ポンチョに夜明けの風はらませて (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 73
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396342425

感想・レビュー・書評

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  • 突っ込みどころ満載! イケてない男子高校生のハチャメチャ珍道中。章ごとに視点が代わり、やり取りも軽妙で飽きさせない。ジンの小四のときの話やねずみの幼稚園入園時のエピソードは、ただただ共感。友達観、友情観ってこうだよな! って素直に思わせてくれる。伏線の回収も心地よく読後感は爽快。

  • 高校の卒業式目前、岡山に大学受験に向かった友達を
    迎えに行くため、
    東京から波乱のドライブを計画する又八(北川又八)とジャンボ
    (森田公平)。
    ジャンボの父親が最近購入した<奇跡のセルシオ>に
    勝手に乗り込み(ジャンボ父は不在)、
    一丁前に若葉マークを貼っつけ、いざ岡山へ!
    2人で始まった旅は、道中で人を拾って増えていき、やがて6人に。
    高校生ならではのやんちゃにまみれた青春物話です!

    お話の途中でメイン視点が切り替わっていき、
    登場人物の過去や悩みが少しづつ明らかになっていきます。
    そして最終章、
    「ねぇ、みんな。実はこの物語の主人公は俺なんだって知ってた?俺でもあるし、みんなでもあるし」
    グッときました。
    読んでいてとても清々しく、気持ちよく読み進められるおすすめの1冊です!

  • もう早見和真ほんと好き。
    伏線回収もバッチリ。
    泣いたり笑ったり青春すぎでしょ。
    とにかく元気になる本。

  • こいつら、特に又八、アホやアホすぎる。

    青春は爽やかで美しくていい思い出、と洗脳しようとする世の中の勢力があるが、実は思春期前後はツラいしイタいのである。ホルモンバランスが崩れていて心も体も成長痛を伴う時期なんだからシンドい時期。そんな時期なんだからやらかしてしまうこともやらかせれてしまうことも傷つくことも打ちのめされることもいっぱいあって当然なのだが…。

    それにしても、こいつら、特に又八、ちょっとヒドすぎる。読むたびにケツの座りがわるくなっていたたまれなくなる。身に覚えないこともないという羞恥心。
    清涼飲料水みたいな人工的爽やか系が売りのそこらに転がってる青春もんを期待すると、足元すくわれる。それでもこの本オモロいわ。しかも絶望は感じさせない。

    ねずみが語り手となった最終章と最後が絶妙。まだまだ終わらないのがイタくて恥ずかしい青春なのである(笑

  • イケてない高校生生活を送る男子高校生が、高校デビューのラストチャンスを飾るべく、奇跡を探す旅に出るロードノベル。
    男子の青春は馬鹿馬鹿しいほど心に残る。他人から見ればちっちゃい出来事が、それこそ国宝級の宝物にもなる。彼らの人間臭さがとても魅力的だ。物語の設定も秀逸。まさかの彼が最後の主人公とは思わなかった。そう、自分の人生は自分が主人公なのだ。

  • よくありそうな青春ロードノベルで
    めちゃくちゃでバカで茶番なんだけど、
    なんかいいなあって思える。

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著者プロフィール

1977年神奈川県生まれ。2016~2022年に愛媛県松山市で執筆活動に取り組む。現在は東京都在住。2008年に『ひゃくはち』でデビュー。2015年に『イノセント・デイズ』で第68回日本推理作家協会賞、2019年に『ザ・ロイヤルファミリー』で山本周五郎賞とJRA馬事文化賞を受賞。その他の著作に『95』『あの夏の正解』『店長がバカすぎて』『八月の母』などがある。

「2023年 『かなしきデブ猫ちゃん兵庫編  マルのはじまりの鐘』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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