任せてもらう技術

著者 :
  • 実業之日本社
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本棚登録 : 41
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408110059

作品紹介・あらすじ

簡単な仕事しかやらせてもらえない…そんなモヤモヤの原因を、"上司の視点"からタネ明かし。具体例もりだくさんで、対策もばっちり網羅!

感想・レビュー・書評

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  • 『感想』
    〇自分の過去の失敗を明らかにすることは恥ずかしい。なのに著者は明らかにしている。その量が余りにも多いが、そのことに感心するとともに、そんな失敗はとっくに乗り越え今は恥ずかしくもなんともないんだろうと考えると、軽い嫉妬も感じる。

    〇上司からみたときにダメな部分を持っているようだが、結果的にとんとん拍子で出世しているので、それほど弱みになっているわけではなく、それ以上の強みがあったと理解するべきだろう。干されて終わらないのは、本人の能力と周囲の理解力の高さだな。

    〇上司というのは、さすが経験があり選別されてきただけあり、能力が高い人ばかり。部下からみて能力が低いと思うのなら、大概の場合は部下自身の人の能力を見抜く力が低いことが原因だ。

    〇誰しも若いころ、自分を高く見て相手を低く見てしまう調子に乗った時期があるものだ。ここから自分が実はたいしたことがないということを知った時、そしてそこから這い上がって実力を磨く行動を始めた時のスイッチの切り替え経験が人を大きくする。この経験があれば、調子に乗っている部下に対して怒ること、許すことができる。

    〇仕事をする意味とは、決して生活のためだけではない。人の役に立つ、社会に貢献する、それができた時の充実感を味わうことで、自分の生きる意味を知ることができるのだ。仕事をすることでこの意味を知れば、生活のなかでも充実感を感じる行動をできるようになる。

    『フレーズ』
    ・「今の現実」と「未来の理想」の両方に責任を負う人こそが、本当に責任感のある人間、ということになるだろう。(p.30)

    ・この社会に生きる人間がとるべき真の道は、相手の人物像にかかわらず、その人の立場や地位に対して相応の敬意を払うことだ。(p.35)

    ・そもそも上司というのは、色々なことによく気がつく人でないとつとまらない。しかも誰よりも早く、真っ先に気づく人ほど、高い地位へと昇っていく。(p.40)

    ・「自分のレベルが低い」と考えることは、自分を卑下することではない。むしろ、自分の器を大きくするきっかけになる、と僕は思う。(p.201)

    ・本当の謙虚さとは、そうではない。心の底から頭を垂れて、自分の未熟さを自覚するということだ。謙虚さのない人間は、何でも自分1人でやっているような気になってしまう。でも、それでは周囲の人はついてこない。上司だってそんな人間に、リーダー的な仕事を任せようとは思わないだろう。「謙虚になる」というのは、「感謝をする」ということに限りなく近い。(p.203)

    ・目標が100でも、常に120や150を狙うのが一流だ。だが、120を達成できたとしても、プラス20の手当がつく訳じゃない。しかし、その「プラス20」こそが、仕事人としての矜持や誇りなのだ。そんな意識を持つ人こそが、大きな仕事を任せられる。そもそも仕事というのは、義務や契約を超えたところに真の世界がある。本当の意味で社会に貢献したり、価値をもたらせる人は、そんなレベルを超越した世界で仕事をしているのだ。(p.215)

  • 部下の目線がよくわかった上で、書かれている。最近流行りのボスマネにも似ている。
    信頼残高を積むなど、ふむふむと思う部分もあるけれど、上司から頼まれたタバコのお使いの対処や朝早く来て草むしりをするとか、今、短時間で成果を出すことが求められている時代には合わないと思う。最後の章がなければよかったなと思う。

  • 上司から信頼され、仕事を任せてもらえるのはどういう人か。

    特徴は、ありのままに任せる側の上司の「ホンネ」を吐露している点と、まさに「任せたくない部下」であった著者自身の若手時代の経験を、率直に語っている点。
    そのため、大変分かりやすい。

    全体の論調としては、読む人が読めば「いかにも日本的だ」と辟易するような内容かもしれない。
    著者はあえてこう言う。
    「たとえ100%自分が正しくても。たとえ100%上司が間違っていたとしても。それでも、上司にかみついてはいけない。上司を変えようとしてはいけない。(中略)そうではなく、上司から信頼される部下になるのだ」

    極論にも聞こえるかもしれないが、本書の主張は、私の短い社会経験で知る限り、日本の多くの職場における人と人との関係の真実を言い当てているし、遠回りに見えるようで結局これが自分の成長にも繋がる最短ルートであると思う。

    「サラリーマンとして食っていくのなら」という前提付きだが、本書は若手にも新米管理職にもお勧めの一冊だと思う。

  • 新規性はないが悪くもない。普通のリクルートOB本。

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著者プロフィール

小倉広事務所代表取締役 心理カウンセラー、エグゼクティブ・コーチ、組織人事コンサルタント。
大学卒業後、株式会社リクルート入社。組織人事コンサルティング室課長など企画畑を中心に11年半勤務。ソースネクスト株式会社(現東証一部上場)常務取締役、コンサルティング会社代表取締役を経て現職。 リクルート社在職中の昇進うつを機に心理学と心理療法を学び始める。日本アドラー心理学会正会員、日本ゲシュタルト療法学会会員。現在、研修講師として年間300回登壇し、一年先まで予約が取れないほどの人気を博している。 著書に、『任せるリーダーが実践している 1on1の技術』『任せる技術』(日本経済新聞出版)『アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉』(ダイヤモンド社)『もしアドラーが上司だったら』(プレジデント社)など多数。著書発行部数累計は100万部超。

「2021年 『コーチングよりも大切な カウンセリングの技術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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