キャッシュレス生活、1年やってみた 結局、どうするのが一番いいんですか? (単行本)

著者 :
  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396617189

作品紹介・あらすじ

急げ! 「キャッシュレスで最大5%還元」は2020年6月30日まで!
興味はあるけど、なんとなく怖い。多すぎて選べない。
個人情報は大丈夫?
本当にお得?
そんなあなたの代わりに、気になること全部試してみました
やってみてわかった神ペイ、マストアプリ

1回現金を使うと1敗。2019年は17敗1分けでした。
自称「仕組みフェチ」の私は、2018年12月のペイペイ「100億円あげちゃうキャンペーン」終了後、キャッシュレスのビジネスモデルと裏側の仕組みを知りたくて、2019年はキャッシュレスで生活してみようと決意したのです。
1回現金を使うと1敗。
負けないように工夫しつつ、現金を使っていた生活から、現金を使わない生活に移行していく過程を紹介してきます。
まだまだ、日本は現金社会です。
油断していると負けてしまうので、創意工夫が必要ですが、そのプロセスも追体験しながら、お楽しみください。
……とスタートした1月1日。
最初に困ったことは、神社のお賽銭です。
――著者の言葉

現金使わない生活から、日本のミライが見えてくる
●どのペイが結局得なのか、1年やってみた結論
●初めての「敗北」はセブンイレブンだった
●コンビニアプリで一番よくできているのはファミペイ
●クロネコメンバー割は使わないと損
●クレジットカード、2枚持ちから10枚持ちの時代へ
●なぜPayPayは大盤振る舞いできるのか
●2024年の新札導入で「キャッシュレス化戦国時代」は終わる
●意外に遅れている美術館や公共施設
●キャッシュレス生活の鬼門は郵便局

美崎栄一郎 (みさきえいいちろう)
ビジネス書著者、講演家、商品開発コンサルタント。
1971年横浜生まれ、大阪育ち。大阪府立大学大学院工学研究科修了後、花王でサラリーマンとして働くかたわら、社外の社会人向けに勉強会・交流会を主催。2011年の独立後は数多くの商品開発を支援する一方、団体向け公演や個人向けセミナーを積極的に展開している。 サラリーマン経験を元にした使えるノウハウをまとめた著作は『「結果を出す人」はノートに何を書いているのか』『iPadバカ』など40冊以上。本書は2019年1月に始めたキャッシュレス生活(現金、使ったら負け生活)の詳細な記録である。

感想・レビュー・書評

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  • キャッシュレスがどれだけ広まっているのかを
    2019年の1年間で著者がチャレンジしてまとめた本。
    クレジットから電子マネー、非接触ID決済、QR決済
    と色んなキャッシュレスの仕組みがあるのですが、
    それぞれの特徴についても触れてくれており、
    知らないことも多くて大変勉強になった。

    例えば・・・PayPayは、なんであんなに
    キャンペーンが打てるのか?とかですね。

    インバウンド需要を狙っているのであれば、
    なおさら美術館とか旅館とかへの普及を国策として
    進めればよいのに全然進んでいないとかは、
    確かに言われてみればそうだなって感じました。

    地方の観光名所とかアニメの聖地を巡るのが
    流行っていますし、何でやんないのかなって思います。

    それにしても、インフラって儲かるだなあ。
    投資もかかりますけど・・・。

    【勉強になったこと】
    ・PayPayは、2018年12月の100億円キャンペーンの
     10日間で、489万人の新規ユーザーを獲得し、
     キャンペーン終了時には駆け込み需要で471万人が
     PayPayのアプリを起動した。
     ※ネット行動分析サービスを提供する株式会社
      ヴァリューズのレポートより

    ・コンビニの動向はファミマを見ると良い。
     電子マネーの利用開始も2007年と早く、
     クレジットカード決済開始も2011年、
     QRコード決済開始も2018年12月と
     他コンビニより先行して開始している。
     システム的な取り組みが先行しているともいえ、
     上記もあってか、FamiPayはコンビニ会員アプリで
     一番優秀と言える。
     ※ポイントカードと決済機能を一体化しており、
      決済機能を出せばポイントカードでのポイント付与
      も同時に出来るようになっている。
      また、対象のポイントカードもこれまでのTポイント
      だけではなく、楽天ポイント、dポイントを
      ユーザが自分で選択できるようになっている。

    ・SQUAREは2009年設立のアメリカのベンチャー企業。
     スタバが投資をした企業で、日本には2013年上陸。

    ・交通系ICカードを全国相互利用可能にするためには、
     Suicaと同レベルまでセキュリティレベルを上げる
     必要があるが、費用負担が出来ず実現出来ていない。
     →ここに対して政府が介入するのが良いか?

    ・メルペイは、メルカリの中にたまった巨額の売上金を
     リアル店舗に流す目的で生まれた。

    ・クレジットカードの規約で、決済手数料を
     上乗せした金額を請求してはいけないという
     ルールがある。

    ・2024年に新札が発行されるということは、
     各種機器において新札が使えるように整備する必要が
     あるということでもある。
     上記投資にはかなりの費用がかかると予想されるため、
     このタイミングを見越してキャッシュレス化を優遇し、
     設備投資にかかる金額を削減する可能性もある。
     ※現金利用可能な機器を意図的に減らせば、
      置き換えにかかる台数が少なくなる
      =設備投資が安くなる

    ・3Dセキュアとは、3桁のセキュリティコードに
     プラスして、自身で決めて自由に変更出来る
     パスワードを設定するという仕組みのこと。

    ・音を使った決済がインド市場で試行されており、
     日本でもJR東日本の新型車両にて使われている。
     これにより、車内では使えないGPSの代わりに、
     どの号車に乗っているかが分かる。

    ・色んなキャッシュレスの手段が提供されているが、
     最終的に生き残るのは「非接触型(タッチ決済)」と
     考えられる。同じ機能を持つのであれば、人は
     楽なほうに流れるのが常だから。
     →これは私もそう思います。
      全部使ってみて、一番楽なのはSuicaやPASMO、
      QuicPayやiDといったかざすだけで済む仕組みが
      一番楽だと思います。
      クレカは暗証番号入れたりサインが必要だったり、
      QRコード決済はわざわさQRコードを表示する
      必要があり、非接触型よりひと手間かかるから。

  • クレカは10枚くらい持ってスマホに入れて使い分けるのがいいそうで。
    スマホに入れるのが抵抗あるんだよねー。

  • ●小銭を持つとしたら180円。100円玉1枚、50円玉1枚、10円玉3枚。
    ●クロネコヤマトのドライバーの年収を時給換算すると約2890円分給48円です。5分浪費すれば240円になりますから、電子マネーの経済性が高い事が分かる。
    ●美術館は現金のみがまだまだ多い。
    ●フェリーの中では、電波があるので、QRコード決済もできるはず。交通系ICカードの決済であれば、電波がなくても大丈夫でしょう。豪華客船などは、船に乗るときに決済する船内で使えるカードが発行される。
    ●医療費は金額が国の基準で定められています。そのため、クレジットカードの決済をすると、手数料分は損をしています。そのことを気にする医療機関だと、現金のみしか決済手段がありません。
    ●2024年新札の導入によって、自販機やATM等の改修が必要となります。このタイミングでキャッシュレス化へ向かうのではないか。
    ●景品法では、利用者にもれなく提供する景品は1000円以上の取引の場合、取引価格の20%が上限と決められています。雑誌の景品も同じ。
    ●コンビニにあるPOSAカードは、販売時に有効化すると使えるようになるカードなので万引きしても使えない。
    ●クラウド会計ソフトは、スクレイピングと言う方法を使って銀行からクレジットカードのデータを引き出す。大事なIDやパスワードをクラウド会計ソフトに預けてしまうと言うリスクがある。
    ●キャッシュレス時代のクレジットカードの選び方。10枚位のお得なカードを使い回すと良いでしょう。実際には持ち歩きません。無料で発行できるカードがほとんどですから枚数を持つデメリットは少ない。メインだけ持ち歩き、後はApple Payなどに登録してスマホで切り替えて使えるようにしておく。
    ● JCBとアメックスは提携しているので、JCBの使えるお店は全てアメックスが使えます。

  • ハウツー本かと思いきや、世の中のことを考えてじっくりと教えてくれる本でした。身の回りの物からいくらでも世の中が見えてくるということがわかりました。あとは、後半、わからない単語が多すぎて混乱。ただし、それは私の知識不足。

  • キャッシュレスに興味があり手に取る。
    感想としては、こんなにカードやアプリをつかいこなすのは億劫だなぁ…
    地方在住なので個人商店も多く、電子化もそんなに進んでないし。ただ、これから先、電子化が進むだろうということには同意する。
    実際、電子マネーは便利。公共施設から利用を進めてほしいと思う。

  • 完全キャッシュレスはなかなか難しそうでした。良く行くスーパーはクレジットが主になりましたがカード使い分けたりは面倒くさいしスマホに全て紐付けするのもちょっと不安が残ります。

  • 最近やたらとキャッシュレス決済に関する話を聞いたりするが、自分にどんなメリットがあるのかわからないと感じている時に、現状の把握、将来の予測、利用の注意点を知ることができ、あせらずに自分のメリットとなることから考えた使い方を学べる1冊でした。

    【気づき】
    ・「人は楽な方にしか流れない」というのが実はマーケティングで一番押さえておくべき点なのかもしれない
    ・新札への切り替えがキャッシュレス化の変換点という考え方には全く気付いていなかった
    ・定点観測で最先端の流行を学ぶ手法を意識してみたい

    【本の概要】

    〇キャッシュレスに関する現状分析
    ・スマホで世の中のコミュニケーションの流れや情報の流れ一変したことで生み出された状況、今ではスマホがインフラの1つ、実際に紙幣を使える場所でも紙幣以外の決済方法は増えている、質の良いものでももっと便利なものあれば需要なくなるのと同じ
    ・日本は人口が落ち着いており従来市場の成長期待できない、成長企業と各社が挑むのがキャッシュレス市場、業界の枠超えた戦い起こっており複雑に見える
    ・毎シーズン同じ場所で定点観測すると最先端の流行よくわかる、他の国や街と同時期に比べるとその変化がどう伝播していくかの様子もわかる

    〇キャッシュレスの今後予想される流れ
    ・お金の機能である交換・価値の尺度・価値保存の3つの原則はいつの時代も同じだが、社会経済の状況によって交換の範囲や貯蔵の範囲は変わる、兌換から不換へ変わる中でキャッシュレス化は避けられない、現代のお金は電子化された情報になっている、信用が高まっている
    ・商品開発のコンサルティングで考えるべきは商品の向かう方向性、最終的にはすべて非接触の時代が来る、人は楽な方にしか流れない、商品の機能や性能に注目しすぎると見えなくなる、客観的に眺めないと気づけない
    ・2024年には新札に、自販機や券売機、ATMなど改修必要、コスト抑えるためにキャッシュレス化し台数減るはず

    〇キャッシュレス利用にあたっての注意点
    ・期間限定のポイントは自社誘導のため、使える範囲チェックしておかないと必要でないもの無駄遣いする可能性もある、注意を
    ・ポイントカードや電子マネーは有効期限ある、1枚に集約がベスト、こまめなチェックを忘れないこと
    ・日本全体ではまだ公共施設のキャッシュレス化は道半ばという印象、外国人観光客の多い場所での改善意識の強い施設から対応している様子

  • 「iPadバカ」の美崎栄一郎氏によるキャッシュレス生活やってみたルポ
    現金を使ったら負けというルールで生活するというもので、これまでの生活を変更して挑むという点はどうにも本末転倒かな
    またマイルール的なものも多く(例えば、ワリカン相手が現金で払ってワリカン分を電子マネーで相手に渡せればよい、とか)、こちらも拍子抜けかな

    【引用】
    ・おかげで、毎週のように各コンビニに行くことになり、やたらコンビニの商品や導線などについても詳しくなりました。次回作はコンビニ本かもしれません。(P49)
    ・交通系ICカードが電池もない状態でよくデータを保持したり、動作したりしていると不思議に思っていたのですが、これは改札の方から電気を貰って動いています。(P61)
    ・QRコードのシールを運転席の後ろに貼っておけばよいだけですから、設備投資がいらないというのも大きいのでしょう。(P71)
    ・地図上では、正確に言うと書類上では、(沖縄ー鹿児島を結ぶ国道58号は)海の上に国道が走っていることになっています。(P86)
    ・バラバラに買うと、この合計の11660円なのですが、名古屋から米沢まで一気に買うと、8580円で4日間有効なのです。(P100)
    ・電子カルテになっているのであれば、そのシステムから自動的に支払いまでやってしまえば効率的です。(P116)
    ・新しくカードを作るときにはキャンペーンのタイミングにできるだけ合わせるということを心がけるようになりました。(P128)
    ・ドコモユーザーならば、無料のdカード、作らないと損(P140)
    ・パスワードを盗まれても、定期的に変えていたら大丈夫というのは本末転倒です。盗まれないように対策しないといけないはずです。私たちも、システム側も。(P183)
    ・アップルはアップルのプラットフォームにおいて自身のルールを強要します。(P197)
    ・ポイントカードや電子マネーは有効期限があるので、各1枚だけに集約するのがベストで、こまめなチェックをお忘れなく。(P231)
    ・ソフトバンクのように軍資金がたくさんある会社がより高い還元率になります。軍資金が潤沢なのは、ソフトバンク、ドコモ、楽天の順です。(P233)
    ・(クレジットカードは)メインの3枚程度だけ持ち歩き、あとはアップルペイやグーグルペイに登録してスマホで切り替えて使えるようにしておけば、物理的なカードは自宅保管でOKです。(P235)

  • キャッシュレス生活のノンフィクションと思って読んでみたら、ノウハウ本でした。日本でキャッシュレスを実践するのがいかに大変かと言う事がよく判る。
    キャッシュレスにすると現金をやり取りする不便さは解消されるし効率も良くなる。しかし最適な決済手段を選んだり、ポイント還元率や期限、キャンペーン内容を調べたりする等、事前に予備知識を仕入れておかないとお得感が味わえない。その手間を考えると、結局いつも同じ決済手段を使うということになるだろう。読んでいくうちに、キャッシュレス生活の方が面倒臭い感じがした。
    著者は自分でルールを決めて、キャッシュレスで日本中を旅しているが、現金だったらこんなに苦労することはない。(まあ現金を使わないというテーマなので、現金を使ったらこの本は書けませんが)日本では、当面キャッシュレスには移行しないと思う。高齢者でスマホを使えない人もまだまだ多いし、カード決済でさえ抵抗を感じる人もいる。
    この本は、お金を持っているが損得勘定には厳しく、マメで几帳面な人には良いアドバイスになると思う。

  • 少し前に『いちばんやさしいキャッシュレス決済の教本 人気講師が教える新たな経済圏のビジネス』という本を読みました。
    その本は、どちらかというと、学術的な面から書かれた本、今回の本は、実践的・実用的な面から書かれた本でして、2冊読んだことで、キャッシュレスに対する理解が深まった気がします(といっても、まだまだ理解不足ですが)。

    日本は、キャッシュレスの初動は、決して遅くありませんでしたが、現時点では、中国などに比べると、かなり遅れています。
    キャッシュレスについては、ある意味、現金の流通がうまくいかなかった地域で進んでおり、現金の流通がうまくいっている日本でのキャッシュレス化は、なかなか難しい気がします。

    ちなみに、著者の美崎氏の見解によると、2024年に新紙幣が発行されるタイミングで、一気にキャッシュレス化が進むだろう、とのこと。
    自分は、そう簡単には進まないだろうと思っているのですが、どちらになるか、2024年が楽しみです。

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著者プロフィール

経営・商品開発コンサルタント、作家、講演家。大企業勤務時代は「スーパーサラリーマン」と呼ばれた、まさに仕事術の達人。『結果を出す人』シリーズなど、ヒット作多数。

「2015年 『「結果を出す人」は、エクセルをどう乗りこなしているのか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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