額の星・無数の太陽

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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784409130254

作品紹介・あらすじ

博覧狂記!ルーセル宇宙。独自の「手法」を駆使して織りなす言葉と物の奇想天外なスペクタクル。

感想・レビュー・書評

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  • ディレッタントの言葉遊び,骨董品の玉手箱,興味の湧くところの支離滅裂な会話、額の星は訳のわからない煌びやかさがあった.無数の太陽は謎から謎へと宝を求めての右往左往.恋愛と宗教観が加味されているが玉突きのようにコロコロ転がっていく印象.まさしく金持ちの気分おもむくところといった程の小説だった.

  • 舞台化した『ロクス・ソルス』と『アフリカの印象』がどうにも受けないルーセルが、「最初から脚本として書けばいいのでは?」と執筆した脚本二つ。最初の「額の星」は役者がルーセル的逸話を語るばかりで彼ら自身の物語はなく、次の「無数の太陽」では宝探しのため残されたヒントを延々たぐっていくのみ。直線でたぐるだけ。間違いとか裏切りとか、一切なし。そもそもルーセルの作品を理解する気のない、批評家の言葉を真面目に受け取った結果がこれである。

    しかし、それにもかかわらずしっかりルーセル作品になっている点がおもしろい。小説に見られたようなと突飛な奇想はないのだけれど、ひたすらモノとそれに付随する物語に執着し、一切の緩急を排した平坦なリズムで進行させるあの文体。俳優は大変だったろう。ということで、天然作家の舞台作品に対してなぜあれだけの大批判が沸き起こってしまったのか興味がある人におすすめ。

    巻末に小事典がついていて、ルーセルが作品に取り込んでいるアイテムがリストされている。ルーセルは現実より想像の世界を愛したけれど、想像力の土台は彼が生きた時代のフランスにあったのがよくわかる。

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