- Amazon.co.jp ・本 (564ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396342555
感想・レビュー・書評
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“釜さん”こと榎本武揚は、同時代の誰にも先駆けて、所謂“近代”というモノ、技術や社会の仕組みや、そういうモノが発達した歴史を知識として、体感として身に着けたような人物だった。そういう人物であったが故に抱いた野心と行動…それが本作の軸になっている。
他方で、“釜さん”こと榎本武揚が知悉する「近代」に対する「近世」或いは「さむらい」の価値観や、“天子様”という朝廷の台頭によって、一連の戊辰戦争に通じる流れの中での「変化」というようなモノを考察する内容が含まれ、それがなかなかに深い…
力強い感じで、ドンドン展開する物語に引き込まれる…愉しい作品!! -
幕末、幕臣である榎本武揚が大坂で徳川慶喜に取り残される辺りから、軍艦で蝦夷へ行き、共和国を立ち上げて新政府軍に負けるまでを描く。個人的には、榎本武揚に付き従った幕臣たちの時代錯誤な考えが、今でいえば大企業病のように感じる。幕臣は刀槍の戦いこそが武士としての戦いで、鉄砲は足軽がやるものと軽んじている。そして、いつでも刀槍の戦いができると思い込んでいるが、実は戦い方や鎧の着方すら知らないという。今の時代でも、いつでの仕事できると思っているが、実は何もできないということがあるように思う。そしてそんな企業は幕末を迎えるのかもしれない。
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タイトルを榎本武揚と箱館共和国とした割には、武揚について深く切り込んでいる感じはないし、箱館共和国についても、武揚の考えがしっかり書かれていない。
小説だから創作の部分が多くあって当たり前で、史実がどうだか私は知らないが、同じテーマの別の作品はもっと深く武揚について書かれていた。
ちょっと期待外れ。
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榎本釜次郎武揚、日本最大最強の軍艦「開陽」を擁して箱館戦争を起こした男の物語。勝海舟、土方歳三、近藤勇、黒田清隆等が敬愛した幕末唯一の知的挑戦者。