禁断の説得術 応酬話法――「ノー」と言わせないテクニック (祥伝社新書)

著者 :
  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396115319

感想・レビュー・書評

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  • BtoB,BtoCの時代においても、販売の基本は今も昔も変わらない。
    何を売るにせよ、営業の基本である話法を身に付けておいて損はないと思います。

    話法としては、

    応酬話法
    質問話法
    間接否定話法
    繰り返し話法
    実例話法
    聞き流し話法

    の6種類のテクニックが紹介されています。

    のんべんだらりと人から教わるのではなく、やはり覚悟をもって真剣になって死に物狂いで身に付けていくという感覚が必要です。

    共感したのは次の点です。

    ・朝起きてから夜眠りにつくまで応酬話法について、考え抜いた。練習をした。
    ・好意をもってもらう最大の武器は笑顔です。ただ外面だけを繕った笑いはすぐに見あぶられてしまいます。
    ・目だけはメイクができないんです。営業は目から笑うこと
    ・クレームで謝りに伺った時、居直ったと受け取られることのないように、最大限の敬意を払い、極めて穏やかに話すことを心掛けました。
    ・契約していただいたお客様には必ず、手書きの礼状をだしました。
    ・現場では、「何をいったか」だけではなく、「何をしてきたのか」が問われます
    ・相手を論破しても何の得もありません。相手に好かれることによってのみ、望んでいる成果を得ることができるのです。
    ・口は1つなのに、なぜ耳は2つあるのでしょうか。自分が話す倍の時間を他人の話に耳を傾けるため
    ・人間の最大の武器は、言葉です
    ・私が伝えたいのは技術ばかりではありません。本当の意味での相手を動かす力です。それは情熱です。
    ・ジャックマーいわく、「持続する情熱だけがビジネスになる」

    本書の最後のメッセージは、

    孔子の「最大の名誉はけっして倒れないことではなく、倒れるたびに起き上がることである」です。

    目次

    はじめに これがなければ死んでおりました
    序章 応酬話法とは何か
    第1章 質問話法 質問によって本音を炙り出す
    第2章 間接否定話法 最初に肯定してから、ソフトに否定していく
    第3章 繰り返し話法 相手の言葉を繰り返して、罪悪感を緩和する
    第4章 実例話法 具体例を示すことで、説得力、親近感、安心感が増す
    第5章 聞き流し話法
    第6章 大失敗
    終章 自分を識る

    ISBN:9784396115319
    出版社:祥伝社
    判型:新書
    ページ数:203ページ
    定価:800円(本体)
    発売日:2021年08月30日第5刷

  • タイトルから予想していた内容よりも何か壮大なものを手に入れた気がする、こういうと少し大袈裟に感じるかもしれないが、単なる古き良き営業テクニックである応酬話方のノウハウ本と言ってしまっては失礼なほど、失敗から学び立ち上がる強さを教えて貰った気がする。因みに筆者がAV監督兼男優であった事を全く知らず、仕事に役立てばぐらいの感覚で手にした為、読み始めはかなりの警戒心でスタートしていた。
    本書は前述のとおり、アダルトビデオ監督の若かりし頃に身につけた応酬話法についての解説に始まる。明日の糧にも困る様な状況から、英語教材のセールスマンになり、そこで努力を重ねる事でトップセールスを上げ続ける。その際に役に立ったのが前述のセールストークにある。相手を否定せず、理解を示すと共に、相手の欲求に真に迫り、最終的には高い教材を売るプロセスはまさに応酬話法の手本とも言える見事なものである。
    応酬話法については多くのテクニック本があるのでそういったものを読めば技術面ではまず事足りるであろう。本書は経済的には最底辺(学歴も高卒)からスタートした筆者がAVの帝王にのし上がるまでの苦難と栄光の道を半ば小説の様に辿っていく事で、何か読者に「自分もやれば出来る」と言った自信を与えてくれる。そこにもしフィクションが多分に含まれていたとしても、ストーリー・読み物としては成功しているし、どの事例も身近に感じ、真実味を帯びている。筆者が映像業界でトップ企業になるまでに、花形スター女優を大量に抱えていたことからも、その話法や人間性は確かに事実なのであろう。
    何より成功後に訪れた事業の失敗までも、その人間性と会話術によって乗り越えてきたのだから今の筆者がいるのだろう。因みに内容は詳しくは言えないものの人間関係を築く事が社会で生き延びるために如何に重要かも気付かされる。そういった事例も多く登場するが、残念ながら令和の社会ではややコンプライアンス的に使えなくなっているかもしれない。とは言え人間関係を築くためには双方の信頼関係が重要であり、多くの人気女優を出演させるまでに至った筆者の信頼を勝ち取る技術には舌を巻く。
    そして後半は様々な成功と失敗、そこに登場する善人から悪人まで、ありとあらゆるシーンや人間から学んだ人生観について綴って行く。最終的には物事を「失敗」の二文字で片付ける事なく、飽くなき情熱を持って何かを成し遂げようとする気持ちを持ち続ける事が、成功につながる唯一の道ではないかと教えられる。
    自分も何千人という営業を抱える会社に所属し、トップセールスマンから全く売れない社員まで沢山の社員を見てきた。それぞれに違った人生を歩み、様々な社会に育ってきたから、きっと恐らく人間性もセールス技術も千差万別であろう。だが売れる社員はずっと売れる。表彰台に上がる社員の顔からは、この人なら買ってもいいと言った笑顔に溢れ、きっと恐らくはお客様も「モノ」を買う感覚ではなく、社員の人柄を買ってくれてるものと想像する。
    本書の最後に記載される、モノを売るのではなく目的を叶えるというセールスの在り方がよくわかる気がする。読み終わるにあたり何か心の中に草原を駆け抜ける風が通り過ぎる様に感じたのは私だけではないはず。

  • Kindle Unlimitedにて。
    村西監督のビジネス書?と試しに読んでみたけど、自叙伝でもあり、応酬話法からのプラス思考でもあり、幸せとは何かのまとめでもあり。
    タイトルの付け方間違えてる気がするのと、村西監督だからとかアレルギー持たずに読むと面白い読み物。

  • 営業をしている人は全員読んだ方がいい本。

  • 断られてからが勝負

  • 応酬話法を体系的に学べる本ではないです。
    終章「自分を識る(しる)」は個人的に面白く、今後読み返す機会があると思います。

  • ●監督はエンサイクロペディアの営業マンだった
    ●販売戦略としての応酬話法。それは、お客様から投げかけられる疑問、質問、反論に答えるためのセールストーク。
    ●お客様の反応の型ごとに答えを用意して、自然に納得していただく。ノーと言わせない。
    ●80年代迄が全盛期。その後はものが売れない時代が続き、スマートなセールストークが望まれるようになった。
    ❶高い 貴方の人生のこれからの価値と比較
    ❷必要ない ①と同じく、
    ❸今すぐ決められない そんな人は一生決められないと。
    ❹同じものを持っている 本当に同じかどうかもう一度ご確認を。今考えられる範囲でベストな選択をしていると確信を持ってください。
    ❺お金がない この世に、お金が余ってしょうがない人なんていない。何かを諦めて、自分への投資に使い道を決めるべきでは?
    ●お客様が質問に答えるのは、少なくとも興味があり、また商品ではなく営業マンに興味を持っている場合が多い。
    ●目から笑う。人前で笑えない人は社会人失格
    ●最大の名誉は、決して倒れないことではない。倒れるたびに起き上がることである。孔子

  • しかし素晴らしい本だ。
    本書は営業に欠かせない、いや生きる上で欠かせない、
    応酬話法
    について、氏の営業、そして生きてきたうえでの実体験に基づいて書かれている本だ。
    質問話法、間接否定話法、繰り返し話法、実例話法、聞き流し話法という話法ごとに進行する。

    が、素晴らしいのは後半の、「大失敗」「自分を識る」という章だ。
    「大失敗」では話法の失敗例を氏の経験に基づいて書かれている。
    「たった一言で命さえ失う」「話しすぎてはいけない」かといって、「聞き役に徹してはいけない」「信用しすぎてはいけない」などの素晴らしい経験談が並ぶ。
    そして「自分を識る」。
    「人間は仕事の困難に遭遇して、はじめて自分の正体をしることになります」。
    「孔子の『最大の名誉はけっして倒れないことではない。倒れるたびに起き上がることである』です」。

    まったく、読了感最高な素晴らしい本だったよ。

  • 良かった。
    とても前向きになれた。
    今からでも気持ちを入れ替えて生活すれば人生好転するような気がしてきた。
    とてもよかった。

  • スキル身につけるには役に立たないな。
    ただ、一件一件のエピソードは面白い。

    んでAVの出演料の金額に、正直びびった。

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著者プロフィール

本名・草野博美、職業・AV監督。1948年、福島県生まれ。1967年、福島県立勿来工業高校卒業後に上京。1970年、英語の百科事典『エンサイクロペディア』のトップセールマンとなる。その後、紆余曲折を経て1978年、AV業界に進出し、1988年にダイヤモンド映像を設立。黒木香、松坂季実子、卑弥呼らを擁し、最盛期の年商は100億円。しかし1992年、衛星放送の投資に失敗、負債総額50億円で倒産する。その後、タオル販売、蕎麦店経営、アダルトグッズ販売などを経て借金を完済、現在に至る。

「2021年 『全裸監督が答える不道徳で世界一まっとうな人生相談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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