戦国女人抄 おんなのみち (実業之日本社文庫)

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  • 実業之日本社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408550275

感想・レビュー・書評

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  •  戦国時代に生きた7人の女性の姿を、史料を掘り起こし著者の想像を交えて物語風にまとめたもの。信頼できる史料の少ない時代なので小説的な想像力を織り込む余地が大きく、そこが作者の腕の見せ所だろう。まさにいかにも佐藤雅美らしい物語に仕上がっている。
     いつの時代も女性は歴史に翻弄されるあるいは父や夫のいいなりに、などというのは表向きの話で、心ある男性ならばいつの時代も女は強いものと身に沁みてわかっているだろうが、これを読むとまさにそれが実感できる(笑)。今年の大河ドラマは観ていないので、「お江」がどんな展開になっているか知らないけれど、これを読むと確かにテレビドラマにふさわしい波乱万丈の猛女だったことがわかるし。NHK向きではないようなきもするけど。
     ただ、この作者はいつもながら人を見る目が優しい。大きな歴史の流れの中では、どんな強い人間だとて所詮は運命に翻弄されていくものだ、ということがわかっているからだろう。

著者プロフィール

佐藤 雅美(さとう・まさよし)
1941年兵庫県生まれ。早稲田大学法学部卒。デビュー作『大君の通貨』で第四回新田次郎文学賞を受賞。1994年『恵比寿屋喜兵衛手控え』で第110回直木賞を受賞する。著作に『御奉行の頭の火照り 物書同心居眠り紋蔵』『頼みある仲の酒宴かな 縮尻鏡三郎』『関所破り定次郎目籠のお練り 八州廻り桑山十兵衛』『知の巨人 荻生徂徠伝』などがある。2019年7月逝去。

「2021年 『恵比寿屋喜兵衛手控え 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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