図解「哲学」は図で考えると面白い (青春文庫)

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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784413096553

感想・レビュー・書評

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  • 哲学という面白味のある学問分野をよくもまぁここまでつまらなく解説できたね…という感想。
    タイトルに「図解」とあり、また確かに本文中に図はふんだんに盛り込まれているが、その図が「図解」になっていない。個人的な思い出になるが、高校時代、授業中に口にした言葉を悉く板書しながらその言葉すべてを、本来の相関とは無関係に一方通行の矢印で結んでいった現代文教師を思い出した。本書はそこまではひどくないものの、そんな記憶を刺激する程度には図が理解の手助けになっていない。

    そもそも、「はじめに」の時点で、面白くなりそうにない雰囲気が立ち込めていた。大学を出たひとを見返すためにこの本を読もう、そんな煽動にドン引きした。「おおかたの学生は単位を取得するためだけに、要するになるべく大きな企業に入るためだけに大学に入っているからなのだ」という記述があるが、「そのために大学に入ったひと」を「そのことのためにであっても大学に入らなかったひと」が見くだすってのも不思議な論理。というか大学を出たひとと大学に入らなかったひと、を対立軸でとらえるあたり、底が浅すぎて本文を読む前に不安になった。
    案の定、本文は退屈で、作者の自己満足だけが感じられる。

    「まったくの一般論であるが、哲学の解説書というのは読まない方がよい。(中略)「はやわかりナントカ」という本となると、哲学を殺しにかかってるとしか思えない。」(野矢茂樹「ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』を読む」はしがきより引用)
    まったくそのとおりでした。

著者プロフィール

写真提供:高氏貴博(大人気ブログ「毎日パンダ」)

「2019年 『ありがとうシャンシャン ポストカードブック【スマイルセレクション】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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