スーツケースの半分は (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社
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感想 : 419
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396344177

感想・レビュー・書評

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  • 読んだら旅に出たくなる!
    それも自由きままな一人旅!
    フリマで出会った、あるスーツケースがいろいろな人の手に渡って旅するお話。
    夢中になって一気読みでした。

  • サラッと読めました。

    “幸運のスーツケース"と呼ばれる青いスーツケース。
    1人の女性が幸せを掴んだのをきっかけにその友人たちへとバトンされるのですが、単純に幸せになるわけじゃないところがリアルで良かったです。

    勇気を出せばどこへでも行けるんだ、と一歩踏み出すきっかけをくれるような作品でした。

    • アールグレイさん
      私も以前この本を読もう、としていました。でも、図書館の嵐に負けて、この本を泣く泣くキャンセルしました。読んでみようかな~
      私も以前この本を読もう、としていました。でも、図書館の嵐に負けて、この本を泣く泣くキャンセルしました。読んでみようかな~
      2022/09/01
    • かりうささん
      アールグレイさん
      さらっと読めるし、内容はさすが近藤史恵さんという感じです、おススメです!
      アールグレイさん
      さらっと読めるし、内容はさすが近藤史恵さんという感じです、おススメです!
      2022/09/09
  • 身近な人に勧められて、近藤史恵さん初読みの1冊。青いスーツケースが紡いでいく、人生の1場面1場面に心が温まりました。

    青の革製のスーツケース。バザーで出会った真実を皮切りに、その友人たちへ。そしてさらに多くの旅へ。旅の形も様々で、本当に人それぞれ。様々な目的があって。青いスーツケースがそこに少し、花を添える。

    連作短編のような形なので、本当にさらりと読み切ることができました。爽やかな気持ちになる1冊です。

  • この本を読むと旅に行きたくなります。レビューのとおりです。

    旅の目的はそれぞれで、その旅によって自分の悩み、迷いに気付き主人公が元気になっていくのがすごくいいです。その旅には青いスーツケースがいつも一緒にいます。青いスーツケースがきっかけを与えてくれたんだと思います。

    青いスーツケースの始まりが私の中では意外でした。一番最初の人の優しさが他の人に伝わって行ったのかな?

  • 青いスーツケースへの一目惚れから、取り巻く人たちの人生が動き出すストーリー。
    短編集のようでありながら、全部がまるく繋がっている。
    ありがちな構成だけれど、各章それぞれの登場人物について繊細に表現され、生かされていた。
    どこにでも実在するようなアラサー女子4人の雰囲気とか、世間体と自己の葛藤と、仕事と恋と友情。

    本当のスーツケースのように、色んな物語がぎゅぎゅっと詰まった一冊だった。

    「空腹ならば逃げようとは考えない。だが、満腹になったとき、この子は急に空の広さに気付いたのだろうか」

    「ひとに好かれることは簡単で、そして忘れられるのも簡単だということだ」

  • 一つのスーツケースがたくさんの人々の手に渡り、物語を紡いでいく。

    楽しい小説でした。

    ですが、それぞれに旅に出ることにも理由があり、様々な体験がそこにはあります。

    久しぶりに旅行へ行きたい。それも一人旅。(私は海外一人旅平気な性格です)

    オペラも観に行きたいし、博物館にも美術館にも出かけて、その土地の本屋さんでたくさんの原語の本やCDを買い込んでスーツケースに詰めて帰りたい。

  • フォローさせて頂いている方のレビューで読んでみたくなって早速借りてきた。 

    青いスーツケースにまつわる連作短編集。
    とてもうまくまとまっていて読後感もとても良かった。
    もうすぐ30歳になる女性の焦燥感や悩みがとてもうまく表現されていて、読み始めたらあっという間に読んでしまった。

    結婚して独身の頃のように自分の希望を自由に叶えられない女性がフリーマーケットで青いスーツケースに一目ぼれして購入するところから物語が始まる。
    前の話の結果は次の話を読むとわかるようになっていて、次の話を読むと良かったなぁと嬉しくなる。結婚していても一人で出かけることは悪いことじゃないって発見したり、自分への偏見を開放して生涯の伴侶を見つけたり、今のままでよいのか悶々としていた女性がこれでいいんだと自分を受け入れたり、すごく素敵にまとまっていた。

    最後に青いスーツケースがどうして旅行にいかない女性の家から出てきて形見分けされたのかわかる。意外な理由で最後まで読みやめられなかった。
    読後感も良く、話も面白くてまたこの作家さんの本を読みたい。

  • 青いスーツケースをめぐる、9つの短編集。
    小説だったら、どこまでも遠くに行くことができるー。

    旅をする理由は色々だ。
    自分探しだったり、日常からうんと離れて羽を伸ばしたり、友達に会いに行ったり。
    でもそんな、旅の中での予想外の出来事は、より格別で、自分のその後の人生を大きく変えたりすることもある。

    最初の物語の主人公、山口真美は、海外旅行に行きたいと思っていても、夫に反対されて、なかなか行けないでいた。
    そんなある日、フリーマーケットで青いスーツケースを見つけ、一目惚れして買ってしまう。

    このスーツケースは、やがて「幸せを運ぶスーツケース」と呼ばれるようになり、使う人を次々に変えていく。
    読んでいて、明日にでも旅をしたくなる。

    「あと一歩の勇気」がいる場面は、人生の中で時々あって、そんな時に後押ししてくれているのが、このスーツケースのような気がする。

    行ったことがない土地だけれども、その土地の空気とか匂いとかを味わえる優しい文体、登場人物の葛藤に共感しながら、うなずきながら、流れるように読み終えた。

    旅行しているときに、自分のことだとか、色々なことを考えるのは自分だけじゃないんだ。そんな安心感に包まれた。

    次にちゃんと旅行することができるのは、遠い先の話かもしれない。
    でもきっと、旅先で青いスーツケースを見かけたら、この小説のことを思い出すだろう。

  • 1つのスーツケースを中心にした連作短編集。各話の繋がりが気持ちいい。少しの勇気と前向きな気持ちをもらえる作品。

    • まちゃこさん
      今、まさにこの本を読んでいまーす❤️
      読み終えたら、感想書きますね❤️
      今、まさにこの本を読んでいまーす❤️
      読み終えたら、感想書きますね❤️
      2024/01/28
  • 「あなたの旅に、幸多かれ。」

    帯に書かれたこの1文で読みました。

    スーツケースが繋ぐ物語。

    旅先で出会ったのは、他でもなく
    新しい自分だったのだろう。

    きっかけとの出会いが新しい自分の始まりなんだなと思った。

    落ち着いたら旅に出ようっと。

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

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