袋師が見る数寄の名脇役 茶の裂

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  • 淡交社
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  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784473042583

作品紹介・あらすじ

〈仕覆は茶入だけのものじゃない!〉
〈裂を知ることで、茶の湯がわかる〉

茶道具を箱に収める時には、少なくとも一枚の布地に包みます。しかし、伝来物や名品となると、裂地を使った袋(仕覆)に収まっており、道具の種類や格にあわせて裂も変わります。道具と裂の関係、あまり知られていない箱の中の裂の数々、袋物の修復ついてなどを、袋師である三浦和子氏が手掛けた袋とその道具を紹介しながらひもといていきます。また、出帛紗や待合の敷物など、あらゆる茶の裂(表具除く)についても、どのような裂を使うのがよいかなど、裂の基礎からわかりやすく言及します。

感想・レビュー・書評

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  • 袋師、として、茶道具を包む仕覆をはじめとする茶道の裂を扱っている著者が、それまでの経験をもとに、茶の裂とは何か、どういうルールがあるのか、を豊富な写真とともに紹介した本だ。

    唐物の茶器には、金襴や緞子など、海外から渡ってきた由緒ある裂を使う、とか、包み切れは内にいくほど良いものを、外箱の包み(風呂敷とか)になるほど手軽なものを、という風に格を変える、ということなど、なるほどねえ、と思う。

    そのルールを、あえて利休が崩して、唐物ではない備前の茶入れにものすごく良い裂をあてがってあえてその妙を楽しんだ、というエピソードなども、深いというか、正直よくわからないけどなんかすごい。

    同じ棗であっても、仕覆を変えると、掛け軸や花器などのしつらえまで変える、それくらい取り合わせというものを茶道が大事にしている、という話は、もっと若いころだったら面倒くさい、としか思わなかったと思うけれど、今は面白いな、と思う。

    著者自身が扱ってきた仕覆の修復についても丁寧に写真入りで解説されていて、こんなに裏地って裂けてしまうものなのか、とか、こうやって新たに作るのか、などと興味深かった。

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著者プロフィール

袋師。主に茶家、美術館、数寄者などが所蔵する伝来道具や名物道具の仕覆(袋)の制作や修復を手掛ける。かつては染色作家として活動しており、緒やつがりもすべて一から手掛ける。学生の頃から裏千家茶道を学ぶ。また、袋師の仕事の一環として、染色の研究、執筆や講演、仕覆の技術指導を行う。数千点に及ぶ時代裂の蒐集や、裂手鑑「砕錦帖」を所有研究し、茶の湯文化の総合的な継承につとめている。

「2018年 『数寄の名脇役 茶の裂 袋師が見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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