一生モノの物理学 文系でもわかるビジネスに効く教養 (単行本)

  • 祥伝社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396617417

作品紹介・あらすじ

大学受験で文系を選択した人にとって
理解が難しい世界――「物理」。

しかし、家電が動くのも、飛行機が飛ぶのも
病気を発見できるのも、部屋の明かりがともるのも
すべて根底には物理学が存在しています。

それだけ社会の根底理論となっている「物理」を知らないことは
ビジネスパーソンにとって大きな損失ではないでしょうか?

そこで、「京大名誉教授」×「関西大手予備校・研伸館講師」
という教えるプロがタッグを組み、
"「物理が苦手」な人のための物理の本"を制作しました。

日常の中にある技術に活用されている物理の世界を
わかりやすくお伝えします!

感想・レビュー・書評

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  • 読書を通じて新たな知識が得られる事が、純粋に楽しい。しかし、学生時代に受験で使わないからと物理を勉強もせず浅い知識のままになってしまい、公開している人も多いだろう。世の中の仕組みや構造をもっと理解すれば楽しいだろうに。

    本著は具体的なテーマに沿って分かりやすく解説してくれるし、テーマに興味が無い、やはり分かりにくいという事であれば、飛ばして読んでも差し支えない。例えば、水晶体の話、内視鏡、X線、重粒子線によるガン治療、引力や気象など幅広い。解説の仕方も、イヤフォンの音質の差はなぜ生まれるのか、というように身近だ。ちなみに良い音質を求めるなら、高音域に適した軽い振動板と、低音に適した大きな振動板を両立させる事。ケーブルのノイズを減らすために電気抵抗が少ない銅の純度が高い事が条件だ。

    こんな風にして一つや二つ発見があるし、物理を避けていた文系学生ならば、必ず学びがある。読んで損は無い一冊だと思う。

  • 『感想』
    〇文系でもわかるとあるが、著者にとっては簡単でもわからない人には本当に分からない。

    〇確かに義務教育で物理の基礎は習ったはずだし、その後も知る機会はあったはずだが、入試に必要ないということで捨ててしまった。

    〇大人になって日常の中にある物理学に興味を持ったので手に取ったわけだが、もちろん分野にもよるが理解が難しい。

    〇この本が悪いわけでは決してない。自分のレベルに合わなかっただけで、簡単に書こうという筆者の意図は感じられた。

  • 流読。
    日常生活の中で活かされる物理学の原理。
    導入として興味関心を持ちやすいが、一生モノにするためには学び続けることが必要。

  • 日常の中の物理をコンセプトに、何の気なしに周りで起こっている現象や利用している機器なんかがどういった原理なのかを解説している。

    が、理系音痴の私はやっぱり腹落ちするまでの理解には到達できないなー。日々利益を享受しているノイズキャンセリングの「単振動」や「位相がずれる」といった用語や現象がどうも理解できない。そんな時は最終章にも述べられている「棚上げ法」でどんどんその他書籍を読んでみたりで量をこなしていくことで、光明を得るときがくると信じてる。

    個人的な学びは、遠視・近視と老眼・白内障は原因が異なる・前者は眼球の変形で、後者は水晶体の濁りなんだって。乱視な私は眼がゆがんでいるのかと少し怖くなってしまった。あとは、ローレンツ力は、危機なじみなさ過ぎて響きで記憶に残った。中学でみんなやる「フレミング左手の法則」の意味を、再学習してここにモーターの原理が隠れていたのかーとしみじみ。ただふざけていた過去の自分を叱責したい念に駆られる。後悔先に立たず。あとあと、「湿度」が相対湿度でその空気中における法は水蒸気量に対する割合なんだとこれは衝撃。湿度90%ってほぼ水中じゃーんとか呆けたこと言ってる過去に自分にグッバイ。

    中学理科も崩壊している自分には十分難しい内容でしたが、身近な題材で取っつきやすさは申し分なし。物理力が抽象化→予測→観測→修正・補正の手順であるなら、よくビジネスで喧伝されるPDCAサイクルなんてものと似ているところはあるんだな、と。物理の思考力というのは、人生の見方を拡張してくれるし物事の根源はなんだろうと、哲学などの人文学とは異なるアプローチが取れるのだと感じる。画一的な人間ではなく、もっと多面的で豊かな人間に。そんな文系マンに手に取ってみては。

  • 回折レンズは強め合った光を複数の角度で作り出せる
    放射能を身近な電球の明るさに関する言葉と比較して整理すると、放射能は電球が光を出す能力、Bqはワット、SV は人が感じる明るさを表すLxに相当する
    15分ずつ次から次へと勉強する中身を変えていくのも集中力を保つのには非常に効果的です
    クオリティと起源を天秤にかけて作業する
    時間をうまく活用できるのはいい加減を良い加減と変えて使いこなせる人である

  • 身の回りのテクノロジーの仕組みから、色々な物理学の話に繋がる本。

    わたしは理系ですが、復習的にも楽しめる本でした。

  • 理系教育のスペシャリスト2人によって書かれた本。生活の延長線上にある物理の理論を使った事象やモノが解説される。

    内容は非常に分かりやすく、読み物として単純に面白かった。役立つ知識も多かった。

    ただしこの本の醍醐味は知識を得ることではなくて物理の世界に「慣れる」ことがと思う。
    自分は数学と物理が嫌いすぎて文系の大学に進んだが、何の因果かばりばりの理系フィールドであるメーカーで今は仕事をしている。まさか図面を読むような仕事に就くとは思わなかったが、何年か仕事しているとそれが楽しいと思うようになった。

    それでも物理や数学にはアレルギーが未だにあるので、これを克服するためにこうした本を読むようにしている。理系のロジックを理解して、「大したことない」と思う経験を積んでいくことがこのリハビリになると信じている。

  • 光が屈折する理由→物質内を進むスピードは物質によって変わるから 真空中に比べてスピードが落ちる割合→屈折率

    回折→光、音などの波が遮蔽物の背後に回り込む性質
    スリットの感覚を変える→回折光を集めることが可能・強めあった光を1点に集める

    波=振動が伝わる現象 振動を媒介する物質→媒質
    光は媒質が必要のない特別な存在 光は振動する電場(電気を帯びたものに力がかかる場・電界)が振動する磁場(磁気を帯びたものに力がかかる場・磁界)を生む→繰り返して振動を伝える
    光は媒質の存在しない宇宙空間(真空中)でも伝わる

    空気からガラス(境界面から遠ざかる方向に屈折)・ガラスから空気(境界面に近づく方向に屈折) 光は屈折と反射を同時に起こす
    ガラスから空気(境界面に近づく方向に屈折)=入射角よりも屈折角が大きくなる→屈折の法則

    入射角がある程度を超えるとすべての光が反射する・境界面を超える光がなくなる→臨界角

    光ファイバー コアとそれを覆うクラッドclad 内視鏡→体外の光源装置から送った光を光ファイバー内で全反射させることを繰り返す

    X線→非常に高い透過性あり・通りにくい骨(金属のカルシウムがあるから) 筋肉、軟骨、皮膚は光を通す→感光フィルムで強い放射線が当たった箇所は黒くなる

    断層投影法CT コンピューターで画像として再構成されたX線透過度のデータ

    放射能→放射線を出す能力放射能 ベクレル→放射能の強さ(電球ならワット=明るさ) シーベルト→人体への影響(電球ならルクス)

    電線に電流が流れる→周りに磁場が生じる 右ねじの法則
    電子磁石(原子核の周りを電子がまわることで生じる磁場)

    原子核の構造→陽子(uud)と中性子(udd)から構成(アップクォークとダウンクォークからなる)

    ファラデー 磁場の変化によって電流が生じる→電磁誘導の法則 発電機
    人体は水と脂肪→水素原子核を持つ 外部から磁場を与え、それを一気に無くすと体内の水素原子殻の磁場が本来の向きに戻る→MRIで観察(水成分、脂肪成分で発せられる磁場の違いを検出・身体の組織を描写可能)

    陽イオン(cation カチオン) 陰イオン(anion アニオン) マイナスイオンは和製英語

    重量子線治療 炭素イオンを高速に加速してがん細胞に照射する 大がかりな装置(敷地面積1000平米・3階建て・導入コスト80億円)

    シンクロトロン加速器(リング状の円筒) ローレンツ力が働く向き→フレミングの左手の法則

    ジェットエンジン 後方へ噴出する空気の勢い=空気の質量kg×空気の速度

    力によって加速する場合 運動量によって加速する場合 同じことを別の言い方をしているだけ

    はやぶさのイオンエンジン イオン粒子を後方へ噴出して推進力 宇宙空間で推進力を得る

    空気が上昇する4つのパターン 山にぶつかる・暖かい空気と冷たい空気がぶつかる・低気圧に集まった空気がぶつかる・空気が温まって上昇

    断熱膨張による温度低下 フェーン現象(ラテン語で西風の意・ドイツでアルプスを越えて吹き下りてくる暖かくて乾燥した風)

    音→空気が媒質・振動を伝える 周期→媒質が1回振動する時間 振動数→1秒当たりの媒質の振動数/Hz 300Hz→1秒間に300個の波が通過する frequency
    振幅 振動の幅 amplitude 音の大きさ→振幅が大きいと鼓膜が大きく揺らされる

    地震のP波(primary wave) S波(secondary wave)

    レーダー Radio Detection and Ranging 無線探査測距 発振した電磁波の反射を観測、目標物の場所を知る

    波長が長い長波→電波時計 中波→AMラジオ 短波→アマチュア無線 超短波(VHF)→FMラジオ、テレビ、警察無線
    極超短波(UHF)→携帯電話、テレビ、電子レンジ、無線ラン、Bluetooth マイクロ波(SHF)→衛星放送 ミリ波→衛星通信、自動車衝突防止レーダー
    サブミリ波→天文観測

    電波は水中伝わりにくい→ソナー

    直流電流→直流モーター リニアモーター→モーターを線状に開いた

    地球内部→液体金属、電子の移動、電流の流れる→磁場ができる

    人間の目 赤緑青の3つの光 哺乳類は緑と青の2種類
    1ナノメートル=10億分の1メートル 地球1周は4万キロ・25周で10億メートル

    人間の目 380nmから770nmの波長のものが見える
    電子顕微鏡 電子を物体にぶつける 走査型また透過型 画像を多くの区画(画素)に分解し、輝度、色相などを順次電気信号に変換

    物理に苦手意識を持つ原因→中学校で接する力学でつまずくから 先入観にとらわれてしまう
    形を破る瞬間千利休 守破離
    頭をクリエイティブに動かすのは1日1時間まで 15分単位で集中する

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著者プロフィール

鎌田 浩毅(かまた・ひろき)
1955年東京生まれ。筑波大学附属駒場中・高等学校卒業。東京大学理学部地学科卒業。通産省、京都大学大学院人間・環境学研究科教授を経て、現在京都大学レジリエンス実践ユニット特任教授・同名誉教授。専門は火山学、地球科学、科学教育。「京大人気No.1教授」の「科学の伝道師」。著書は『新版 一生モノの勉強法』『座右の古典』(ちくま文庫)、『やりなおし高校地学』(ちくま新書)、『地学のツボ』(ちくまプリマー新書)など。

「2021年 『100年無敵の勉強法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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