かっぱ先生ないしょ話 お江戸手習塾控帳 (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
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本棚登録 : 138
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408555539

作品紹介・あらすじ

江戸文政期、浅草の診療所兼手習い塾、通称「河童塾」を巡るちょっと訳ありな出来ごとを描く謎解き人情譚。文庫書下ろし。

感想・レビュー・書評

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  • 河童に関する逸話をもつ浅草・曹源寺裏手にある、診療所兼手習塾、通称「かっぱ塾」を舞台に繰り広げられる、ほっこりストーリーです。

    唯一の身内だった祖母を亡くし、行き場を失った文月は、口入屋で出会った浪人・花房右近と共に「かっぱ塾」で働く事になります。
    感情を殺して生きてきた文月が、塾に通ってくる子供たちや、そこで飼われている猫の“つき”と交流するうちにどんどん感情が出るようになり笑顔も増えてくるのが良いですね。
    「かっぱ塾」を営む美貌の医者、“かっぱ先生”こと涼水は、表面的には優し気ですがなかなかクセのあるキャラで、大らかな右近(この人も訳アリなのですが)や飄々とした近所の御坊様たちとの対比が面白いです。
    そして猫の“つき”がとっても賢くて、気掛かりな子供にいち早く気づき、その子に寄り添ってあげたり、時折塾を覗きにくる河童の子の頭のお皿を隠してあげる為に頭に飛び乗るさまが可愛いです。
    シリーズ化できそうな要素が沢山あるので、是非続きを書いて頂きたいなぁ、と期待しております。

  • さすが田牧さん。なかなか早いペースで本を出され、シリーズも多いのに、どれも外れなく面白い。このカッパ先生もシリーズ化されそうですね。人情もあり、キャラもあり、文句なしです。
    一番好きなシーンは、河童の子がこっそり来たときに、猫のつきが木から降ってきて、河童のお皿を隠すところ。大好きです。
    巻末にその絵があって、とても嬉しかったです。

  • 2022.04.30

  • 楽しく読めました。
    読了後ほっこり気分になりました。

  • かっぱが出ると噂の「かっぱ診療所」「かっぱ手習所」。それを営む涼水は近隣の人達から「かっぱ先生」と呼ばれている。その曰く付きの所に訳ありの浪人と天涯孤独の娘が使用人として雇われる。女中として働く事になった文月は笑う事が苦手な娘で、周りからは可愛げのない子だと厭われていた。だがかっぱ先生と関わり、手習所の子供達と触れ合ううちに本来の優しくで聡明な姿を取り戻していく。
    また、手習所の師匠となった浪人右近も息子との互いを思いやるあまりの拗れた関係が解れていく。
    文月が主役な感じで、かっぱ先生の活躍が少ないのが物足りないかな。

  • 早くに両親を亡くし、育ててくれた祖母もなくなり、一人ぼっちになった文月。浪人の右近に強引に誘われたのは、かっぱ寺の裏手にあり、かっぱが姿を見せるという診療所兼寺子屋。文月はそこで、子供達に固くなった心を癒される。大人たちだけでなく、かっぱと猫も子供達を守る。診療所兼寺子屋に集う皆が、心優しい。

  • 両親がおらず、唯一の肉親の祖母が亡くなり、長屋を追い出された愛想がない文月。ひょんな出会いからかっぱ先生のいる、医院兼手習い塾に住み込みで働くようになる。
    そこで、貧しく親を失った子供たちのふれあい、心から笑えるようになっていく。
    少しの思いやり、心から優しい人になりたい。

  • 今日だけで、もう一年分は笑った心地だった。

  • かっぱ先生が謎めいているだけなのか、何かの能力持ちなのかすらわからないのは次を待つしかないのか。お坊様たちがいい味だしてて面白い。白猫を頭に乗せたかっぱがかわいい。

  • 河童に関する逸話をもつ浅草・曹源寺裏手で診療所兼手習塾を営む美貌の町医者・斎藤涼水。「かっぱ先生」と呼ばれ、貧しい患者、孤児・片親など複雑な境遇の子供達に尽くしている。身寄りを喪くした十七歳の文月は図らずも、浪人・花房右近親子と住み込みで働くことに。塾で起こる不可思議な出来事、子供達や飼い猫との交流を通じ、文月の心はじんわりほぐされていき…

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著者プロフィール

作家

「2022年 『鯖猫長屋ふしぎ草紙(十) 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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