医療民俗学序説: 日本人は厄災とどう向き合ってきたか

著者 :
  • 春秋社
3.25
  • (0)
  • (2)
  • (6)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 110
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784393291368

作品紹介・あらすじ

疫病や天変地異といった厄災に直面した先人の経験と記憶は、未知の感染症に翻弄される今日の光明となり得るのではないか。民俗学的視点で災いと日本人の関係を考察し、祈願の諸相から現代的価値をあぶり出す災いのフォークロア。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 医療民俗学序説 - 法藏館 おすすめ仏教書専門出版と書店(東本願寺前)-仏教の風410年
    https://pub.hozokan.co.jp/smp/book/b594597.html

    「医療民俗学序説 日本人は厄災とどう向き合ってきたか」 畑中章宏著 春秋社(2021年11月展示) | 三省堂書店神保町本店特設サイト
    http://jinbocho.books-sanseido.co.jp/items/6686

    医療民俗学序説 - 春秋社 ―考える愉しさを、いつまでも
    https://www.shunjusha.co.jp/smp/book/9784393291368.html

  • タイトルが「医療民俗学序説」とあるので、一冊丸々この聞き慣れないワードの論稿なのかとわくわくして読み出したが、実際はストレートに医療民俗学を扱うのは書き下ろしの40ページほどで、あとは畑中さんがWebや雑誌媒体で書いてきたコラムでまとめられている。内容も重複するところが多く、ややガッカリしたが、冒頭の序説は読ませるし、他の論考も、お盆や夏の祭りに関する記載が多いため、この時期に読むのは正解だった。

    医療民俗学については、ドラえもんのもしもボックスを思い出してしまった。のび太がもしもボックスで、魔法の世界にしたとき、科学文明は「あんな迷信を信じてるの?」と笑いの対象になっていた。疫病が疫神によってもたらされるとされる世界では、その疫神を退ける方法こそが、すなわち病に対処する唯一の「医療」である。お札やお祓いは単なる宗教儀礼ではない。現実に効果を発揮する実利的なものなのだ。この世界の人には「ウイルスが…」という話は通じないだろう。

    人間は不可解、理不尽な物事に接したとき、そこに何らかの説明や理由を求める。日本に住む人々が、過去、そして現在、それらの物事をどう理解して、納得させてきたのか、民俗学は教えてくれる。

  • 「呪い」
    「のろい」ではなく
    「まじない」と読む方です

    (伝統的な)「玩具」の研究家の知人がいる
    むろん、「おもちゃ」そのものだけでなく
    「雛な」「尚武」「七夕」などの伝統行事も
    含めた「玩具」の使われている歴史的な背景を含む
    お話からさまざまなことを
    興味深く学ばせてもらっている

    畑中章浩さんの民俗学からの
    かずかずのアプローチにも
    ほぉーっ そういう視点もあるのだ
    という
    なかなか興味深いことに
    気付かされる

    今回は「厄災と日本人」
    という関係性からの考察、

    日本の歴史の中で
    むろん「疫病」はどんな時代にも
    襲ってきた
    これまで
    日本の庶民たちは
    それらの「厄災」の中で
    どのような「民俗の医療」を
    施してきたのか

    ここ数年は「コロナ禍」という災い、
    我々祖先の「禍への祓い」には
    いろいろ考えさせられることが 多い

  • 読了2022.01.10
    日本人は、疫病や災害、戦争のことも根本の原因を究明するのでなく、何か代理のもの(妖怪や祭り)に語らせてきたのかな、という印象でした。
    主体の不在を強く感じます。

  • 女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000055644

  • 387||Ha

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

大阪府大阪市生まれ。民俗学者。著書に『災害と妖怪』(亜紀書房)、『蚕』(晶文社)、『天災と日本人』(ちくま新書)、『21世紀の民俗学』(KADOKAWA)、『死者の民主主義』(トランスビュー)、『五輪と万博』(春秋社)などがある。

「2023年 『『忘れられた日本人』をひらく 宮本常一と「世間」のデモクラシー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

畑中章宏の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×