十津川警部の挑戦(下) (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396337100

作品紹介・あらすじ

二十年前、警察組織が闇に葬った婦女連続殺人の再捜査にかかった十津川の前に立ち塞がったのは、有力政治家の故・堀江正志と正彦父子だった。当時、犯人と疑われた正志の秘書・石崎が抗議の自殺を遂げたことで、拙速の決着を図り、以後封印してきたのだ。警察上層部にも敵を抱えつつ、捜査の鬼と化した十津川が、真の敵に、特急「はやぶさ」を舞台に乾坤一擲の勝負を挑む。

感想・レビュー・書評

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  • 堀江は逮捕の代わりにアメリカに体良く追放されたと思うとちょっとモヤモヤするけど、アメリカに行った所で真面な生活を送れないだろうから納得の末路。
    途中から元刑事の娘が全く出て来なくなったなと思ってたら、何処から嗅ぎつけたのか堀江の送別会で切りかかってて、そう来たかと驚いた。

  • ≪十津川警部シリーズ①≫
    古典を楽しむw(*´▽`*)

    事件は昭和42年と62年、元刑事が軍隊に行って
    いるので少し感覚補正しないと(十津川警部S22生)
    政治家が絶対権力を持っているのも時代を感じる
    事件への上層部の過剰反応に引きずられた十津川警
    部の初期の対処がヌルイ、ラストの仮想犯人云々の
    ミスは辞職モノ、日記で事件の根幹が見えるとかは
    古い・・・(古い作品でした)
    北海道の事件含めて犯行側が神の如く万能なのもね

  • 西村京太郎氏の小説は初めて読んだ。
    はっきり言って、人から譲られなければ読もうとは思わなかった。また、読み始めても、期待はしていなかった。いわゆる本格的推理小説とは異なるものだという認識を持っていたからである。
    しかし実際に読み始めてみると、続きが気になって仕方がない。物語を先へ先へ、読者を引き込んでいける手腕は確かなものがある。長編で、たくさんの登場人物がいるにもかかわらず、読んでいて複雑に感じることもなかった。
    ただ一方で、とりあえず登場する人物を増やすことで話を進めるという手法に終始しているのではないか、という批判も成り立つかもしれない。それでも、本書では20年前の事件と、現在起こっている事件とで、きちんとつながりを設けている。過去の事件はそれはそれとして一冊の物語にしても良いくらいのもので、作者は軽々とやってのけている印象すらある。
    最後の展開はさすがに無理があるか。囮捜査にしても限度というものがあるだろう。それにあれほど尻尾をつかませなかった相手が、結末部分で末端部分から急に倒れてしまうのもあっけない。また、いくら犯罪を隠すためとはいえ、10人は少なくとも死んでいるのではないか。あまりにも多いと思う。
    ただ、十津川警部が切り札となる証拠品を手にし(その品を持っていたのがなぜその人なのか、というのはよくわからなかったが)、犯人の動機と真実が一気に明らかになっていく過程で、犯人の病的な性癖、精神的な二面性、異常性について警部が分析している箇所は、興味深く読んだ。つまり、父親に対するコンプレックスが、複雑な性的衝動につながったとの分析である。
    思うに、話を展開する力は素晴らしいのだが、広げすぎているのではないか。連載だから仕方ないのかもしれないが、もう少しコンパクトにしても良かったのではないかと思う。

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著者プロフィール

一九三〇(昭和五)年、東京生れ。鉄道ミステリ、トラベルミステリの立役者で、二〇二二年に亡くなるまで六〇〇冊以上の書籍が刊行されている。オール讀物推理小説新人賞、江戸川乱歩賞、日本推理作家協会賞など、数多くの賞を受賞。

「2022年 『十津川警部と七枚の切符』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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