ウツボはわらう 『魚屋(うおや)』主人の“さかなばなし"

著者 :
  • 世界文化社
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  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784418123209

作品紹介・あらすじ

神奈川県逗子市で20年、地魚料理店『魚屋』を営んでいた店主のおいしい魚64の物語。巷で人気の酒場詩人・吉田類さんの、味のあるイラストも必見。

感想・レビュー・書評

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  • 肩のこらない、魚をテーマにしたエッセイ本。神奈川県逗子市で「魚屋」という地元魚介類を扱う店を営んでいたご主人が、約60の種類の魚について、主に如何にして食したかの経験談を語る。それぞれのエピソードから、著者が魚に対する鋭い味覚を有していることが分かるが、ここまで細かく味が分かるというのはすごいなと思う。釣りも好きだし、スキューバダイビングもするので、ほとんどの魚にはなじみがあるが、食べたことがない、あるいはそもそも食べたりするものだと想像していなかった魚もたくさん登場するので、面白かった。タイトルは意味深だが、おしつけがましい教訓や人生論などは一切なく、著者の語る、それぞれの魚がいかに旨いかの愉悦の体験を脳内に再現しながらさらりと読み終えた。

  • トラフグのページが印象的だった。“噛んでも噛んでも旨みが涌き出てくる、こんな魚はほかにない。フグの味わいは、滋味である。薄造りのひと切れを、心で味わう。”

  • これは面白い本!!

    この本との出会いは、月刊ダイバーという雑誌のプレゼントだったが、思わぬところで、良い本に巡り会うものである!

    本書は、春夏秋冬それぞれに旬を迎える魚を、それぞれにつき、著書のエピソードを交え、捕まえ方や美味しい食べ方を紹介している。

    著者の西潟さんの魚と、それを釣る漁師への思い入れ、愛情を感じた一冊だった。
    一匹一匹の魚に物語があり、その一つ一つに味があり大変興味深い。

    魚の描写も秀逸である。以下は秋の魚、ハマフエフキの描写。

    「内臓を三枚に下ろしているころから、予感はあった。しっかりとした白身を開いていると、包丁が白身に吸いつくように重くなる。ねっとりとした感触は脂でがなく、身のきめの細かさからくるものだ。皮を引いたときの、解き放たれたような香りも爽やかだった。刺身は見つめるだけで、旨さが伝わってきた。」(p.149)

    読んでいるだけで、五感が刺激されるようだ。

    読み終わったあと、そのまま海にでも行きたくなった。

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著者プロフィール

昭和28年、新潟県生まれ。逗子で地魚料理店「魚屋」を20年間営む。
神奈川新聞・東京新聞・日刊ゲンダイ等に連載。「漁師町ぶらり」(講談社)、
「とっておき漁師料理」(NHK出版)ほか著書多数。

「2013年 『京急電鉄 街と駅の1世紀』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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