- Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
- / ISBN・EAN: 9784403270048
作品紹介・あらすじ
本書は、アイルランドが生んだもっとも奇想にあふれた挿絵画家、ハリー・クラークの作品を愛蔵できる瀟洒な挿絵本として『アンデルセン童話集』に次ぐ、二冊目の豪華本となる。さらにクラークの挿絵本のうちもっとも入手の難しい詩集『ときは春』から、クラークがカラー挿絵十二葉を捧げた詩を選び上げ併載した。
感想・レビュー・書評
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20111004読了。
イラストと含めて☆多め。
挿絵が美しくて感動的。
本の装丁も綺麗。
イラスト目録も載っていて嬉しいです。
付録の「ときは春」詩集も同じくらいのボリュームで美しいです。
むしろこっちのほうが印象的。
きっとペローは良く知ってるからだね。
そして、訳注に「ちなみに」が多くて楽しいです。
またイギリスでの英訳→日本語訳なので、原書のフランス語版と英語版との対比も面白かった。時代背景とか。
最後の解説も良かったです。-
「挿絵が美しくて感動的。」
図書館で借りて読んだ。欲しいと思うけれど我慢している。ハリー・クラーク挿絵の「アンデルセン童話集」が文庫になった...「挿絵が美しくて感動的。」
図書館で借りて読んだ。欲しいと思うけれど我慢している。ハリー・クラーク挿絵の「アンデルセン童話集」が文庫になったので、喜んでいたのですが、、、、やっぱり絵がメインだから大きいほうが良い気がするので、迷っている、、、2013/05/29
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2016.1.31
赤ずきん、シンデレラ、長靴を履いた猫など、子供の時にどこかで聞いて、もはや当たり前の教養として知っているような、ペローの童話集。この聞き馴染みある物語の作者がペローという人だったのだというのも私は知らなかった。この年になって改めて、子供の教育のために作られた口承文学を読んでみるのもいいな、ということと、シュルレアリスムとは何か、という本に書かれていた、おとぎ話には人間がかつて猿だった頃の記憶が表現されているのではないかという記述(森と旅、森の中を彷徨う描写が多いことなど。森は遺伝子レベルで人間の故郷であり、また杜でもある、的な)、そして先日読んだ、坂口安吾のエッセイ集にあった、赤ずきんの突き放し、そこに魂の故郷を見る、という記述など、気になることが多かったので読んでみた。内容としては、ここから個人的感想だが、真善美愛と、幸不幸の関係について書かれている気がする。賢いもの、善きもの、美しいもの、そして愛するものは報われ、愚かもの、悪しきもの、醜きものは不幸になる、という感じか。因果応報と言えば前に読んだ三浦綾子さんの泥流地帯を思い出す。我々の行いと世界は関係がなく、因果応報、善きものは救われ悪しきものは罰せられるは人間の願いにすぎない。善行を成しても不幸になり、悪行を成しても幸福になる。ならば善行を成す意義とは?それは、個々人の魂の問題である。自己満足と言ってしまえばそれまでだが、しかし人にはやはり生まれながらの良心があり、善悪は利害で決められるものではない。だからこそあの兄は、生まれ変わっても馬鹿が見ても真面目に生きると言った。対してこの童話集は、徳と利害が一致している。まぁ子供の教育目的の本なんだからそりゃ仕方はないか。しかし上記の泥流地帯に書かれていたことを私は結構信じているので、その観点から見たらこの童話集は、綺麗事のようにも思えてしまう。もう俺には童心はないなぁ。もう1つ気になったのは、報われ方である。特に真善美について言うなら、善きもの、美しきものは、大体妖精とか超自然的なものが救っているように思われ、賢きものは自らで自らを救っている。前者は仙女、シンデレラ、驢馬の皮などであり、後者は長靴を履いた猫、親指小僧など。これはどういうことか。知恵は自らで自らを救える武器であり故に賞賛される道徳である。善も美も、徳であることに変わりはないが、それだけでは生きる力にはならないのだろう。まるで宝石である。綺麗であること以外に値打ちはない。食えもしないし、暖もとれない。私は断然、賢いことに惹かれてしまった。善くあれば、美しくあれば、きっとなにか超自然的なものが私を救ってくれる!という儚い願いでは私の動機にはならない。昔から語り継がれる口承文学故に、賢さに対するこの説得力は、結構感じるものがある。妖精や魔法などが現実には存在しないという冷めきった目線から言うなら、賢さこそが人が問題を解決する唯一の徳ではないか。因果応報とは善や美に通底する法則ではなく、賢愚に通じる法則ではないか。善かれ悪かれ、美しかれ醜かれ、賢ければこの世界に於いて欲望を満たす生き方ができ、そして愚か者はバカを見るしかない。もちろんこれは、だから善と美は無駄ということではない。それらも、私が私としてよりよく生きるには不可欠なものだ。しかし、赤ずきんを見よ!何の罪もない子どもが、無知故に食い殺されているではないか。善と美は必要だ、しかしそれはこの残酷な世界で生きる上での強さにはならない。より強く生きるには賢さが必要だ、そんなことも学ばせてもらった。後半の詩は特になし。どうも詩という形式そのものが得意になれない。 -
資料ID:21302239
請求記号:953.5||P -
ハリー クラークの挿絵が美しい。
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ペロー童話集といえば残虐な部分があまりないというイメージがあったので、赤ずきんが食べられたところで終わってるのにびっくり。
この本はイギリスで英訳されたものをさらに日本語訳するという企画もので、原書と英語版との対比が面白かった。
訳者が荒俣宏だなんて最後まで気づかなかったわ。