アルツハイマーは脳の糖尿病だった (青春新書インテリジェンス)

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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784413044417

作品紹介・あらすじ

予備群も含めて900万人にも上る認知症。なかでも最も多いアルツハイマー型認知症が、脳の糖尿病であることがわかってきた。最新研究にもとづいて、50代頃から10年~20年かけて徐々に進行していくアルツハイマーを予防&改善するための「糖質制限食+α」の方法を初公開する一冊!病的なボケかどうかがわかる診断テスト付き!!

感想・レビュー・書評

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  • 2015/10/18 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
    2015/10/18〜10/21

    アルツハイマー病の最新情報を知りたくて購入。
    なるほど、確かに糖尿病の一種と考えると分かり易い。糖尿病を防ぐにもアルツハイマー病を防ぐにも、とにかく肥満は大敵であるということが良くわかった。痩せよう。

  • 糖質を摂ることはインシュリンの放出を促し、体のインシュリン耐性をあげてしまう。糖質制限をすることで血糖値の上がりすぎを防ぐ。
    アルツハイマー病は糖尿病になると発症しやすい、という傾向があるが、インシュリンの放出量が減ったり、体内でインシュリンが消費しつくされたりすると脳にインシュリンが回らず、アルツハイマー病の原因であるβアミロイドが掃除されないことが原因ではないか、とします。

    アルツハイマー病発症の前二十年は前駆期間。70-80歳で発症するとすると50-60歳の食生活が重要、と説きます。

  • アルツハイマーと糖尿病の関連が きわめて明確に
    書かれていて、アルツハイマーがなぜ起こるのか
    ということが、解明されつつあり、
    それを 解決する 方向性も 見えてきているようだ。

    『糖尿病とその予備軍は、そうでない人より
    アルツハイマー病を発症するリスクが4.6倍も高い。』

    親からの遺伝が原因で起こる 1型糖尿病
    生活習慣の乱れで起こる 2型糖尿病
    アルツハイマーを 3型糖尿病とも言われるようになった。

    アルツハイマー病は 1907年にドイツの精神医学者アロイスアルツハイマーが
    その症状を報告したことから始まる。

    『生理的物忘れ』忘れても思い出せることがある。
    『病的物忘れ』→ アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症。
    2012年 認知症の人 462万人 + 
    予備軍(MCI;軽度認知障害) 約400万人 =約862万人

    アルツハイマーの説くカギが 『βアミロイド』
    『βアミロイドとよばれる繊維状の異常な蛋白質が神経細胞に沈着し、脳の表面に老人班とよばれるシミが過剰に生じていた。』
    インスリン分解酵素は インスリンを分解するが、
    βアミロイドも分解されるが、インスリン分解酵素がはたらかなくなり
    脳に βアミロイドが 蓄積する。
    『βアミロイド仮説』→生成過程を阻害し、蓄積を防ぐ。もしくは除去する。

    『コリン仮説』1970年代
    アルツハイマーで亡くなっていた患者の脳には、アセチルコリンと呼ばれる記憶にかかわる神経伝達物質の量が異常に低下していた。

    アセチルコリンを分解する酵素、アセチルコリンエステラーゼを阻害する物質を探す。
    1997年 杉本八郎が アリセプト(ドネペジル塩酸塩)を治療薬として開発。
    ただし、アルツハイマー病の進行を遅らせるだけだった。

    アセチルコリンの阻害する作用をもつ物質 タクリン。
    肝臓障害機能を起こす、副作用の危険性が高かった。
    その誘導体を作ったが、毒性が強かった。

    ①フィナスチグミン リバスチグミン 商品名 イクセロン;ノバルティス社
    ②ヒガンバナからのえられた ガランタミン;商品名 レミニール;ヤンセン社
    ③ドネペジルと併用効果のある メマンチン;商品名 メマリー;ルンドベック&アスピオファーマ社

    PETによる脳の画像診断装置を用いた ブドウ代謝診断。
    患者の脳の神経細胞の活性が低下して、大脳辺縁系から側頭頂皮質臭いて、ブドウ糖の代謝障害が起きている兆候を発見。

    アルツハイマーの発症する年の 
    20年前に βアミロイドの蓄積が始まる。
    10年前に リン酸化タウの蓄積が始まる。→神経原線維変化
    数年前 軽度認知障害(MCI)→認知機能障害。

    50歳前後から βアミロイドの蓄積が起ルトして、60〜65歳頃から神経原線維の変化や神経細胞の脱落が始まり、70歳ころから、脳の海馬周辺に 病変が発生して、軽度認知障害(MCI)がおこり、80歳ころから大脳新皮質にも進行して、アルツハイマー症と診断される。

    『リン酸化タウ蛋白質』仮説による治療戦略
    ①脳神経組織にタウ蛋白が蓄積し、異常リン酸化するのを阻害する。
    ②タウが異常リン酸化しても、その凝集を抑制し、さらにタウが蓄積してできるタウオリゴマーという物質の分解を促進することによって、神経細胞の絡み付いて細胞が死滅するのを防ぐ。

    クルクミンをとることで、βアミロイドの凝集を抑制し、離散を促進する作用がある。
    クルクミンは 血液脳関門のバリアーに進入できない。
    静脈注射して わずか0.2%以下しか、脳に入らない。

    クルクミンから タウ凝集抑制作用、βアミロイドの凝集抑制作用をしめす PE859。

    糖尿病になると 脳梗塞になるリスクは 4.3倍
    心筋梗塞は 1.4倍
    糖尿病+高血圧が加わると 脳梗塞 4.9倍
    心筋梗塞が 3.6倍となる。

    糖質の過剰摂取→血糖値の上昇→インスリンの追加分泌の連続→皮下脂肪 内臓脂肪が腹囲に蓄積→インスリン抵抗性の増大→インスリンを分泌しつづける膵臓の疲弊→血液中の血糖値の日常的な上昇→高血圧、脂質異常症、糖尿病の発症→脳内のβアミロイドの蓄積。

    これを打ち破るには 原因を絶つ。
    つまり、糖質制限を行なうことである。

    このあといろいろと 説明されるが
    切れ味は悪く 俗説みたいな物も入り込んで
    前半部分の キレがまったくない。
    もっと、集中して アルツハイマーとの関係を
    掘り下げた方が いいとおもうのだが。

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著者プロフィール

大阪大学大学院医学系研究科助教授

「2001年 『遺伝子は命を救う』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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