現場からオフィスまで、全社で展開する トヨタの自工程完結―――リーダーになる人の仕事の進め方

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  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478065686

感想・レビュー・書評

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  • トヨタの自工程完結とは次のようなものであると解しました

    ・真に顧客第一かどうかを、自分だけでなく、関連を含めてあらためて考えてみる
    ・自分の対応する工程にて完璧に対応をおこなって次工程にミスをおくらない
    ・そのために、前後の工程関係者と密接なコミュニケーションを行って、必要な情報、課題を共有する
    ・全員がリーダとなって、自工程完結を行うことにより、達成できないと考えていた課題を達成し、組織としての達成感を得る。

    トヨタの課題認識の鋭さと、解決に対するすさまじい執念を感じました。

  • 2018年8月8日読了。トヨタの「自工程完結」の考え方、全員がリーダーになることを目指すというその目的、実践例などを説く本。「なぜなぜ」など課題を見つけ品質を高める仕組み、現場の優秀さなどはあるけど、いちばん重要なのは何年かかろうがこの仕組を継続して「品質を高め続けようとする」愚直な姿勢と本当にそれをやり続けることなのだ、と感じさせられる…。顧客の命を左右し社会にも大きな影響を与える「クルマ」というものを作る仕事であるからには、確かに本気で・徹底的にやってもらわないとそれは困るというものだが…。本文中で披露される著者が米国製造業の工場を訪れた際のエピソード、そこでは従業員が雑談しているものの落としたネジが自動的に床を転がってその収納箇所に戻っていく・「ミスが自動的に回収される仕組みが出来上がっている・人間の根性に頼らない仕組みになっている」ことに衝撃を受けた、という話が印象的。

  • 勤務先がトヨタグループなので、自工程完結活動は日常的に行われている。しかし現場の負担感は半端ない。報告のための活動(自工程完結やってます、というためだけの活動)になっているという声は後を絶たない。要は効果が出ていないのである。
    そんなのおかしいだろうと思って本書を読んでみた。結果わかったこと。今まで自工程完結活動と思ってやってきたことは自工程完結ではない!

  • 最近読んだビジネス書では、私にとって久々のヒット作でした。言われて久しいホワイトカラーの生産性向上や業務改革・改善がうまくいかない。そこに挑んだトヨタの自工程完結。
    何か特別な事をやるというよりは、地道に取り組む手法を教授してくれました。ただ、取り組みにあたっての視点や取り組み方は経験に富んだ著者の実体験をベースに語られている為、非常に参考になりました。

  • トヨタは自動車企業で日本一のシェアを持っています。
    この本はそんなトヨタ企業のリーダーがどのようなことをしたのかが書いてあります。
    この本を読めば今後就職して自分が企業のリーダーになった時にどのように仕事を進めればいいか参考になる本です。

    請求記号:509.65/Sa75

  • 自工程完結=仕事のプロセスを型化する中で改善点を見つけ、ブラッシュアップしながら基準となる仕事の進め方を誰もがわかるように言語化することと理解。
    自工程完結に限った話ではないと思うが、目的・ゴール、アウトプットイメージはとくに重要と感じる。それらを把握していない担当者・リーダーが世の中にどれだけ多いことか。それがメンバーや関連部署にどれだけ悪影響を及ぼすことか。諸悪の根源であるマネジメント側は最大限に気をつけないと、自分が生産性・モチベーションを下げていることに繋がりかねない。

  • 著者は、トヨタ自動車の副社長を務め、現在は相談役。

    八百屋の親父のモチベーションが高いのは、仕事の良し悪しが目の前のお客さまの態度でわかり、その期待に応えられていることを実感出きるからではないか、現場の仕事をそんな風にしたいと著者は考えた。「良い仕事は褒めてもらえる。そして自信が持てる。結果的に作業が楽しくなる。モチベーションが上がる。そんな仕事にする。」これでオオキク工場の雰囲気が変わったという。この考え方には共感できる。

    ポイントは
    「目的・ゴール」をはっきりさせる
    「最終的なアウトプットイメージ」を明確に描く
    「プロセス/手順」をしっかりと考え、書き出す
    次のプロセスへ進む判断基準を決める
    必要なものを抜け・漏れなく出す
    振り返り、得られた知見を伝承する
    だと言い、これらの点にも同意。難易度はあれ、これらができていれば、皆がいい仕事ができる。

    工場で取り組んだ自工程完結を、2007年に会社方針でスタッフ部門への導入を決定。社内で何かが上がってくるまでに、根回しやらチェックやら、時間がかかっていた状態を変えるため。しかし、これは相当ハードルが高そう。そして、繰り返しや、月次・年次作業でないものにも、志を持つのは良いが、すべてのプロセスを確立させるのは至難の技、時間対効果(費用対効果)の点で疑問を感じる。

  • トヨタの工程管理の考え方。部門で独立し採算計画を描ける大企業向け。

  • 世界のトヨタの仕事の進め方に興味がありこの本を手に取った。
    「自工程完結」とは、一生懸命頑張っているのに、なぜ成果がでないのか?そんな、理不尽な仕事をなくすために、進めている「仕事の質を高める考え方」のこと。
    マニュアルがあっても、使われてなければ意味はない。
    新しい人が見て、わかるものを作らなければいけない。
    ゼロベースで見直すことで、たくさんのことが見えてくる。

    仕事の仕方を、再度認識させられるいい本であった。
    自分の仕事に繋がる部分が多くて仕事への意欲にもつながった。

    佐々木 眞一(ささき しんいち)
    トヨタ自動車相談役・技監

    「スタッフ部門、いわゆるホワイトカラーの部門には、生産性向上目標はありません。生産性に対する意識がきわめて低いのです。何かを決めるにしても、むしろ時間をかけたほうが正しい結論が出るのではないか、といった空気があるのではないか。」
    「八百屋のオヤジはどうしてあんなに楽しそうなのか。仕事の良し悪しが目の前のお客様の態度でわかり、その期待に応えられていることを実感できるからではないか。自分の仕事の良否が「その場で」わかるようにする。安心して次の作業に移れるようにする。良い仕事は褒めてもらえる。自信が持てる。結果的に作業が楽しくなる。モチベーションが上がる。そんな仕事にする。自分の作業の価値や意義を解釈できる教育を、工場内で推し進めた。自分の仕事に誇りが持てて、喜びを感じることができる、ということが、働く上でいかに大事か。」
    「水漏れにかかわる可能性がある工程をすべて洗いだした。それぞれの工程をすべて書き出し、羅列していきました。その工程で、どうすれば絶対に水漏れしないという保証ができるか、現場に行ってヒアリングしたり、作業をみながら確認したりしていったのです。聞けば「ちゃんと作っています」という声が返ってくる。この「ちゃんと」を厳密に定義していかなければ、単なる「心がけ」にすぎない。科学的な裏付けに基づいた取り組みにはならない。抜本的な解決にはつながっていかないということなのです。」
    「カイゼンされたものは標準化し、現場で定着させる取り組みを新たに進めました。そうすることによって、それぞれの工程で不良を出さないようにする。言葉を換えれば、自分たちの工程で完結させるということができるようになった。これこそまさに、「自工程完結」にほかならない。」
    「マニュアルや手順書がある会社もすくなくありませんが、あるのにまったく使えない。そんなマニュアルがないでしょうか。マニュアルは本来、人が作業を素早くこなすために作られたものですから、使えないマニュアルというのは、まったく意味のないものということになります。「プロセス/手順」をしっかり洗い出しておけば、いつでも自信を持って仕事をすることができます。」
    「スタッフ部門で生産性を阻害している理由の一つには、知見がまったく伝承されていないことが挙げられるのです。異動などで新しい担当者に替わったら、またゼロから仕事を始めなければいけない。もし、そこに「プロセス/手順」も「判断基準」「必要なもの」もしっかり書かれたマニュアルがあったとしたら、どうでしょうか。それは大いに活きてくるものになるはずです。」
    「「自工程完結」の考え方で仕事を進めることは、つまるところ、自分の仕事のやり方や、組織の仕事のやり方をゼロベースで見直すことです。お客様のためという前提で「目的・ゴール」を設定し直し、「最終的なアウトプットイメージ」をしっかりと持ち、「プロセス/手順」を洗い出し、正しい意思決定をするために「判断基準」や必要なもの」を定めていく。この一連を通すと、気づく。今までの仕事には理不尽なことがたくさんあったということ。「どうしてこれがこうなのか」ということをあらためて追求してみると、実はなんのやるべき理由もなかった、というケースも少なくありません。」ただ昔から続いていたから、という理由だけで、やらなければいけないとされていた大変な仕事もあったりしました。「自工程完結」では、理不尽なところがすべて見えてくるのです。」
    「昔からやっているからというだけで、惰性で行われている業務はないか。後工程のニーズの変化を知らずに続けている業務はないか。そうした意識を持って業務を見直してみることも、「自工程完結」にほかならない。仕事に慣れているベテランは、無駄な仕事と思いながらも、何かを変えるエネルギーのほうが、実はストレスになったりします。だから、今のままのほうがいい、という保守的発想になりがち。」

  • 仕事のゴールイメージを具体的に共有する
    ゴール工程を細かく分けて改善ポイントを見出しやすくする
    細かくチェックする
    当然といえば当然。当たり前のことを当たり前にやることが結構難しい。

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