- Amazon.co.jp ・本 (395ページ)
- / ISBN・EAN: 9784404038661
作品紹介・あらすじ
ある事件を境に心を閉ざしてしまった17歳のおちかは、江戸の神田三島町で袋物を商う叔父夫婦のもとに預けられる。裏庭の片隅にひっそりと曼珠沙華のひと群れが咲く秋のある日、叔父・伊兵衛は、おちかに来客の対応をまかせて出かけてしまう。来客の相手をすることになったおちかは、曼珠沙華の花を怖れる客の話に次第に引き込まれていく。そして、伊兵衛の計らいで次々に訪れる人々のふしぎ話は、おちかの心を溶かし、やがて彼女をめぐって起こった事件も明らかに…。
感想・レビュー・書評
-
「おそろし - 三島屋変調百物語事始」(宮部みゆき)を読んだ
宮部みゆきさんはもうずっと読んでない。
最後に何を読んだのかも覚えていない。
2010以降はブグログに読書記録があるのだけれど、宮部みゆきさんは一冊も無かった。
「模倣犯」あたりで止まっているとすればもう20年ぐらい経つかもしれない。
と、まあ、それは置いといて、本作である。
まんまと泣かされたよ。
五つの話がやがてひとつに重なって大団円を迎えるその技が見事。
宮部みゆきの語り部としてのパワーの源はなんなんだろうな。
あー面白かった!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
豚に真珠か、猫に小判か、馬の耳に念仏か、のれんに手押しか。如何に秀作だろうが、読み手(私)にその力量が伴わなければ労作も報われない。第5話家鳴りではわたしの思考はもつれにもつれ誰が誰やら何が何やら・・・宮部みゆきさんご免なさい
-
江戸時代だから不思議な話に科学的な分析はされなかっただろう。
そんな不思議が語られる。
ときに、説明の付く人の業もある。わかるけれども怖いのが人の心。
何とも言えないぞっとする怖さを作らせたら天下一品の宮部さん。
何度も読み返したい。 -
以前から読みたいと思っていて、中々手が出せずにいた本。宮部みゆき好きな知人から借りることができ、ようやく読めました。
時代物だとわかっていたけど、最初の『曼珠沙華』で「え、これ、ホラーなの?!」と。ちょっと意表を突かれました。副題が三島屋変調百物語だから、ホラー趣向なのかと後で気付いたくらい、宮部みゆきの時代物=捕物系みたいな、勝手な認識があった。いや、でも思い返すと捕物系も別に多いわけじゃないな、と。本作品は時代物×ホラー×ミステリーという感じ。宮部みゆきさんはホント多才です。
最後はただのホラーでは終わらない、大団円か、なんと心温まる終わりだろう、と読んでいたら、最後の最後に一石投じて波紋が残る……的な。うおおお、ただじゃ終わらないな。先が楽しみです。 -
江戸でも評判の店の姪っ子として、
お嬢様として生活しているはずなのに、
なぜか使用人と同じように働いている。
その理由は。
奇妙な話を集め始めた、その真意は。
そしてそれらの話がもたらすのは。 -
ノヴェルズで出たので、つい買ってしまいました。
レヴューは書籍の方に書いてあります。 -
読み始めた時は、これは面白いと思った。言葉一つ一つまで丁寧に使われていて、さすが宮部みゆきならではの描写力だと思った。しかし五話「家鳴り」でなんか興醒めしてしまった。まるでゴレンジャーがでてきて大団円、でも最後に悪役がちらっと登場して、to be continuedって感じで。もう続きは読みたくなくなった…。ああ、蒲生邸の時のような小説はもう宮部みゆきには書けなくなったんやろか。
-
途中までは楽しめました
ラストはどうなんですか -
宮部みゆきの時代物ってなんとなく敬遠してたんだけど、とても面白かった。
-
文学性を損なわず、それでいて引き込まれる、怖さ、面白さ。読んで良かった。