- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396633264
感想・レビュー・書評
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笹本稜平さんの本は、「警察小説」のイメージがありました。未踏峰は、山岳小説であり、警察小説とは異なる分野なのでどのようになるのかと思いながら読みました。
警察小説同様、登場人物にしっかりとしたキャラクター(個性)があり、節々に絆を感じられるフレーズがあり、心が温まりました。
山岳小説ならではの苦悩やドラマが描かれており、最後まで楽しめました。
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山岳小説を読むのは初めてだったが、専門用語なども気になることなく。話の中に吸い込まれ行った。
しょうがいを持った3人日常の社会の中では、しょうがいという壁があったか、山では、それは素晴らしい個性、ストレングスとして活躍し、自分の居場所を見つけていき、生きる喜びを感じていく。
目の前の一歩一歩を進み続けることがが大切。生き方を変えられるようなきっかけを与えられるような人間になりたい。それが空気のように出来たら。 -
障害があったり、悩みを抱える若者3人の登山を通じて成長する話。いい本だった。
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久々の山岳小説。山登り未経験の自分だが、やっぱり山岳小説好き!と再認識。
難攻不落の山を登りきる、というガチな内容ではなく、未踏峰を登りきることで自分に立ち向かうこと、生きることの喜びを見出していく3人の成長物語。想像していた内容とは趣が異なっていたが、登頂までの過程〜すなわち3人の成長〜には、自分の心に栄養分をもらえた気がした。
やっぱりいいね、山って!(登ったことないけど) -
親の書棚より回収
小泉純一郎・竹中平蔵の経済路線によりこう言う残酷な現実
が生まれてしまいました。派遣地獄ですよ。
派遣社員を経験したことのある人は実際に読むのを躊躇う
でしょうね。自分もそうでしたから。嗚呼思い出したくない
・・・新聞紙上やネット上で耳にするだけではその苦しみは
理解できないのだろうなって思います。
絶望的な状況をきちんと正面から描ききっていると思います。
アスペルガーの女の子についてもそうです。
簡単に「アスペ」と気楽に日常語にすらなっておりますが
その負の側面を考えると辛いものがあります。リアルな辛さ
をよく捉えきっております。辛いんだよね・・アレは。 -
笹本稜平の本を初めて読みました。モンベルの機関誌で紹介されていたのを読んでの事です。
山の表現や、登山の様子がよかったです。ストーリーはもう一捻り欲しいと思いました。
あと何冊か読んで見る積り。 -
・山小屋の主人との出会いによって結ばれた登山の素人3人がヒマラヤの未踏峰登頂を目指す、ってめっちゃロマンの塊のような山岳小説。一気に読んだ。
・ただ、全てが都合良すぎてどうも読んだ後虚しい。山小屋の主人であるパウロ、アスペルガーのサヤカ、知的障害の慎二、どん底のワープアである主人公の裕也、全てが物語を盛り上げる小道具としか見えない。ワクワクしながら読めるんだけど人物に感情移入が出来ない。笹本作品の常なんだけど主人公に全く魅力が無いのがその大きな理由だと思うけど、この作品はそれが顕著。物語の展開の面白さだけで一気に読ますってのはそれは凄い事なんだけれども。
・プラス山好き補正がかかってるから一気に読めるのかもしれない。 -
「還るべき場所」が良かったのでこの作品を手に取ったのだが、ちょっとがっかり。
生きる事に問題を持つ三人の若者が、彼らに場所を与えてくれた山小屋のオーナーと未踏峰へ挑戦しようとするが、オーナーは火災で死亡。そのため三人で登頂を試みる。
オーナーが火災で死亡するのも、三人が何の問題も無く登頂に成功するのも、物語としては安易に感じられる。 -
山小屋でマスターのパウロさんと出会った3人。サヤカと裕也は障害を抱え、主人公慎二も仕事を失ったばかり。問題だらけの3人は、パウロさんとともに山小屋で働きながら、心を通わせていく。が、シーズンオフのある日、突然の火事でパウロさんが死亡。3人は意志を受け継ぎ、ヒマラヤへー!
「還るべき場所」のときは、問題が立ちはだかったり、妨害行為を受けたりと手に汗握るシーンが多々あった。が、こちらはトントン拍子に話が進んでしまい、面白いのだけど比べると物足りなさを感じてしまう。