- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396633462
感想・レビュー・書評
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2022.2.19 読み終わり
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久々のしをんさん。やっぱり大好きだなあ。
オンボロ木造アパート「木暮荘」を舞台に繰り広げられる人間模様は、住民同士も関わる人も不思議な縁で繋がっているように思う。
親しみとおかしみ、人情と温かさ。でもときに、ままならない。
木暮荘がいいのか、木暮荘に集う人たちがいいのか。たぶん両方なんだろうな。
不便だろうけど、木暮荘に住んだら自分はどんなふうに暮らすだろう?と妄想してみたくなる。どんな人たちと繋がるんだろう、と。
しをんさんが語る人間関係って煩わしくも愛おしいから、つい自分も混ざりたくなる。 -
築数十年の木暮荘にはこの古い佇まいを好む人々が住んでいる。住んでいる人にスポットをあて短編集になっている。それぞれが色んな思いで暮らしている。実際、ありそうでなさそうで面白い。
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「もしかしたら、こういう日々、こういうやりとりこそが、死を目前にした後藤が望んでいたものの本質なのかもしれない。なにごともなく、けれど家族でも友人でも同僚でも恋人でもないひとと、しゃべって笑って関係を築いていく日常。」(78ページ)
古ぼけた小さなアパートの、さまざまな背景を持つ住民達。
誰しも人は、誰かと繋がり、求め、求められることを望んでいる。
そんな小さな繋がりが生まれるアパートの物語り。 -
小暮荘に縁のある人々の話。小暮荘の住民や大家、住民の職場の夫婦や元恋人など。
三浦しをんさんの作品は会話に人間味があっておもしろい。あと復讐の様子が恐い。 -
一度読んだことがあることを忘れて、図書館から借りてきて再読。
まぁでも好きな本は何回読んでもいいよね。
人の心の繊細な部分や、人には言えない気持ちとか、たぶん誰もが抱えているであろう葛藤やモヤモヤとか、そんな色んなものを優しく包み込むようなお話でした。 -
ジョン目線の話、読んでみたい
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木暮荘をめぐる、悲喜こもごもの人間模様を、時にコミカルに、時に切なく描いたオムニバス形式の連作短編集。一見平穏そうに見える木暮荘の日常。しかし、一旦「愛」を求めたとき、それぞれが抱えている小さな心の闇が滲み出す。それを和らげ、癒すのは、安普請であるが故に感じられる人の繋がりや温かさだった。どの話も少しづつ登場人物たちがリンクしていて、それぞれ違った視点から見られるのがいい。それに、性に関することをユーモラスに描かれているので、さらっと読みやすい。
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2019.11.30