- Amazon.co.jp ・本 (435ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396635596
感想・レビュー・書評
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一回では内容が入ってこないので購入したかったが文庫になるのが待てなくて図書館で借りる。やはり小説の世界に入れなかったので文庫を購入してじっくりと世界に入りたい。
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久しぶりに、三崎亜記作品って感じがした。今までの作品の橋渡し的な感じだった。
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いろんな三崎亜記要素が詰め込まれた、ベストオブ三崎亜記的な作品。
失われた町、刻まれない明日と同じシリーズといっても良い作品。
作りかけ、失われた、刻まれないの順に読んでも面白いかも。
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2019 6/25
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三崎亜記ワールド全開の不思議な世界がしょっぱなから展開する。
ひとびとから余剰思念を吸い上げ、拡販して均一化して再供給することで精神の安定を図るというインフラが整った世界で、思念を謀略のために集めたために暴走させてしまった組織と、その組織に抵抗しようとする人々、あるいは何も知らないままに歯車として巻き込まれてしまった無辜の人々の姿を描いている。
なんか、この設定、他の作品でも読んだな、と思っていたら『刻まれない明日』の10年前の話、ということだったらしい。
その他、「掃除部」が登場したり、「居留地」が重要な役割を果たしたりと、三崎作品のエッセンスが詰まっている。
ただ、そのエッセンスが濃厚過ぎて、久しぶりに三崎ワールドに踏み入れた自分にはなかなか世界に馴染めず、物語に置き去りにされたまま話が進行しているような気持ちになってしまった。
登場人物が多く、視点がどんどん入れ替わり、かつ、それぞれの抱えている物語が感傷的、抽象的だったりするために、なんかうまく掴めない、と思っているうちに読了してしまった。 -
刻まれない明日などの前日談,それ以外にも沢山の三崎ワールド全開で,面白かったです.私は「コロヨシ」がすごく好きだったので,サユミが部活動で掃除部に入っているというところで嬉しくなりました.だけど,かなり入り組んだ難しい設定世界で,今でもわからないままで終わってしまった感じです.
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三崎さんのお話をある程度読んでいないとなんのこっちゃい? という感じが……
全部読んでいるわけではないので面白いけど、細かいことことが分からない。覚えてないってなってしまった。残念すぎる。
ファンに向けての総決算と言う感じ。
三崎作品をこの本で初めて触れる人は「?」がいっぱいになる気がする。
もう一度読み返さないとという気持ちと読んでいない作品を読まないとという気持ち。 -
三崎亜記の総集編のような作品だった。
内容的には、刻まれない明日の前日譚と受け取れる。
また、掃除、西域、居留地など、今までの著作からの出典が随所にちりばめられている。
そのような世界観を既に読者が知っている前提で描かれているので、初見の読者はついてこられないのでは。
三崎亜記のファン向けの作品である。
人の思念を抽出し、純粋な思念として供給するインフラには決まり事が多い。
供給公社には管理局という監督機関があり、ルールの逸脱は国際法によって規制されている。
しかし、そのルールを無視した実験が行われ、十年前に事故が起きた。
臨界状態を抑え込めたのは二人の犠牲があったが、事故後に残されたのは、一日ごとにカウントが減っていく四ケタの数字だった。
そしてこの事故は隠蔽され、数字のことを知るのも上層部のごくわずかだった。
事故の起きた地下の巨大プラントの上では、このことを知らない市民生活の営みがあった。
物語は残り151日から始まる。
予兆を運ぶ古楽器を持つ女性の到来が、各個人の役割を果たし始めることで、運命の歯車を回し始める。
そして、世界が終わる最後の日を迎える。
世界が終わるまで「残り〇日」という章立てにムジュラを感じる。