紹介・あらすじ
疫病や天変地異といった厄災に直面した先人の経験と記憶は、未知の感染症に翻弄される今日の光明となり得るのではないか。民俗学的視点で災いと日本人の関係を考察し、祈願の諸相から現代的価値をあぶり出す災いのフォークロア。
感想・レビュー・書評
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タイトルが「医療民俗学序説」とあるので、一冊丸々この聞き慣れないワードの論稿なのかとわくわくして読み出したが、実際はストレートに医療民俗学を扱うのは書き下ろしの40ページほどで、あとは畑中さんがWebや雑誌媒体で書いてきたコラムでまとめられている。内容も重複するところが多く、ややガッカリしたが、冒頭の序説は読ませるし、他の論考も、お盆や夏の祭りに関する記載が多いため、この時期に読むのは正解だった。
医療民俗学については、ドラえもんのもしもボックスを思い出してしまった。のび太がもしもボックスで、魔法の世界にしたとき、科学文明は「あんな迷信を信じてるの?」と笑いの対象になっていた。疫病が疫神によってもたらされるとされる世界では、その疫神を退ける方法こそが、すなわち病に対処する唯一の「医療」である。お札やお祓いは単なる宗教儀礼ではない。現実に効果を発揮する実利的なものなのだ。この世界の人には「ウイルスが…」という話は通じないだろう。
人間は不可解、理不尽な物事に接したとき、そこに何らかの説明や理由を求める。日本に住む人々が、過去、そして現在、それらの物事をどう理解して、納得させてきたのか、民俗学は教えてくれる。 -
「呪い」
「のろい」ではなく
「まじない」と読む方です
(伝統的な)「玩具」の研究家の知人がいる
むろん、「おもちゃ」そのものだけでなく
「雛な」「尚武」「七夕」などの伝統行事も
含めた「玩具」の使われている歴史的な背景を含む
お話からさまざまなことを
興味深く学ばせてもらっている
畑中章浩さんの民俗学からの
かずかずのアプローチにも
ほぉーっ そういう視点もあるのだ
という
なかなか興味深いことに
気付かされる
今回は「厄災と日本人」
という関係性からの考察、
日本の歴史の中で
むろん「疫病」はどんな時代にも
襲ってきた
これまで
日本の庶民たちは
それらの「厄災」の中で
どのような「民俗の医療」を
施してきたのか
ここ数年は「コロナ禍」という災い、
我々祖先の「禍への祓い」には
いろいろ考えさせられることが 多い -
読了2022.01.10
日本人は、疫病や災害、戦争のことも根本の原因を究明するのでなく、何か代理のもの(妖怪や祭り)に語らせてきたのかな、という印象でした。
主体の不在を強く感じます。 -
女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000055644
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387||Ha