桜の首飾り (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
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感想 : 46
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408552095

感想・レビュー・書評

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  • 昔読む時の雰囲気はなくなったみたいけど、「背中」と「樺の秘色」はまあまあいい。

  • なんて言ったらいいんだろうな・・・。
    桜をテーマにした短編集。
    各話は独立していて、関連性などは無いです。
    大きな事件とかで話の起伏があるわけではないので、好きな人は好きなんだろうな、って感じの作風でした。

  • 桜は不思議な存在。幸せな気分にしたり、切なくしたり、時には狂わせそうなくらいな時もある。その桜にまつわる各々の話…そんな話を読みながら
    私にとっての桜は…なんて想いを馳せてみる

  • いまの季節にぴったりだった。
    それぞれどの短編も、最後には少し前を向けるような気持ちになれた。

  • 桜をめぐる7つの短編集。
    丘の上の美術館や、長い石段、神社の境内など、一つの街を舞台にした物語たちであることも示唆されている。
    それならばきっと、彼らが見ている桜の花も、違う桜ではないはずだ。

    少しセンチメンタル過剰な気がしないでもなかった。
    けれどそれはまあ、桜の樹の精の霊力みたいなもののせいということだろう。もしくは管の中に棲む狐の瘴気に中てられたとか。

    「人が完全に分かり合うことはできないと私は思う」
    とあとがきで述べられているけれど、確かにそうだと自分も思う。
    けれど、同じものを同じ場所で見ることはできるはず。
    だからと言って、隣でそれを見ているあなたが、私と同じことを感じているはずなんてないのだけれど。

    「桜を毎年見たいと思うのはね、その美しさを共有できる人がいるって思いたいからだよ」

    図らずも私たちは、この景色を共有してしまっている。
    この景色だけは。

  • 同じ桜でも各々に烈しくも切ない物語がある。
    努力もきっと伝わる相手がいて、
    そんな瞬間があると思えば信じたくなる。
    一瞬の休憩の間しか一緒にいられなくても、
    それでもその一瞬を求めている。
    だけど本音を言えば一瞬で終わりにもしたくない。
    そんな希望を桜に託した物語に感じた。

  • 「桜」に纏わる連作短編。 淡々としているのにすっと胸に入り込んでくる作品ばかりだった。おばあちゃんお話が一番良かったかな。

  • 『桜』をテーマにした短篇集。
    ストレートでありながら変化球でもある、そんな不思議な味わいの短篇が並んでいるが、幻想味は薄めか。
    『あとがき』に『なかなか変な人たちが多くでてくる』とあるが、この場合の『変』というのは、登場人物の感じるもどかしさや生きづらさにかかっているような気がした。
    逆に『あとがき』の冒頭、『私がはじめて見た桜は紫色をしていた』から始まる、著者の子供時代の回想が、まるで幻想小説の書き出しのようで良かった。ある意味では収録作よりも好きかもしれない。

  • 念願通り、桜を眺めながら読みました。
    どのお話もひらひらと美しかった。

    ひとつ選ぶとしたら、春の狐憑きが好きかなー。

    以前、ある桜好きの人が、
    桜はあんまり縁起の良いものでは無いと思う
    と言っていたけれど
    私は桜には不思議な良い力があると思ってる。

    花荒れ、でも描かれていたけれど
    何度でも、幸福な夢のような日々が咲くことを期待させてくれる
    そんな力を持っていると思う。

    春の物思いのお供に。星5⭐️

  • 桜をモチーフとした短編7集。
    ソメイヨシノだけではなく、ヤマザクラや、絵画に入れ墨と色々な桜が描かれている。

    どことなく儚げで妖艶な世界で、桜吹雪の中で舞い散る花びらを掴もうとしたような気持ちになる作品。

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著者プロフィール

1979年北海道生まれ。2008年『魚神』で小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。09年に同作で泉鏡花文学賞を、13年『あとかた』で島清恋愛文学賞、21年『透明な夜の香り』で渡辺淳一賞を受賞。他の著書に『からまる』『眠りの庭』『男ともだち』『クローゼット』『正しい女たち』『犬も食わない』(尾崎世界観と共著)『鳥籠の小娘』(絵・宇野亞喜良)、エッセイに『わるい食べもの』などがある。

「2021年 『ひきなみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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