子どもに聞かせる世界の民話

著者 :
  • 実業之日本社
4.11
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本棚登録 : 324
感想 : 33
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  • Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408360980

感想・レビュー・書評

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  • 本と本の合間に繰り返し読んでいる。学生の時に素話してもらった、「マルーシカと十二の月」が、きらきらした映像も果物の匂いも寒い山の気温もただよってくるおはなしで、特に好き。

  • 81もの世界の民話が集められています。
    なるべく1カ国につき1話、同じ内容が重ならないように、よく知られた話からあまり知られていない話まで、よく集めてくださったと思います。

    ストーリーテリングによく使われるように、やさしい語り口で書かれていて、未就学児でもお話のすじが理解できると思います。
    一つ一つのお話に、長さの目安も示されているので、お子さんに読んであげるときにも便利。

    私は、気になる国のお話から読む傾向にあります。

    初版は1964年ですが、「母のページ」の内容は、今にも通じるものばかり。

    「読む力というのは、字を早く読ませようというんじゃない。なにを書いてあるかという内容を、把握する力が必要なのです。それがないと、いくら読めても、本の内容のおもしろさがいつまでもわからないんです。だから、そこをまちがわないように、字を早くおぼえさせることよりも、話の内容のおもしろさを子どもに知らせる。そうすれば、(ああ、本には、そういうおもしろいことが書いてあるのか。)と、わかるようになる。そこにいってはじめて、自分で読もうという気が、おこるのではないでしょうか。」

    保育園児だった息子がなかなか字を覚えようとしなくて、親や姉、友だちに読んでもらって満足していたのをもどかしく感じたこともありましたが、小学生の高学年になっても、私に用事があるとき、図書館で1時間以上本を読みながら待たせることができたのは、本はおもしろいものだという感覚は養えていたのかなぁと思います。

    朝読のためなど、すぐ読めるお話を集めた本はよく見かけますが、中身がうすっぺらいことも多い中、この本ほど1冊で充実した内容の本は今でも(今だから?)他にないような気がします。

    民話が、これからも語り継がれていきますように。

  • 短めのいろいろな話がたくさん載っていて、読んでいると段々と民話のパターンが読み取れてきた。たとえば、強い動物が弱い動物を食べようとして結局は弱い動物に言いくるめられて逃がしてしまうなどのパターンが多々あった。そこから以下のように読み取ることができた。その強い動物は、力は強いが頭の弱い人を表している。そして弱い動物は、力はないが頭はいい人を表している。つまり、力が強くても頭が弱ければ意味がない、と遠まわしに伝えているのではないだろうか。
    個人的には『ブレーメンの音楽隊』が面白かった。

  • これも、楽しいお話がたくさん詰まっていて、語りで使える本。
    司書研修があったので、おはなしのろうそくと共に紹介。
    「アナシンと五」を実際に読んで聞いてもらった。
    アナシンの話はおはなしのろうそくに「アナシンの帽子ふりおどり」というのもあり、これも最高に面白い。
    まめじかカンチルの話も好き。
    子供はお話が好き。
    小さい頃に聞いた面白いお話は、大人になってからふとした時に思い出したりする。
    そんな瞬間が、本を読んでみようかという読書意欲に繋がっていく。
    楽しいお話を子供たちにたくさん伝えたい。
    この本には、そんなお話がいっぱい。
    どれも面白い。
    優秀なお話集。

  • 表紙、さし絵ともに藤城清治さんの影絵が使われている。活字は小さいが、たくさんのお話が収められていて、読み聞かせの他ストーリー・テリングのテキストとしても良い本です。

  • お母さんに読み聞かせしてもらって読んだ本。最後のお話はぼくが読んだ。ついうそをついてしまうぼくに、ぴったりのお話で、反省した。
    どれもおもしろかったから、笑っちゃってばかりだったけど、がんばっている人もたくさんいて「おれは何をやってるんだ!」とつっこみたくなった。(小4)

  • 『岩じいさん』小6読み聞かせに◎

  • イボン と フィネット フランス,頭 の いい コヨ-テ アメリカ,わるがしこい クモ ナイジェリア,トウモロコシ どろぼう メキシコ,世界 一 美しい もの オランダ,ギアッコ 少年 と 豆 イタリア,クルミ わり の ケ-ト イギリス の イングランド,ウサギ の つの アフリカ 東 海岸 の ロ-デシア,ヘビ の 魔法 アフリカ 東 海岸 の スワヒリ 族,カムイル の ぼうけん ソビエト 連邦 の タタ-ル,とまらない くしゃみ ソビエト 連邦 の エストニア,トラ たいじ 朝鮮,力 くらべ インド,ウシ飼い と 裁判 官 ユ-ゴスラビア の ヘルツェゴビナ,人間 に 飼われる よう に なった けもの フィンランド,フクログマ の しっぽ が みじかい わけ オ-ストラリア,動物 の ことば ユ-ゴスラビア の セルビア,にじ の お 城 インドネシア の ジャワ 島,クモ と リス ガ-ナ,美しい 妹 と 九人 の にいさん ソビエト 連邦 の カレリア,金 の つの の トナカイ 北欧 最 北端 の 地方 ラプランド,黒 ウシ の たすけ イギリス の スコットランド,アナンシ と 五 イギリス 領 の ジャマイカ 島,カンチル と 巨人 インドネシア の セレベス 島,タニシ 王子 マラヤ,ふしぎ な 玉 韓国,サル の きも タイ,ワタ の 花 と 妖精 アメリカ 黒人,スイショウ の 国 の 妖精 ギリシア,オ- ツ-ル 王 と ガチョウ エ-ル,小 ウサギ の しょうばい コスタリカ,クジャク の 舞い 中国 の タイ 族,空 とぶ 木馬 中国 の ウィグル 族,チワン の 錦 中国 の チワン 族,トラ に なった 王 さま モンゴル,青い 山 から きた タバコ カナダ,マウイ の しごと ニュ-ジ-ランド,バナナ の 皮 アメリカ の ハワイ,ネズミトリ と ネズミ の 結婚 ウルグアイ,カメ の こうら は ひび だらけ ブラジル,けもの たち の ないしょ話 アフガニスタン,お 百姓 と エンマ さま 中国 の 漢 族,ブラッセル の 音楽 隊 ベルギ-,サヤエンドウ じいさん ポ-ランド,ホタル と オナガザル フィリピン,岩 じいさん 中国 の ミャオ 族,かしこい 大臣 中国 の チベット,三羽 の カラス スイス,世界 の はじまり チリ,魔法 の 笛 ブルガリア,マメ子 と 魔物 イラン,ネズミ と ゾウ トルコ,たから さがし スペイン,力もち の ノミ ル-マニア,あわれな 悪魔 スウェ-デン,魔法 の ビ-ル デンマ-ク,ネコ が ごはん の あと で 顔 を あらう わけ ソビエト 連邦 の リトアニア,はちみつ の 好きな キツネ ソビエト 連邦 の ウクライナ,オオカミ と ロバ アルバニア,トラ の はじまり カンボジア,笛ふき 岩 中国 の 海南 島,グレ-テル と インガ ドイツ,四人 の 子ども アルゼンチン,お 月 さま狩り アイスランド,働く こと を おぼえた 人間 キュ-バ,ネコ と ヒョウ 中国 の ジンポウ 族,二ひき の よくばり 子グマ ハンガリ-,子ぎつね の ライオン たいじ ス-ダン,金髪 ひめ チェコスロバキア の チェコ,しんぞう を もたない 巨人 ノルウェ-,ヒョウ の 子 と カモシカ の 子 エチオピア,夏 を とって くる 話 アメリカ インディアン,王子 さま の 耳 は ロバ の 耳 ポルトガル,かしこい お 医者 の やせぐすり タンガニ-カ,ヤギ と ライオン トリニダ-ド トバコ の トリニダ-ド 島,銅 の 国 銀 の 国 金 の 国 ソビエト 連邦 の ロシア,マル-シカ と 十二 の 月 チェコスロバキア の スロバキア,ふしぎ な 胡弓 ベトナム,ひなどり と ネコ ビルマ,悪魔 を だました イワン ソビエト 連邦 の 白ロシア,ロ-ザ と ジバル ユ-ゴスラビア の クロアチア
    81話

  • [墨田区図書館]

    何かのおすすめリストで、「アナンシと五」を知り、それが収録されている本としてこの本を知った。改定版と思われた「こども世界の民話〈上〉」(内田莉莎子 山内清子 君島久子 鈴木裕子)の上巻も同時に借りてはきたものの、どうやらそちらは、単に字を大きくしたことでページが増えたために増冊(分冊)したというだけでなく、抜粋本だったらしい。掲載量だけでなく、各国の位置が何よりもこの表紙絵の仕上がりなどからも、同じ読むならこちらの初版の方が◎。

    ちなみにこの本は、世界各国に伝わる昔話や言い伝えなどを、なるべくその種類が被らないように数ある話の中から各国各一話と決めて編集されたもの。そのため、話が少ない(選べない)国から優先して掲載話を決定しているため、「その国らしい」話とか、「その国でもっとも有名」な話を掲載しているわけではなく、場合によってはその国の話として「知らない」話だったり、「そぐわない」と感じる話が選択されている場合も。

    子どもに世界に目を向けてほしい親としては、表紙裏に描かれた世界地図は嬉しい反面、「国名リスト」がないのがやや惜しかった。目次に各話の題名と、それに続いて伝承国の名前が記されているものの、「話」をメインに読みたい場合はいいが、地図や広げさせたい知識に基づいて、「○○国」の話を読みたいなーと思った場合、ランダムに掲載されている目次から必死に目視するしかない。巻末に、地域ごとの国名リストや、世界の国名リスト一覧による話の逆引きとか、表紙裏の世界地図内への掲載ページ表記とか、その手の国⇒話の表示(リスト)があると良かったな。

  • アナンシと五

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著者プロフィール

1921 年、⼭梨県⽣まれ。東京帝国⼤学(現・東京大学)⽂学部⾔語学科卒業。東京教育⼤学(現・筑波⼤学)教授。⾔語学者、北欧⽂学者。言語学関係の著書を多く残す。そのかたわら、美しい日本語を大切に、戦後を生き抜く子どもの心身共に豊かな成長を願い、童話や児童文学の翻訳に務める。アンデルセンのほか、グリム童話、『フランダースの⽝』、『⼈形の家』、『ピノッキオ』など多数の作品を紹介。1967 年逝去。

「2023年 『アンデルセンの童話1』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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