間の取れる人 間抜けな人 人づき合いが楽になる (祥伝社新書 74)
- 祥伝社 (2007年5月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396110741
作品紹介・あらすじ
お笑い芸人を真似て過剰にしゃべる人がいる一方、内気な引きこもりの人も増えている。実はその根っこは同じで、「コミュニケーションの強迫観念」と「自分へのこだわり」が横たわっている。うまく話さなきゃ、人をひきつけなきゃ、と思えば思うほど、空回りしていく会話。そんな焦りは捨てて、「間」と「沈黙」に腰を据えてみる。自分の話をするのではなく、他人の話をしてみる。そうすれば、人づき合いはぐっと楽になるし、深くなる。たとえば、家庭内の風景を思い出せば、互いに話を聞き流しながらも、間と沈黙で会話をしているのがわかる。-イッセー尾形とコンビを組んできた名演出家が教える、古くて新しい、日本人のコミュニケーション論。
感想・レビュー・書評
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p161
その呼ばわれ方には違和感があり、「シビサのオーボー」という僕の「通り名前」のほうがしっくりきた。「四兵衛という先祖」の「しへいさん」が訛り「シビサ」というのがわが家の屋号になり、「オーボー」は「跡取りじゃない子供」ぐらいの意味だったのじゃないかな。
これは、驚いた。
著者は、森田雄三さん(もりたゆうぞう 1946~2018年)で、戦後生まれの方で、それ程昔の方ではない。
が、著者は、小学校に入るまではフルネームで呼ばれたことがなかったという。
小学校に入ったのは、1953年位になると思うが、その頃でも、「通り名前」で呼ばれるのが普通だった地域があったということだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
緒方イッセーはすごいよすごいねっていいう本
の部分が行く箇所に散りばめられた展開であることは間違いない。
しかしながら、現代の孤独人を的確に表現していると感じた。
一つだけ、記憶にとどめておきたいと思う。
積極的な人ほど、周りには関心がなく、己に夢中で、
消極的な人ほど、他人をよく見ている。
どちらがいいか。 -
イッセー尾形の一人芝居を支える演出家が書いた、他人とのコミュニケーションについて考える本。
「間」や「沈黙」を中心にした会話の仕方に着目している。
時代とともに思い込みは変化するものとか、面白い知り合いの話をしてみるとか演出家らしい視点が多く、楽しい本です。 -
イッセー尾形の演出家でもある著者が、イッセー尾形の舞台や自身が主催する素人演劇のワークショップを通じて学んだことを記した一冊。
表題の「間の取れる人」などの普通の処世術を期待すると裏切られた気分となるが、エッセイとして気楽に読む分には楽しめる感じ。 -
間の取れる人 間抜けな人 人づき合いが楽になる。森田 雄三先生の著書。人づき合いが上手な人はいる。誰からも好かれていつも周囲に人が集まっている人がいる。そういう人はきっと間の取れる人。過剰にしゃべる人、内気な引きこもりの人、人づき合いが苦手な人は、自分が人づき合いが苦手で間抜けでな人であることを素直に認めて自分の短所と向き合うこと。自分の短所と向き合うことが間の取れる人になるためのはじまり。人間関係トラブルなんてないほうがいいに決まっているから。
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間=心の縁側
人生の秘訣は、「いつ」「どんなこと」で挫折を知るかにある。 -
間というのが日本では重要。真実を伝えることがコミュニケーションの重要なことではなく真実らしいことが大事である。
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この時代風潮に振り回されると知り合おうという意識が強迫観念になるのも仕方がない。
消極的な方が時代の風に惑わされていないのかも知れない。人付き合いにも、暗闇は必要だ。 -
具体的に間の取り方が書いてあるような本ではない。
イッセー尾形氏の一人芝居や素人参加のワークを通して、人間のコミュニケーションを考察した一冊である。
3章、4章の恋愛がらみの内容は正直面白くは無かった。
それ以外の部分では非常に面白いかった。
ちょっと残念。 -
メモ:「沈黙」については吉本隆明の「芸術言語論」を思い出した。