女たちの本能寺 (祥伝社新書)

著者 :
  • 祥伝社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396116101

作品紹介・あらすじ

乱世に生きた女性たちの運命と実像
NHK大河ドラマ『麒麟がくる」(8月30日放送再開)で注目を集める明智光秀。
光秀は天正10年(1582)6月2日、織田信長を本能寺に討つ。
しかしその天下は、わずか11日で潰えた。
信長も光秀も滅び、羽柴秀吉が天下人となるのは周知のとおりだ。
では、この本能寺の変は光秀と信長を取り巻く一族の女たち――正室、側室、娘、妹の運命をどう変えたのか。また、彼女たちの知られざる側面と一次史料から分かった新事実とは。
信長の正室・濃姫は、ドラマで描かれるように本能寺で長刀を振るったのか。
光秀の正室・煕子は『明智軍記』の記述どおり坂本城で果てたのか。
徹底した史料吟味と現地取材で戦国時代の女性たちの実像に迫り、
女性の視線で乱世を見渡す画期的な1冊。

感想・レビュー・書評

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  • 史料や文献を渉猟し、光秀と信長に関連する七人の女性(濃姫、煕子、御妻木、お鍋の方、お市の方、細川ガラシャ、春日局)の人生を探訪した歴史エッセイ。
    なかでも、より興味が惹かれるのは濃姫(帰蝶)。
    ある時期から名前そのものが消えて、北の方とか行動だけで記される。このときから、離婚説、病気説、さらに死亡説が歴史家の間で語られる。
    著者も彼女について、より筆を費やし、以降の正妻を思わせる著述は、吉乃やお鍋の方ではないかと推量する。
    それだけに歴史作家の想像力を刺激し、さまざまな濃姫(帰蝶)が造られている。
    司馬遼太郎著『国盗り物語』では、本能寺に同宿し共に戦ったと。
    諸田玲子著『帰蝶』では、新史料から信長の27回忌までも生きて天寿を全うしたとする。表舞台に現れなかった理由として、痘瘡の後遺症を挙げている。
    宮本昌孝著『ドナ・ビボラの爪』では、帰蝶は姦通を疑われ信長に殺されることに!
    現在放送中の大河ドラマ『麒麟が来る』での帰蝶は、どのような最期で描かれるのか、興味が持たれる。

  • 信長、秀吉、家康時代に生きた武将の妻、娘たちの人生を残された書物から事実と著者の考察を交えて書いたもの。個人的には信長の正室・濃姫について知りたかったがやはり濃姫について書かれた書物はないらしい。信長が生きている間でさえ生死は不明。濃姫の父親は蝮の道三と言われたほどの海千山千な人物だったので濃姫にとても興味がある。そういう意味で光秀を父に持つガラシャの性格、生きざまは激しく刹那的でドラマチック。そして本人は自害したけど徳川家にその血を残すことができた、お市の方は勝ち組?

  • 濃姫や細川ガラシャなど明智光秀と織田信長にかかわる7人の女性たちのお話。

    政略結婚だったり、運命に翻弄されたり戦国時代の女性はかわいそうな印象がありましたが、やはり皆武将の妻である前に武将の娘であるだけに、運命を理解し自らの意思で選択したり強い信念を持って勇気を持って立ち向かったりできる強い女性たちであったことを知りました。

    また、妻や娘の立場からみる武将たちの姿はイメージと違ったりしてそれも興味深かったです。

  • 「研究者」の著作と違い、諸説ある部分についての分析が浅く、やはり「作家」という限界を感じ、残念。
    翻弄される女性という着眼点は良いので、やはり「研究者」の俯瞰した精緻な検証を望む。

  • 光秀と信長に関わった女性たちの話。
    知らなかったことも多くとても勉強になった。

  • 濃姫、煕子、御妻木、お鍋の方、お市の方、細川ガラシャ、春日局。信長、光秀の時代は、厳しいながらも、女性が自我を確立し、輝いていたようです。

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著者プロフィール

歴史作家

「2017年 『戦国武将「お墓」でわかる意外な真実』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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