黒鳥の湖 (祥伝社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (467ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396347383

作品紹介・あらすじ

何もかもが似すぎている。世間を騒がす「肌身フェチの殺人」に……。
すべては自らが犯した罪の報いなのか?

上場企業『ザイゼン』の社長財前彰太は、妻の由布子、娘の美華と三人で幸福に暮らしていた。ところが、世間を騒がす女性拉致事件のニュースを見かけ、彰太の心に不安が兆す。その快楽殺人者の手口に覚えがあったのだ。十八年前、反対を押し切って由布子と結婚するため、そして伯父の会社を奪うため、彰太はある〝罪〞を犯した……。
人間の悪と因果を暴く衝撃のミステリー!

感想・レビュー・書評

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  • 18年前に財前彰太が興信所に勤務していた時、快楽殺人者に娘を誘拐されたという谷岡という老人に犯人を見つけて欲しいと依頼され、彰太は当時の恋人の由布子と結婚するために伯父の持っていた会社を乗っ取るために、伯父をその犯人に見せかけて谷岡に殺させたという過去があります。

    そして18年後、彰太の娘の美華が家出をして行方不明になります。
    世間では18年前の、彰太のみが知る同じ手口の快楽殺人者の犯行が横行していて妻の由布子は美華もきっとその犯人に誘拐されたのだと言い出します。

    そして話はラストへ向かっていくのですが、ラストたるや人と人との因果関係が生んだ謎がひとつひとつ明らかになっていく速度がもの凄く加速されていきます。

    あの人物も、この人物も怪しい人ばかり。
    この物語は財前家の家族の物語であり、因果が生んだ結果の物語。

    やっぱりあの人物は、過去に出てきたあの人だったとわかる人物ありの大混乱。

    最後に彰太が「この世で潔白なものは、美華ともう一人、この妹だけだ」というモノローグには救われます。

  • 読み疲れた。色んな〝事件〟が絡まり過ぎて、途中からスタミナが切れてしまった…

    登場人物たちの善意と悪意、そして企み。現在と過去。最後の最後まで気が抜けなくて、良くも悪くも濃かった。

  • ドラマ化された出演者に惹かれて手に取った一冊。
    初めての作家さん。

    一冊の中にいくつの罪があっただろうか?というくらい
    たくさんの罪や秘密。。
    片手では足りないくらい!
    まず、主人公の罪のひとつにちょっと納得がいかず、
    こんな運まかせ、他人まかせなことするかな〜、と疑問に思ってしまい、挫折しかけた。
    が、後半は数多くの謎が明かされ、
    それが予想を上回り、おもしろく読めた。

  • 財前の家族と弟家族が似通っている様に思えるので、この小説の様なら、痛快だろうと思いながら読んでいた。
    現実は、こちらの方が底辺なのに。

  • またまたすごい本でした。最後のページを読み終わって、圧倒されてため息が出ました。これだけの複雑な人間模様を良くぞ描き切りましたと心の底から思います。しかし、私にはあまり好きになれない小説でした。

  • 読み終わったが、通勤電車の途切れ途切れの読書では、謎解きが今ひとつわからなかった。

  • なるほど
    因果応報だ
    綺麗さっぱりイカれた奴しか登場しない

  • 読み始めて引き込まれ、1日で読み終えてしまった!!怖いけど、おもしろいんだよな宇佐美さん。

  • 話はおもしろかった。
    肌身フェチの殺人者ってネーミングはイマイチだけど。

  • WOWOWドラマ最終回前に読み終えることが出来た。初読の作家であるが女性らしい。物語は絡みに絡んだ糸のようであったが、無理からに結末に持っていった感じである。いくらなんでもそれは無理だろうという展開が数々あり、特に叔父殺しの犯人に至っては第一発見者である権田であった訳であるが、果たして警察がこれを見逃すかという最初の部分から違和感がある、それに彰太に至っては余りにも無能すぎるいくら周りに助けられたとは言ってもそれはないだろう。凌辱男の言いなりになる妻由布子も不自然すぎるし、犯人に至ってはそりゃないだろう。

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著者プロフィール

(うさみ・まこと)1957年、愛媛県生まれ。2007年、『るんびにの子供』でデビュー。2017年に『愚者の毒』で第70回日本推理作家協会賞〈長編及び連作短編集部門〉を受賞。2020年、『ボニン浄土』で第23回大藪春彦賞候補に、『展望塔のラプンツェル』で第33回山本周五郎賞候補に選ばれる。2021年『黒鳥の湖』がWOWOWでテレビドラマ化。著書には他に『熟れた月』『骨を弔う』『羊は安らかに草を食み』『子供は怖い夢を見る』『月の光の届く距離』『夢伝い』『ドラゴンズ・タン』などがある。

「2023年 『逆転のバラッド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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