- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396115005
感想・レビュー・書評
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働き方改革を真っ向から批判。悩みながら進めている中、考えさせられる内容。
後書きが特に迫力があった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
残業が発生する仕組みを学術的に解き明かしその解決策を提示する内容かと思ったら、全然そうではなかった。電通過労自死事件に端を発する一連の騒動、その後の働き方改革、働かせ方改革について、著者の経験を元に思うことが述べられている本でした。もちろん客観的なデータなども示されています。日本人の平均労働時間は減って来ているのだけど、どうやら2極化していて、正社員は減っていないというのはそうだろうななと思う。本書で著者が言いたいことは、「労働時間だけ規制しても、仕事の絶対量と任せ方を変えなければ、サービス残業が増えるだけだよ」という事だけのようです。一般的な内容より、リクルートからフリーランスを経て大学教員となった著者自身の経験で残業がどうして生じていたかの経験談とか、現在、どのような工夫をして働きすぎないように効率よくしているかなどの個人的な内容の方が参考になるし面白かった。
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常見陽平が語る残業論。
なんか惜しいというか、ここからいよいよ本題かってところで本が終わってしまう印象を感じた。
ただ、基本となる情報はしっかり書いてあるので、ここから残業問題、労働問題を考える入門としては読みやすくいい本だと思う。 -
人に仕事をつける日本型と、仕事に人をつける欧米型の違いが、属人性や残業を生んでいるということが、結構衝撃的だった。職務を全て定義し、人をアサインすることで、属人性の排除、および、ローテーションを実現し、ひいては、残業も減らすことが出来るだろうか。実験してみる価値はあるかも知れない。
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期せずして『ちょっと今から仕事やめてくる』からの働き方つながり。一番納得がいったのは、自分はこういうキャラだということを理解してもらうという点。それは自分で決めるということで『嫌われる勇気』ともリンクした。
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一般論
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「なぜ、残業はなくならないのか」という問いに著者は答える。残業は企業にとって合理的で、労働者にとって働き方の1つで、マスコミにとって美談だからだ。
たしかにその通りだ。企業にとって繁忙期に人を増やすよりも、現状の人間に残業してもらい、その手当を払う方が雇用面や教育面の効率は良い。労働者にとっても手取りが増えることは悪くないだろう。そして、NHKのプロジェクトXや偉人伝出版社がその苦労話を感動に仕立てあげる。
だから、残業とは、すばらしい制度なのだ。政府は「働き方改革」の名のもと、残業を減らそうと試みるが、本当にそれは正義で誰もが望んでいるのか。しかも政府の容認する残業時間は過労死ラインを越えている。そして、容認残業量を超える場合、サービス残業の強制につながらないのか。
残業にまつわる様々な考え方を並べ、大事なことは残業を減らすのではなく、正しい働き方を模索しようという本書。ズバリの結論は出ていないが、残業で死人が出ちゃいけないってことは間違いないだろう。 -
買うより、図書館でよかったかなぁと思った本。
何故、はよく分かって大助かりではあったけど、じゃあどうすればいいのか、っていうのが、批判めいているものが多くて、これじゃあ変わらないなぁと思ったものだった。
最後、著者の感情的な文章で終わるのだが、いやいや、それなら余程、労基署が大手企業を狙い撃ちにして、見せしめに書類送検している方が、世の中動くんじゃないかなとかね(笑)
実態を知ることと著者は言うけれど、実態と併せて知らなければならないのは、この国なのだと思う。
ひとまず私も批判だけで終わってはよくないので、職場で本で学んだことを生かしていければと思ったのだった。敵は強大だけれどね(笑) -
今、流行りの「働き方改革」という言葉に騙されないようにしよう。
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「働き方改革」。言葉で示すのは簡単だ。過剰な残業が「悪」なことだって、みんなわかってる。じゃぁどうして労働環境は変わっていかないんだろう?本書を読みながら、自分と照らしあわせて考えてみた。答えはまだ、でないけど。それはきっと、企業トップから末端従業員にまで降り注ぐミストのようでなければならないし、各々が理解し実行(しようと努力、実践)していかなけれならない問題。そうしてようやくゆきわたったミストが土壌を肥やしてゆくのだと、思うから。