東大駒場学派物語

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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784403231131

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  • 東大教養学部の比較文学比較文化研究室と比較文学会を指して、駒場学派と言うそうです。昔から独特の学部だったと思いますが、そこの4天王(芳賀 徹、平川祐弘、小堀桂一郎、亀井俊介)を中心とした歴史を書いているものです。島田謹二という伝説的教授の「美少女」好みの伝統から、ある人がホモであった?とか、ゴシップの連続。学問の府といいながら赤裸々な姿が生々しいです。(本当かどうかは疑問ですが・・・)学問的なことよりは、彼らの人間味あふれる個性を欠いているというもので、面白いのですが、この著者は恩師たちに関してよくもこんなことを書けたと思います。西部邁の中沢新一招聘失敗などのニューアカデミズムとの関わりなどは、知っている興味深いところです。しかし、綺羅星の如く、聞いたことがある名前が並んでいます。またシンデレラ・ガールたちとして紹介されている女性たち 特に佐伯順子二十六歳の『遊女の文化史』などが印象に残りました。

著者プロフィール

小谷野 敦(こやの・あつし):1962年茨城県生まれ。東京大学文学部大学院比較文学比較文化専攻博士課程修了、学術博士。大阪大学助教授、東大非常勤講師などを経て、作家、文筆家。著書に『もてない男』『宗教に関心がなければいけないのか』『大相撲40年史』(ちくま新書)、『聖母のいない国』(河出文庫、サントリー学芸賞受賞)、『現代文学論争』(筑摩選書)、『谷崎潤一郎伝』『里見弴伝』『久米正雄伝』『川端康成伝』(以上、中央公論新社)ほか多数。小説に『悲望』(幻冬舎文庫)、『母子寮前』(文藝春秋)など。

「2023年 『直木賞をとれなかった名作たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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