100冊の自己啓発書より「徒然草」を読め! (祥伝社新書)

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  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396116408

作品紹介・あらすじ

「徒然草」は過激な思想書だった!

世をはかなんだ老人が書いた退屈な古典――。
『徒然草』をそんな風に思っていないだろうか? それは大間違いだ。
作者の兼好法師は「腐った世の中と戦え」と叫んでいる。
兼好は言う。「世論に流されるな! 」「高を括るな! 」「知ったような顔をするな! 」
「不安に支配されるな! 」「常識を疑え! 」と。
いくら知識があっても過ちを犯すのは今も昔も同じ。
そこで重要なのが「見識」だ。
『徒然草』には兼好法師の見識力の高さが至るところに見られる。
急速にデジタル化が進む現在、人間関係も言論でも本質が見えにくくなった。
そんな時代だからこそ、改めて『徒然草』から学びたい。

感想・レビュー・書評

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  • 啓発とは、新たな知識や気付きを与えて人を導く事。自己啓発とは自らそれを得ようとする事だが、自己啓発本はその一助となる著者からの啓蒙。徒然草は、まさに自己啓発本の一種。人間社会の真理を語り記す。今読んでも学びがあるとすれば、数百年やそこらで変わらぬ、人間への本質的な見抜きがある。今の100冊より、徒然草。
    ふむふむ。…で、徒然草ってどんな話だったかな、という所からスタート。

    つれづれなるままに、ひぐらし硯に向かひて、心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ

    吉田兼好を調べると歌人、とある。歌集や日記みたいなものだと思っていた。読めば、腐った世の中と戦え、常識を問い返せ、雑事に追われて死ぬなと書いている過激な思想書との事。過激とは感じなかったが、徒然なるままに、ダラダラと生きるな。よく人生を考えて生きよと諭されるようだ。

    訳文だが、何故か一番引っかかった言葉。春が来て、新生活に相応しい気がした。書き留めた(スマホだが)。臆するな、だ。

    ー まだ未熟なうちから上手い人に交じり、貶され笑われても恥じず、平然と稽古する人が、天性の才能は無くても、倦まず弛まず、いい加減にしないで年を送れば、才能があっても稽古をしない者よりは、結局は名人の境地に達する。

  • 徒然草は過激な思想書と帯にありましたが、今では当たり前のお話ばかりですが、人権などがない当時では過激な考え方かもしれません。

    つれづれなるままに、日ぐらし、硯にむかひて、心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ

    有名な一節ですが、当時は日記として他者の目に触れることがなかったと思うと、ひとりでその様な気持ちを抱え込むのは如何ばかりかと思います。今は、SNSで簡単に共有できますから。

    どんな時代にも権力に対する不満はあったと思いますし、権力を握り驕り高ぶる人が失敗する姿を何度も見てきたと思います。
    死生観についても、人はなんの前触れもなく死ぬことを考えたら、今日まで生き延びられたことは偶然でしかないという。だからこそ、日々に生きて、日々に死ぬという言葉が良いなと感じました。

    驕り高ぶらず、謙虚に礼儀正しく、常識を疑う。
    一つ一つは、シンプルなことですが、シンプルが一番難しいなと思います。

  • ふむ

  • 作者のコメントが過激だったりコミカルだったり。

  • 「滝悦子のマイブックストーリー」をキッカケに買いました。毎日ちょこちょこ読みました。過去から学ぶことは多いです。

  • 100冊の自己啓発書より「徒然草」を読め!。適菜 収先生の著書。100冊の自己啓発書を読むことにも価値があるし「徒然草」を読むことにも価値がある。本好き読書好きの活字中毒者としてはどんな本でも読みたいです。100冊の自己啓発書と「徒然草」の両方を読めばいいだけ。内容のない本を読むのは時間の無駄だとか退屈だとか言う人もいるけれど本好き読書好きの活字中毒者としてはどんな本でも内容はあるし本を読むことが苦痛になることなんてないから。

  • ●徒然草には世をはかなんだ老人が、仏教思想に基づいたわびさびを穏やかに語ってと言うイメージがあるかもしれませんが、それは間違いです。兼好法師は「腐った世の中戦え」と言ったのです。
    ●徒然草は、室町時代には1部の知識人にしか知られていなかったが、江戸時代初頭から読者が急増した。清少納言の「枕草子」鴨長明の「方丈記」と並ぶ随筆文学の最高傑作である。

  • こういう読み方も、確かに面白いです。
    ほんとその通り。

    一番大事なのは、やらなくていいことをやらないことだ。 読まなくてもいいような本は、読むべきではない。
    観なくてもいいような映画は観るべきではない。
    聴かなくていいような音楽は聴くべきではない。 ー 70ページ

    「人を見た目で判断してはいけない」と親や学校からは教えられる。
    「ああいう風に見えるけど、本当はいい人なのよ」という言葉もある。
    しかし、見た目が変なやつは、大抵の場合、変である。 ー 192ページ

  • 私たちを苦しめる「欲望」について:
    過度の欲望を慎め
    愚か者による政治について:
    政治の本質
    神仏と無常について:
    成熟するとわかること
    避けることができない死について:
    現在を生きる
    生活の知恵について:
    洗練された暮らし
    知性とは何か:
    学問の力
    よい趣味と悪い趣味:
    よい趣味と芸の達人
    人付き合いと会話の心得:
    人間観察の技術

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著者プロフィール

1975年、山梨県生まれ。作家。ニーチェの代表作「アンチクリスト」を現代語訳した『キリスト教は邪教です! 』『小林秀雄の警告 近代はなぜ暴走したのか?』『日本をダメにした B 層の研究』(ともに講談社)、『日本人は豚になる:三島由紀夫の予言』『日本をダメにした新B層の研究』(ともにベストセラーズ)ほか、祥伝社新書に『コロナと無責任な人たち』『100冊の自己啓発書より「徒然草」を読め! 』『ニッポンを蝕む全体主義』。『思想の免疫力 賢者はいかにして危機を乗り越えたか』(中野剛志氏との共著、 ベストセラーズ)など著書50冊は以上。

「2023年 『古典と歩く大人の京都』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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