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- Amazon.co.jp ・本 (609ページ)
- / ISBN・EAN: 9784400124412
作品紹介・あらすじ
英語圏を代表する新約聖書神学、ついに全訳開始。下巻は来年後半予定。
全4巻からなる壮大な「キリスト教の起源と神の問題」の第1巻にあたる本書は、綿密な聖書学方法論と新約聖書の時代背景を詳述する。
感想・レビュー・書評
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原始キリスト教、特にイエスとパウロについて焦点を当てながら当時の環境や価値観の中で理解し論じようという本なのだが、この巻はそのための前置きである1世紀のユダヤ教の状況、神を含めた世界観の話をして終わっている。さらに言うと、前置きの前置きである方法論だけで260ページ以上を費やしており、とにかく長い!(必要な議論だからしょうがないと言えば、そうなんだけど)
多様なエピソードを切り取って個々別々に論じるのでもなく、ポストモダン的な「わたしの読み方」に終始する姿勢でもなく、聖書全体、さらには歴史と世界観の文脈の中でつながりを持った形で考えていこうという姿勢は納得。いろいろ大変だと思うが2以降の続刊もぜひ出してほしい…。
ファリサイ派の思想信条についてつっこんだ議論をしていて勉強になった。ヒレル派はイスラエルの解放を神に委ねたが、シャンマイ派は自らがその介入の手段となることを望んでいた、どちらも政治的ではあったという解釈は読んですっきりした。
神による「救済」のための義認をどう得るかがユダヤ人たちの求める核であり、そこにおいて各派やセクトの違いが生じている、という結論も非常に見通しが良いもので、整理されて良いなと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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