- Amazon.co.jp ・本 (180ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396113032
作品紹介・あらすじ
アメリカの後追いでは日本の創造力は育たない。日米両国で活躍した元NASA研究者による比較文化論。
感想・レビュー・書評
-
たまに本を読みながら気付く事がある。私は新しい知識を得るためなのか、もっと他の目的があって読んでいるのでは無いかと感じるのだ。
内容は日本人の思考の特性について、地理的、民族的に欧米(特にアメリカ人か)と比較しながら考えていくものとなっており、非常に解りやすい。特にその道を極めた研究者の域で闘う人々とのコミュニケーションは普通のサラリーマンである私にとっては、想像もできない世界で未知の領域に触れているようで読んでいて楽しい。
読み進める中で、日本人的思考の自分を反省も出来るし、時には良いところもあるな、と感じられる。特に自身の思考において不足点を補うきっかけには大変良い内容であった。
筆者が厳しい研究の世界で得たものの考え方や表現の仕方は今後の人生に非常に役にたつ。筆者の置かれた状況や心情を想像する。そして、そこから我々に常々足りていない大切な何か(読めばわかる)に気づかせようとしてくれることに感謝する。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
さるビブリオバトルでチャンプ本に選ばれていたので読んでみた。
日本とアメリカで送った生活を振り返り、両国の文化について語る著者のお話には、「なるほど」と思える部分もあり「…」と感じる部分もあり。 -
日本人は自分のしている研究について聞かれるとすべて答えてしまう。
研究能力とその実力と実際に目に見える形となって現れるものとは必ずしも同じではない。
日本人は世界のなかでもまれに見るほど、物分りが良い、頭が良い。
その分野について、あやふやな知識と理解しなかにならば、、研究テーマを見つけることはできない。
読書とは、あくまでも自分の意見や考え方を検証したり、ちがった角度から批判的に眺めたりするためにすること。 -
日本人ならではの相手を立てるやり方、謙譲の美徳は、他の文明からの浸食に耐え切れず、滅びゆく可能性を内包する。それ故日本人が育んできた伝統的な文化、文明は今一度見直すことも肝要。日本の今後を考察するうえで示唆を得ることができた。変えるべきは変えながらも日本人としての知性と伝統をしっかり自覚し良きものは後世に継承していきたい。
-
昔の日本人は何かを極めようと精魂ためて突き進み大成することで人生を築くことをしていた。行き詰まるような克己の精神、ひとつの道を極めるための一心不乱の努力、これが人間一人が成すべきことだと教えられてきたが最近は違う。他の人々に対して自分が違った存在を殊更に強調するような目立ちたがりの振る舞いをしている人が増えている。
-
理系の教授が文化や伝統を語った本。『欧米では「今の専門」という概念が当然のようにあり、生涯1つの分野ということではない。』『向こうの専門家は自分の研究対象とは全く関係ない事柄に対しても勉強を怠らずあらゆる分野に自分の考えを持っている。』ええことやな。
日本語と英語の表現や構造の違いがどこから来ているか、また日本人の直感的な思考方法を欧米の論理的に詰めていく思考方法にどう対応していくかなどをわかりやすく説明してくれてる。 -
日本語が日本人の考え方をある程度規定しているというのは納得できた。
論理的な考え方を軸にコミュニケーションをとっていくというのは意識していく必要がある。