王妃の帰還

著者 :
  • 実業之日本社
3.76
  • (94)
  • (241)
  • (180)
  • (19)
  • (2)
本棚登録 : 1335
感想 : 216
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408536194

作品紹介・あらすじ

聖鏡女学園中等部二年の範子は、仲良しグループで地味ながらも平和に過ごしていた。ところが、公開裁判にかけられ地位を失った滝沢さんを迎えることとなりグループの調和は崩壊!範子達は穏やかな日常を取り戻すため「プリンセス帰還作戦」を企てるが…。女子中学生の波乱の日々を描いた傑作長編。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 王妃の帰還この題名を見て、これは世界史の本かと思ってしまうほどびっくりした。いやしかし青春小説でした。思春期の少女たちを扱った小説はなかなか読む機会がないのである意味新鮮でした。小学生と違い中学生になると成長したなあとつくづく思います。母親と先生が、もしかしたら結婚するくだりは、何かどきどきしてしまうほどでした。ホッシー先生が「生徒になめられっぱなしで、正直あの年頃の女の子たちが怖くて仕方がないんだ。気分はころころ変わるし、無邪気な顔で悪魔みたいなこと平気でする。」

  • はっきりとした派閥。
    仲良い子と仲良くない子が一瞬で入れ替わる怖さ。
    ちょっと若いだけで人気のある男性教師。
    女子校特有のこの3点がしっかりと描かれていてある意味感動した。

  • 女子校ってこんな感じなのかなぁ、中学生けっこう怖いよなぁ、とか思いながら読み終えた。お嬢様学校だからなのかな?未知の世界。

    滝沢さんはすごくいらっとするキャラクターだったけど、この流れで柔らかい王妃になれたら素敵。
    範子のお母さん、カッコイイなぁ。先生とっていうのは、絶対無理だけど、そこ以外は。

    ところどころにフランス史(主にマリー・アントワネット)が出てくるのが、面白い。
    自由が丘デパートは、たしかにデパートではないよなとか、そんなのも楽しかった。

  • 明るくて面白かった。
    最初は王妃のこと嫌いだったのに最後は好きになってる。

  • 途中は、はらはらどきどきしたけど、最後はスッキリ、前向きに完!よかった。
    お嬢様中學校2年B組で起こるピラミッドの頂点の争奪戦。
    こんなにクラスの頂点が目まぐるしく短い時間で入れ替わっていいのか。
    地味に生きて無関係のはずの範子、スーさん、リンダ、チヨジも巻き込まれていく。
    いつの間にか、滝沢さんを応援してしまう。王妃はやっぱり王妃。
    15歳、四捨五入したら20歳。
    15歳の頃、四捨五入したら20歳なんて、考えたことなかったなと、つくづく振り返った。
    四捨五入したら・・・って思い始めたのはいつからだったろうと、考えこんでしまった。
    10年後くらいの設定で、続編求む!!



  • 最近、柚木麻子作家にはまっている。

    憧れを大切にするって少女の頃だから出来たのかもしれないけど、いつだっていつからだって本当は大切に出来るものはあるし、そういうのを思い出した。
    女子校出身なのですが、こんな感じは全然なかったなー。
    中学生と高校生はやっぱり違うし。
    若い男の教師がモテるのは確かかも。
    しかし、この小説は女子校とか関係なくても個人でできることと、恋と、仲間意識と、ひとりでいることを選ぶことについてめちゃくちゃ考えさせられた。
    人は別にひとりでも楽しくできる人もいるし、だれかとつるまなくても平気なときもある。
    ひとりでいたい時もある。
    団体生活では誰かと同じにしてる方が楽だし、カリスマについていくほうが楽だけど、それは自分の頭で考えなくなることと紙一重な気がしていて、そういうことも考えた。
    中学生のときにもしもこの本を読んだらどんな風に思っていただろう。
    王妃を崇めたくなる気持ちと、親の恋愛沙汰と、でもこれはわりと読み手を選ぶかもなーとは思った。中流家庭以上じゃないとちょっと読みきれないかもしれないなーと。
    ワタシはかなり面白く読めたから一概には言えないけど。

  • 14歳という多感な時期の子供から大人に変わり行く瞬間を目撃した。
    女子校かつお嬢様校というのはこんなにもカーストがハッキリしているものなのか。
    顔色を伺いうまく立ち振る舞う事だけを考えて過ごしていた範子グループの解放感がよく伝わった。
    この年齢の子供たちが世界中にいて、しかも毎年こんな葛藤の段階が踏まれていて、中学生って大変だなぁと遥か昔の自分を棚に上げてしみじみ思った。
    まるで漫画を読んでいるかの様にするする読め、感情移入もするくらい臨場感たっぷりで面白かった。
    こんなに感情を爆発させられる機会があったことはある意味羨ましい。

  • スクールカーストトップから滑落した美少女と、下位の方の女子グループが行動を共にすることになるお話。普通ならば暗くなりそうな題材ですが、さすが柚木麻子先生、軽快に描かれており軽い気分で読めます。先生の描く人物は内面はもちろん外見の特徴もしっかり描かれるので場面がイメージしやすいです。「王妃」は苗字で呼ばれており、最後の最後で下の名前が明かされます。なんの違和感もない名前だし、個人的には勿体ぶる必要性あったかなと思いました。私にとっては遠い昔の学生時代のお話なので、共感しにくいのが難点でした。星4にしましたが3.5の気持ちです。
    内容には関係ないですが、表紙が素敵!!どなたの絵だろう?と思ったら東ちなつさんと知って納得。彼女のセンス本当に素敵ですよね。

  • 作者らしいシスターフッドもので、最後はちょっと胸が熱くなる。

    ただ単に失墜した王妃にかき回されるだけでなく、彼女との関わりで自分のいやな部分が見える。
    主人公たちが地味な良い子で終わらないのが良い。
    子供っぽかったところから、人間は人間をそう簡単に操れないということも知る。

    グループ内で、特に仲の良い誰かがいたり、とられた気がしたり、ベストフレンド的発想がほんとに女子。

  • 中学生の女の子達が友だち付き合いで悩んだり、奮闘したりして、少しずついろんな価値観に気づいていくところが、一生懸命で可愛らしかったです。

全216件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1981年生まれ。大学を卒業したあと、お菓子をつくる会社で働きながら、小説を書きはじめる。2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞してデビュー。以後、女性同士の友情や関係性をテーマにした作品を書きつづける。2015年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞と、高校生が選ぶ高校生直木賞を受賞。ほかの小説に、「ランチのアッコちゃん」シリーズ(双葉文庫)、『本屋さんのダイアナ』『BUTTER』(どちらも新潮文庫)、『らんたん』(小学館)など。エッセイに『とりあえずお湯わかせ』(NHK出版)など。本書がはじめての児童小説。

「2023年 『マリはすてきじゃない魔女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柚木麻子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×