影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか

  • 誠信書房
4.29
  • (486)
  • (292)
  • (125)
  • (30)
  • (9)
本棚登録 : 9007
感想 : 351
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (492ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784414304220

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 返報性の章が特に勉強になりました。
    返報性の法則は福祉系の学生でも授業で習うようなオーソドックスな心理学用語かなと思いますが、具体的な例を用いて、対応方法(返報性の法則が発動しそうになった時の考え方)についても説明されていて分かりやすかったです。
    400ページを超える厚い本ではありますが、その割には読みやすい文章だと感じました。
    興味がある箇所だけサクッと読んで、各章のまとめを読んでも良いのではないかと思いました。現代人は分厚い本を持ち歩きながらゆっくり読書する時間は限られているかと思います。
    まとめを読んでから興味が湧く箇所もあるはずなので、それから再読してみても面白そうです。
    キーワードは「カチッ、サー」。
    自分の中の無意識と日常の何気ない人間関係で生じるアレコレを掘り下げてみたい人にオススメです。

  • 出会えてよかったです。
    ありがとう

  • 厚めの本ですが、とても面白く、読みやすい翻訳でスラスラと読めました。

    セールスマンなど、相手から承諾をもらいたいような仕事の人は読んだ方が良いと思いました。
    どういった場面で、心理で、承諾や購入の意思がなされるのかを分かりやすく教えてくれました。

    特に印象的だったのは、人は何かを得る事よりも何かを失う方に心が動くという点。
    営業をしていると与える事に意識が集中しがちですが、希少性、機会損失などもさり気なく相手に伝えるのも良い気がしました。

    何度か読み返して、勉強します。

  • 『感想』
    〇人間が生きていく上で獲得してきた本能が、人が動かされてしまう影響力の武器になったことが分かった。

    〇人間の行動をつかさどる基本的な心理学の原理「返報性」「一貫性」「社会的証明」「好意」「権威」「希少性」に対しての防衛法も挙げられているが、わかっていても防げないのがこの原理である。

    〇これらの方法を使って人を動かすことができたら自分が生きやすくなるが、その知識を人をだます方に使わないようにしないといけない。最後に大きなしっぺ返しがくるし、人としての信頼が失われてしまいそう。

  • 目次
    第1章 影響力の武器
    第2章 返報性
    第3章 コミットメントと一貫性
    第4章 社会的証明
    第5章 好意
    第6章 権威
    第7章 希少性
    第8章 手っとり早い影響力

    感想
    自分は他人からの影響を受けにくいタイプの人間だと考えてきた(し、現在もそう感じるところではある)。しかし、本書に書いてある通り、”影響力の武器”は相手に意識させることなく影響を及ぼし、利用方法次第では自分の思い通りに行動させることができるという驚異的な力を有しており、おそらく自分としても気づかぬうちに影響を受けた上での意思決定をしたことがあるのだろう。
    特に、現代社会では情報が氾濫しており、時間がなく、疲労も蓄積し、とても一個人で全ての事柄において正確な判断を下すというのは不可能である。そんな中、人間には情報のフィルタリング機能が備わっており、通常は自身に必要な情報を取得し、行動をとることができる。しかし、上記の”影響力の武器”を悪用されれば、フィルタリング機能に誤作動を生じさせ、自身に不利な結果を招くことがある。本書はそのようなことがないように、「どのような条件がそろえば影響を受けやすいか」を各種実験及びその結果を指摘しつつ示すといった趣旨で書かれている。
    上記の条件を理解し、自身が相手の術中にはめられていく中で抱く違和感を見逃さず、違和感を契機として毅然とした対応を取るべきというのは一般論としても非常に理解できるものであり、これだけで終わることなく、第2章~第7章の各論部分が個人的には身になる内容であったと思われる。
    最後に、各章で覚えておきたい文章を記しておく。
    第2章「譲歩という行為には…取り決めに対する、より大きな責任感と、より強い満足感…があるからこそ、「拒否したら譲歩」法は丸め込んで飲ませた要求を実行し、似たような要求を繰り返したときにも嫌がらずに応じるように仕向けることができるのです。」(81頁)
    第3章「コミットメントが効果的に影響を及ぼすためには…行動を含むこと、公表されること、努力を要すること、自分の意志で選ぶこと(がそろっていなければなりません)」(124頁)「人は自ら新しい支柱を築いて自分が積極的に関わった選択を補強するので、他人を食いものにしようとする人たちは、そのような選択をさせるように誘いをかける場合があります。そして決定をさせた後、最初に相手を誘った条件を取り除きます。最初の柱(条件)を取り除いても、相手が下した決定は新しく建てられた支柱によって支えられると分かっているからです。」(157頁)
    第4章「一般に、自分自身に確信がもてないとき、状況の意味が不明確あるいは曖昧なとき、そして不確かさが蔓延しているときに、私たちは他社の行動を正しいものと期待し、またそれを受け入れるようです。不確かさが生まれるもう一つの条件は、状況に対する馴染みのなさです。そうした状況に置かれると、人は特にその場にいるほかの人たちのやり方に従います。」(208頁)「誤った社会的証明に影響されないために、次のことを肝に銘じることが必要である。➀類似した他者が行っている明らかに偽りの証拠に対して敏感であること。②自分の行動を決定する際には、類似した他者の行動だけを決定の基礎にしないこと。」(264頁)
    第5章「防衛を始めるタイミングは、状況から見て不自然なほど相手のことが好きになっていると感じたときです。…その人に対して、予想以上に早く、しかも強い好意を抱いてしまったという感情です。ひとたびその感情に気づけば、何らかの戦術が用いられていることがわかり、必要な対策が取れます。…決定をする前には、「この男を知ってからの二十五分間で、予期していた以上にこの男を好きになってはいないだろうか」という、重要な問いかけを自分にしてみるべきです。」(321-2頁)
    第6章「権威者が影響を及ぼしていると思われる状況に遭遇した場合、最初に発すべき質問は、「この権威者は本当に専門家だろうか」というもの…問いかけることで…権威者の資格、…その資格と当該の問題との関連性(という2つの重要な情報が得られる)」(364頁)
    第7章「心理的リアクタンス理論…によれば、自由な選択が制限されたり脅かされたりすると、自由を回復しようとする欲求から、私たちはその自由(および、それに結びつく物やサービス)を以前より強く求めるようになります。」(388頁)「希少性の高いものは、それが手に入りにくいからといって、その分美味しかったり、感じが善かったり、音がよかったり、乗り心地がよかったり、動きがよかったりするわけではない、ということを決して忘れてはいけません。」(419頁)

  • 翻訳本であるが、読みやすくて◎。

    私たちは自分の意思で行動していると思っているが、実はあらゆるトリガーに操られていることがよく分かる本。専門的な用語はほとんどなく、事例がたくさん紹介されているので、かなりのページ数だがすらすら読める。

    理論はいずれもシンプルなのに、私たちはいとも容易く引っかかっている。自らの行動に注意深くなること間違いなし。

  • 生きてきたなかで、なんとなく理解しつつも、言語化できていなかった影響力に関する本

    1 返報性
    お返しをしなくてはいけない!

    2 コミットメント
    続けてきたのだから、意味はある!

    3 社会的証明
    みんながやってるから正しい!

    4 好意
    魅力的な人が言っているなら正しい!

    5 権威
    偉い大先生が言っていたんだから間違いない!

    6 希少性
    手に入りづらいものは良いものだ!

    組み合わせることで、より大きな武器になる!

  • 承諾を引き出すありとあらゆるテクニックについての解説があった
    商売をやる人なら皆使うテクニックだと思うがこのテクニックをぶん回してくる人は大抵虚業系だと感じた
    適度に使い、虚業系の人から身を守るために読んでおくと良い

    面白かったが、感情的に論理展開をしてる感が少しある


  • 分厚くて値段も張るが、心理学が好きな人、営業の人、人間関係を少しでも思い通りにしたい人は読む価値あり。

    10個ほどある心理ルールの根拠を裏付ける具体例が豊富で分厚くなっている。
    その分、納得感を得られるが、自分は少しくどく感じたので軽めに読み飛ばしてしまった。

  • 行動心理学に関する本。
    読了すると日常生活における消費者という観点から物事を俯瞰的に見れる力がつけられると思う。
    ただ内容量が多く一度に全てを実践するのは難しい。
    何回も読みこみ手元に置いておくバイブルである。

全351件中 21 - 30件を表示

ロバート・B・チャルディーニの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
エリック・リース
佐々木 圭一
トマ・ピケティ
ジャレド・ダイア...
シーナ・アイエン...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×