- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784422210667
感想・レビュー・書評
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2020.12.11
かなり豊富なイラストと資料で当時のおどろおどろしさが鮮明に伝わってくる。
イラストがめちゃくちゃ多いので、文章が中途半端に切れてあっちこっちに飛ぶから読み辛かった。
魔女狩りの一連の流れよりも、後半の資料編の方が読んでいて興味深かった。
ユルバン・グランディエがルイ13世に宛てた手紙が切ない。。
日本に生まれて、特に宗教と無縁の生活をしてると、なかなか想像し難いけれど、信心深さって恐ろしいな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ミシュレの一節が、ほんとに陶然とさせてくれる。知の再発見シリーズ大好きなんだよね。
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ガーーッと読みやすくて良かった。
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<Les sorcieres, fiancees de Satan>
造本装幀/戸田ツトム+岡孝治 -
魔女狩りの入門書だと思う。基本的な事を系統立てて書いていたのでわかりやすかった。
マインド・コントロールや心理学の本を読んだ後なので、何となく時代の雰囲気を掴みやすかった。
一つのターゲットを敵と見做すよう働きかけたら支配もしやすいだろうな。 -
読んだ本はすぐさま処分する必要があります。持っていても仕方がありません。この本も同様です。しかし、処分するには美しすぎる。ブックオフで購入する。興味深い本でした。知識人は冷ややかでした。しかし、嵐が過ぎるまで沈黙です。これはいつの時代も同じです。そんなところです。
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「啓蒙思想の広がりとともに、妖術は次第に俗信や無知、架空の幻想としておとしめられるようになった」 ー 129ページ
今現在言われているようなオタク文化だとかサブカルだとかいうのは、昔からあったというよりも啓蒙以降の産物なのかなと思うのはこういう時である。
ポストモダンが何をほざこうが、啓蒙思想は確固たる基盤として社会を形作っているのであり、それを土台にした上で戯れるか、あるいは逆らおうかという話になったとき、前者を選ぶのがマジョリティであるのはもはや必然的なことだといっても良いのだろう。
あるいは、戯れるふりをして、その隙間に滑りこませるように啓蒙自体への嘲りを挿入する、というような文化が醸成されているという言い方もできるのかもしれない。 -
近世の人口増加、経済変容、農村内部の階層分化により、農村の共同体は解体された。加えて、度重なる戦争やペストの流行により、人々は恐怖や不安に捉えられた。
その不満や不安をコントロールするために、時の権力者たちは「魔女」という生贄を作り出した。
魔女迫害は、国やエリートたちが農村の隅々にまで権力を浸透させるための手段の一つだった。
魔女狩りは、過去の時代を覆っていた、現代人から見れば理解しがたい狂気だと思っていた。
けれど規模や名前を変えて、何度でも繰り返されていることなのかもしれない。
人をコントロールするために不和を生み出す人ってどこにでもいるもの。
魔女狩りの犠牲者たちは、主にそれ以前は慈善の対象であった貧しい寡婦や老女、ユダヤ人や異教徒たちだった。
寛容から始まったキリスト教の変換期だったんだ。カトリック怖い。そりゃローマ法王もごめんなさいするわ。 -
ヨーロッパ中世、続発した戦乱と飢饉とペスト。混乱を操るのは邪悪な力ではないか。魔女狩りがどのような歴史現象であったかを概観し、参加した人々が何を幻視したかを考察。