道具箱はささやく

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 278
感想 : 55
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  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396635442

感想・レビュー・書評

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  • ミステリーの星新一

     ミステリーのショートショート。抜群の切れ味とアップテンポな展開が小気味よい。18編だから、細切れ時間活用にと思ったのだが、どうしても一気読みしてしまう麻薬的誘惑が危険な作品だった。

  • 短篇ミステリーというよりは、気の利いたショートショートという印象の、原稿用紙20枚ほどの作品が18編。
    どれもが小技とひねりが効いた長岡さんらしい作品で、結末は想像できるもの、そうきたかとニヤリとしてしまうもの、ブラックなもの、胸にじんわりくるものとバラエティに富んでいて、うまいな~と思わせる。
    日常の謎的なものも多いのだけど、事件が起こる場面では、要所要所に南谷刑事が出世しながら登場して全体としての統一性もあって楽しめた。
    少年と義父の情を描いた「遠くて近い森」が一番好き。

  • 短すぎるせいか、ちょっと無理やり感あり。
    化粧の話なんて、ありえなさすぎ…

  • ちょうどいい短さで読みやすかったです。

  • 読みやすくて良かった。

  • 連載で毎号読み切りスタイルなら楽しめるかもしれないが、単行本でしっかり読む心構えでいると、各章が短すぎて物足りなさを感じた。書籍名が題名となる話は結局登場しなかったが、読了してようやく理解した。

  •  長岡弘樹さんの新刊は、やはり短編集だが、今回は全18編も収録された豪華版。1編の長さが原稿用紙20枚と、短編としても短いことが大きな特徴である。

     「声探偵」。パーティーに紛れ込んだ犯人を、見つけ出した方法とは。たまたまとしか言えない。「リバーシブルな秋休み」。別れた夫婦の行動に、親としては突っ込みたいぞ。料理勝負の裏の意図とは、「苦い厨房」。他の方法はなかったのか?

     「風水の紅」。姑との微妙な関係。普通に伝えれば…。「ヴィリプラカの微笑」。夫婦の微妙な関係。……。「仮面の視線」。異国で色々と勘違いした男の末路は。「戦争ごっこ」。今どきの息子の機転が光る。「曇った観覧車」。わずか20枚の悲劇とだけ書いておこう。「不義の旋律」。男の行動はともかく、同情の余地はある。

     「意中の交差点」。女心の機微に、自分は気づけまい。「色褪せたムンテラ」。わずか20枚の大事件とだけ書いておこう。「遠くて近い森」。正直、自分勝手としか思えない。彼は大人だな。「虚飾の闇」とは、芸能界の闇ですか…。「レコーディング・ダイエット」が効くのか知らないが、そんな勝手な「ダイエット」があるか?

     「父の川」。「リバーシブルな秋休み」より突っ込みたい。愚かな父だ。「ある冬のジョーク」。こんな理由で、犯罪が露見するとは…。「嫉妬のストラテジー」。一応、ショック療法なのかなあ…。ラストを飾る、「狩人の日曜日」は、ビジュアル的にすごい。連続狙撃犯を思い留まらせた、仰天の手段とは。

     突っ込みどころがいつもより多いが、それもまた楽しみのうち。わずか20枚という制約の中で、ここまで激動の展開をさせる作家、長岡弘樹。短い分だけ無駄が極限まで排除され、鮮烈な印象を残す。次はショートショートに挑戦してほしい。

  • ショートショート集。どれも面白かった。バラエティに富んでいて、いろいろな余韻を感じさせてくれる。

  • 短編ミステリー18篇。かなり無理のある話が多く、白ける物もある。原稿用紙20枚という触れ込みなので、この短く狭い世界で完結しないといけないなら仕方ないとは言え、う、うーん。軽ーく読む分には良かったかな?あっさりして。

  • ★2・8 昔に読んだ星新一のショートショートを思い出す。私の読解力では何度も読み返しが必要で疲れた。

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著者プロフィール

1969年山形県生まれ。筑波大学第一学群社会学類卒業。2003年「真夏の車」で小説推理新人賞を受賞し、05年『陽だまりの偽り』でデビュー。08年「傍聞き」で第61回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。13年刊行の『教場』は「週刊文春ミステリーベスト10」の1位、「本屋大賞」6位などベストセラーとなった。他の著書に『線の波紋』『波形の声』『群青のタンデム』がある。

「2022年 『殺人者の白い檻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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