桜の首飾り (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408552095

感想・レビュー・書評

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  • 千早さんの優しい文章。
    心を落ち着けるのにちょうど良く、すっと入ってくる。
    桜の花ひとつとってもいろんな人のいろんなストーリーがあることを気付かされた。
    自分の桜の思い出は、大学生の新歓、子どもと歩いた桜並木、とかかな?
    桜の季節に読み返したい本。
    来年の春は部屋にも桜の挿し木を飾りたいと思いました。

  • 桜のように切なくて淡いお話だと思いました。また桜の咲く季節になったら読み返したいな。より桜が好きになれます。

  • 【2023年87冊目】
    私が初めて千早茜さんの作品に触れたのは「男ともだち」だった。衝撃を受けた。あまりにも好みの作品だと思った。今でも全ての作品を読めているわけでたいはないが、無条件で、両手をあげて、白旗を振って、私は千早茜さんが書いた作品が好きであることを認めざるを得ない。

    本作は「桜」をモチーフにした短編集だ。「管狐を飼っている」という一風変わった"尾崎さん"に救われる話から、"お酒"をテーマにした話、"刺青"をテーマにした話まで、バラエティに富んでいる。富みすぎているといっても過言ではない。

    7つの短編集はいずれも味わい深くて、次はどんなお話が飛び出すのだろうとドキドキしなからページをめくり続けたのだが、特に好きなのは先に上げた3つのお話である。

    加えて、巻末に千早茜さん自身の「あとがき」が収録されているのが僥倖だ。作者の物語以外の時の言葉を聞けるのは読者にとっての何よりのボーナスタイムだと思う。

    やはり大好きな作家さんだと改めて思った作品だった。これからも自信をもって推していきたい。

  • 千早さんテイスト満載な一冊でした。
    艶めかしくダークで、とても純粋で正直な登場人物がたくさん。

    ”危ないって思うまでは目を奪われることを恐れなくていい。『異形のものに神宿る』と申しますでしょう。何が良くて何が正しいかなんて一概に言えません。昔の人は今よりずっと大らかでしたよ。”

    ”露悪的に見えても遠回りしているように見えても、それは完成するために欠かせない工程なのです”

    ”無理して自分を納得させなくていい。生涯、自分の幽霊を見るような生き方はしなくていい”

    私は桜が好きだろうか??
    桜の思い出はいくつかある。
    でも、その桜の光景ではなく、思い出すのは誰と一緒だったかだけだったりする。

  • 千早さん作品では珍しく、大切な人とつぎの約束があった。2度と会えなかったりしなかった。正直、私は桜があんまり好きじゃない。毎年「美しさ」を人間にしゃぶり尽くされて、アスファルトで黒ずむ花びらを見ると目を背けたくなる。私の喜びは、誰かの苦しさを踏みつけた上にあるんだろうなと自覚してしまう。どこまでを世の摂理として受けいれるべきなのか、最近よくわからない。

    ・画びょうで壁にぎゅっと貼りつけるような言い方

    ・人間なんて単純なものです。自分にとって価値があるものにね、金や時間を注ぎ込むんですよ。

    ・人が完全にわかり合うことはできないと私は思う。でも、繋がることはできる。美しいもの、優しいもの、鮮烈なもの、そういった心動かすものに触れた時、人の心は一瞬溶ける。そんな時に共感する誰かに出会えたなら、とても幸福なことだ。その瞬間はきっとその人の支えになるだろう。

  • エリクシール、がすき。

  • 短編集でサクサク読めるが、何度ももどって噛み締めたくなる。筆致が本当に好き。

  • 私には苦々しすぎた。

  • 桜にまつわるショートストーリー。
    切なく儚げでかわいい桜。
    大好きな人と毎年心穏やかにみれたら幸せだろうな。

    話は恋愛もののご都合主義感があって、つらい気持ちになった。

  • 桜の季節、タイトルに惹かれて購入。7作品収録の短編集。派手さはないけどしみじみと良い短編集だと思う。全ての作品に桜の情景が出てきて情緒がある。印象に残ったのは支配したがる母に密かに反発しながらも優しい人との出会いによって母を温かく受け入れる少女の話「初花」と、厳しかった亡き祖母の他人に見せていた別の顔と主人公にしか見えない少女の正体とその意味が深い「樺の秘色」

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著者プロフィール

1979年北海道生まれ。2008年『魚神』で小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。09年に同作で泉鏡花文学賞を、13年『あとかた』で島清恋愛文学賞、21年『透明な夜の香り』で渡辺淳一賞を受賞。他の著書に『からまる』『眠りの庭』『男ともだち』『クローゼット』『正しい女たち』『犬も食わない』(尾崎世界観と共著)『鳥籠の小娘』(絵・宇野亞喜良)、エッセイに『わるい食べもの』などがある。

「2021年 『ひきなみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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