黒祠の島 (祥伝社文庫 お 16-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396331641

感想・レビュー・書評

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  • 図書館にて借り入れ。
    既読に気づかず再読となってしまった。
    魅力的な登場人物と奇習のディティールで、一気に小説の世界に引き込まれ、ぐいぐいと読まされてしまったところは流石は小野先生。
    2000年代に発表された作品だけど素晴らしいまでの昭和テイスト。
    残念なのは、ラストの拙速さ。素晴らしい物語背景に比べてお粗末な真犯人・動機・主人公の述懐。
    何か急いで作品を書き上げなければいけない事情でもあったのかと勘繰りたくなる。
    特に真犯人を断罪する真打とも呼べる存在の凄みがもったいないばかり。
    五行説、勉強したくなった。

  • 初めて読んだときは高校生のときだったかな。読了しても後味の悪さにもやもやした。
    二人の関係が本当に仕事のパートナーとしか言い表せない親密さで、「男女のペア=恋人」だと高校生の私は思っていたから、よく理解できなかったのかも。
    今なら男女の関係になくても、また、あったとしても、二人の間には確かな信頼感があるのだとわかる。
    今読むと少し違ってみえた。

    罪に対する罰と裁き。罰への購い方。この辺は宗教改革までのキリスト教を彷彿とさせる。
    でも根本にあるのは陰陽道、ということなのかな。
    身体的特徴は、言及されなかったけど、両性具有、もしくは無性ということなのだろうと思った。
    彼がなぜ家臣として従うのかあったらよかったな。

    でも相変わらず、というか、当然、というか、地理的風景的描写が抜群にうまい。

  • ねっとりとした、ホラー要素のあるミステリー、という感じ。
    島限定の風習や宗教が絡んでくるストーリーなので、社だとか守護だとかっていう説明部分と言うか、主人公の考察部分がちょっとくどい。
    文章自体は読みやすかった。

    小野さんの本、初めて読みました。
    アニメになっている作品や漫画になっているものもありますが、映像でも観たことがないので…完全にお初。
    ホラーは苦手ですが、もう少し最近の作品を読んでみたいかな…と思いました。

  • 小野不由美さんの本は初めて買ってみた。購入の動機は、とにかくぶ厚い本をがっつりと読みたかったから。

    うんすごく不思議な話。だけど 日本のどこかに、こんな風習が残っているところが在りそうだ。

    結構気にいった作品だった。

  • 初小野不由美作品、やっと読んだー。
    ちまちま読んだせいもあってか時間かかった。

    ファーストインプレッションとしては、文章の書き方が優等生だなと。
    推理小説だし、先の書き方が綿密にはられた蜘蛛の糸のようにみえなくて予想しがたいのは巧妙。

    最初はつまらなかったけど志保の遺体から話の大筋に触れるからそこからぐっとおもしろくなったな。
    中盤の盛り上げかたは上手い。

    ただ後半が失速気味。「それでええんかい!」と突っ込みたくなる。
    そして登場人物の家系図や最後の謎解きで頭がごちゃごちゃになったー。
    図が欲しいね。うん。

    今度はホラーに挑戦したいな。

  • 初めて読んだときは閉鎖的な島人こわいとガクブルだった。小野作品に出てくるヒトのカタチをした人でないものが毎回ブッとんでる。特異な存在がその役割を全うする様は情や連帯感が欠片もないためか潔すぎて恐ろしいー!いい。

  • 真犯人は放置でいいの…??

  • 小野不由美なのでホラーだと思い込んでいたら思ったよりもミステリーだった。でも最後の謎ときが唐突。
    全体的に猟奇的なのでやはりホラーなのかな。
    神社に祀られた馬頭観音の謎が面白かった。改めて作者の知識の深さに驚かされる。
    本土とは遠くはないが切り離された島。そこに残る古い信仰と因習。不気味な暗闇と降りしきる雨。
    凄惨な殺人事件が起こる舞台としては申し分ない。朝日に照らされたラストが印象的だ。

  • ようやっと、斜め読みで読了。
    緻密にさまざまなことを描かれているうえに、
    人物像もしっかりと書き込まれているようで、
    実は志保と麻里の記述が妙に曖昧だなと思っていたら、
    そういうことだからですか。という感じで。
    小野不由美氏の作品、自分に合うかと思いきや、
    今回の作品では苦戦だったので、少し距離をおいてから、
    また、別の作品を読んでみようとひとりごちる。
    本格推理小説なので、まったく怖くなく、
    横溝御大と似たような世界観。ホラーでは無い。

  • 閉鎖された村で主人公も村八分で悲惨な目にあうかと思ったら状況はそこまでキツくなくほっとした。序盤の風車の雰囲気が不穏でよい。カイチが出てくるところがある意味一番の主人公の見せ場で、あとはなんかひたすら会話してたりでいまいちしまらない。途中で人物相関図を出して欲しかった。結局逆さ釣り死体があそこまで悲惨な目にあう意味があったのかだろうか。ぶっちゃけあさひをもっと早めに出して安楽椅子探偵させてたほうがキャッチーだったよね。主人公が自力で動くというより狂言回しになっちゃってたのがこのあっさり感の理由の気がする。
    なんとなく、勉強しました感がただよう一冊であった。

著者プロフィール

大分県出身。講談社X文庫ティーンズハートでデビュー。代表作に『悪霊シリーズ』 『十二国記シリーズ』『東亰異問』『屍鬼』など。重厚な世界観、繊細な人物描写、 怒濤の展開のホラー・ミステリー作品で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『悪夢の棲む家 ゴーストハント(1)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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