- Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396635220
感想・レビュー・書評
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全体に漂う空気感が好き。
犯罪じゃないとしてもちょっとその行為はどうかなって思う部分はある。
まぁその辺は深く考えず、続編でもうたのお巡りさんに癒されたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
お巡りさんと副住職が幼馴染みってだけでも面白い設定なのに、特殊技能を持つ女子高生や記憶能力に優れた兄弟など、何だかんだでいい人ばかり出てくる話。さすが、群像ものは上手いわ。
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初めから登場人物多めだけど、バンドワゴンより年齢層が低めで続編が読みたい現代ポップ小説。
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素敵ですね。
近所のお巡りさんと馴染みになるなんて。
活き活きした町なんだろう。
この町の成り行きがもっと知りたいです。
人物ごとにザッピング?のような描き方が読みやすかったです。 -
2022.1029
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★あおいちゃんが、嬉しそうに、すっごく嬉しそうに(p.275)
【感想】
・ものごとが、警官と坊さんと二人の女子高生と金貸しの婆さんとかのおかげであっさり解決して、ほんわかとなるお話。続編あるようなので読みたい。
【一行目】
「このベンチってさ、俺が子供の頃からあるんだけどさ」
【内容】
・登場人物たちが交代でモノローグする。話と話がリレーされ、どんどん進んでゆく。途中でとてもやめにくい。
・周囲に人がいたのに誰も気づかぬうちに交番前のベンチに置かれていた女ものの財布。どうやら誰かが何かをうったえているようだ。
▼簡単なメモ
【あおい】楢島あおい(ならしま・あおい)。榛高校の生徒。黒髪ロングの美人タイプ。一見すると深窓の令嬢みたいと自覚している。マンガを書く資料として巡の写真を撮らせてくれと頼んできた。言葉だけではなく本当に漫画家志望。武道か何かをしているみたいに姿勢がよい。いちいち動きが速い。祖母は平場師(簡単に言えば掏摸師)。
【天野さくら】天野屋という質屋の主。八十六歳の年金暮らしだが裏で闇金をやっている。「天野屋の婆さん」と呼ばれているが本人は嫌がっている。この町の情報源でもある。
【杏菜/あんな】鈴本杏菜。あおいの友人。ショートカットで日焼けしている運動部タイプ。実際に陸上競技部。一見キリッとしたクールビューティーだがしゃべると知らない人はイラつくかもといったローカルアイドルっぽいギャップ。両親はヤンキーだった。
【あんばす】東楽観寺商店街にある老舗の喫茶店。モーニングサービスは厚切りトーストと目玉焼きセットかホットサンドセット。ホッサンドのツナが美味。
【飯島団地】つくられて四十年経った団地で空き部屋が増えてすさんできている。市川美春の住所。
【市川君和/いちかわ・きみかず】泰造の伯父。スーパーを経営している。楢島さんちの旦那さんは高校の同級生でともに剣道をしていた。
【市川公太/いちかわ・こうた】市川美春の夫。泰造の兄。行成の同級生(親しくはない)。弟ほどではないが記憶を再生できる。
【市川泰造/いたかわ・たいぞう】ミュージシャン。二十二歳。生活のために伯父のスーパーで働いている。動けるデブだと有名らしい。《家庭環境が悪いとかデブだからとかうんぬんかんぬんとかからさ。音楽やってる俺は無敵。売れなくたって無敵。メジャーにならなくたって無敵。》p.62。部活で行成の後輩だった。意識もしていなかった記憶をビデオを観るように思い返すことができる。
【市川美春/いちかわ・みはる】不審な財布の中に入っていた免許証の持ち主。一般的にはその財布もこの人物のものだと思われる。二十八歳。住まいは飯島団地。
【宇田源一郎/うた・げんいちろう】巡の祖父。やはり警官だった。存命していて施設に入っている。認知症が進み巡のこともわからなくなっている。
【宇田巡/うた・めぐる】→巡(めぐる)
【大村成寛】行成の父親。坊主歴三十数年。
【大村行成/おおむら・ゆきなり】→行成(ゆきなり)
【カンペン】その地域だけの特殊な「秘匿事項」のこと。交番勤務の警察官の間だけで使う言葉。
【京清小学校/けいせいしょうがっこう】巡と行成の通っていた小学校。あおいや杏菜の母校でもあるらしい。
【坂見町/さかみまち】東楽観寺の門前町。舞台となる町。奈々川市(ななかわし)にある。本材町に私鉄の駅ができたことで中心はそちらに移り静かになった。東京から電車で四十分。
【仕立屋銀次】掏摸の親分。鉄道で仕事をする「箱師」だったそうだ。おおむねチームで仕事をする。それに対して雑踏などで、おおむね一人で仕事をするのが「平場師」。
【自転車】火急の用事がないかぎりパトカーは使わず自転車を使うのが交番の常識だとか。
【菅野みつ】あおいの祖母。楢島悦子の母。「昭和最後の平場師」と呼ばれた天才掏摸師。戦災孤児で夫もそうだった。生きるため自然に腕が磨かれた。仕立屋銀次のライバルだった掏摸の弟子でもある。あおいには自分より天分があると言った。
【鈴本整備】自動車整備工場。娘は杏菜。敷地内に置いていた車のタイヤが三台パンクさせられていた。
【空】市川公太と美春の子ども。、
【魂】《文集に高校を卒業したら、一年間に一グラムずつ魂が重くなるって書いた子がいたんだよ》p.18
【寺】行成の考えでは《お寺は、その地域でもっとも安全で心安らかにいられるコミュニティスペースであるべきで、それこそが存在意義である》p.134
【特別地域事情要件】その土地土地に合わせた柔軟な対応をしろということらしい。交番前にコカ・コーラの(と思われた)真っ赤なベンチや、ゴミ箱があるのもそれらしい。好意で置いてくれたものを断らないのも地域住民の印象を鑑みてということらしい。
【楢島あおい】→あおい
【楢島明彦/ならしま・あきひこ】四十六歳。あおいの父。市役所勤務。市川泰造の伯父の同級生でともに剣道をしていた。マンガにはまったく興味がなく読みもしないが娘はかわいい。あと、動物が好きでいろいろ飼ってきた。
【楢島悦子/ならしま・えつこ】あおいの母。買い物のとききっちり暗算して小銭まで支払う。マンガ好きで漫画家になりたかった。あおいのマンガにも容赦なく批評の弾幕をたたき込む。
【西山孝造/にしやま・こうぞう】先輩警官。巡査部長。すでに十年ここで勤務している。
【ネタ】あおい《退屈な授業はあるし、イヤなクラスメイトもいるけれど、それもこれも全部マンガのネタだって思ったら全然オッケー。》p.48
【榛高校/はしばみこうこう】本材町(ほんざいちょう)にある高校。
【東楽観寺】交番の後ろにある。
【東楽観寺前交番】巡が勤める交番。東楽観寺の入口のすぐ脇にあり、まるで守衛の詰所みたいな感じ。東楽観寺の境内に小屋があって交番勤務の警官はそこで暮らすらしい。いろいろと「特別地域事情要件」があるらしい。
【巡/めぐる】宇田巡(うた・めぐる)。主人公? 東楽観寺前交番に勤務する警官。元捜査一課の刑事だった。二十五歳だが童顔で私服だと高校生に間違われることもある。子供に親しまれる自信あり。長身でバスケットボールが好き。食事の速度が驚異的に遅い。捜査一課やったのに? 趣味は映画の予告編を(ネットで)観ること。また、本編より面白かったりするしね。どうやらいろんなことを調べるきっかけにしているようだ。そう考えると知識欲を満たすことがしゅみなのかもね。
【行成/ゆきなり】大村行成。巡の幼馴染みというか小学校の数年間の友人(九歳まで)。東楽観寺の副住職。坊さんなので今は「ぎょうせい」と呼ぶらしいが友人の間では昔ながらの「ゆきなり」でいいそうだ。顔がシャープなのと禿頭でスーツを着たら暴力団の若頭に見えそうだ。法話はとても上手いと自覚している。口八丁でいくらでもネタを広げられるし声も滑舌もよい。
【ゆとり】市川泰造いわく《今を生きる我らに心のゆとりをもたらすのは、一ヶ月は食っていける程度のおかねですよ》p.73
【立番/りつばん】交番の前に立って警戒しとくこと。東楽観寺前交番では特に必須ではない。 -
登場人物の独白(?)で何人もの人物を描き出す手法が面白かった。ストーリーも良かった
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お巡りさんとお坊さんの幼馴染みコンビが、町で起こる不思議な出来事を解決するストーリー。
この二人と、彼らを取り巻く人たち。(みんなそれぞれクセが強い!)
一話ごとに語り手が変わって、視点が変わることで新しい事実がわかり、つながっていく…という構成が面白かったです。
シリーズ物の一作目。続きも読んでみたいです。
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ハッピーエンドっぽい結末
TVドラマでは パート2が作られる感じ
なぜか ふと 涙しそうになる自分が
年だなって
楽しく 読めました。