僕らはそれに抵抗できない 「依存症ビジネス」のつくられかた

  • ダイヤモンド社
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感想 : 96
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478067307

感想・レビュー・書評

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  • ちょっと長めかも。事例がたくさん小出しに出る本が好きな方にはおすすめ。

  • ▼依存症について
    ■依存症は性格だけでは語れない。依存を呼び起こす合図(環境)も重要なファクター
    ■自発的行動=自律生+関係性+有能生

    ◉依存になるメカニズム=人間の没頭する仕組み
    →上手く活用しよう

  • いろいろな依存症のことを説明する本です。
    昔はお酒や薬など摂取するものが主な依存症だったんだけれど、今はゲームやスマホサービスなど行動に関する依存症が多いんだなって知ることができました。
    巧妙に考えられた仕組みで、ユーザを依存症に誘う。おそろしいです。
    SNSの「いいね」も依存症の引き金ですよ。

  • ふむ

  • 依存症に関する話です。ゲームを辞められないとか、スマホを辞められない、Fitbitを付けて運動することを辞められない・・・すべて依存症です。タバコやアルコール、あるいは麻薬と同じです。依存症になってしまう、あるいはビジネスとして依存症を作り上げるには、いくつかの要素がある。1)目標・・・Fitbitを付けていると運動することを辞められなくなる。体調が悪くても、10,000歩歩くことを辞められない。そういう目標。2)フィードバック・・・いわずと知れたFaceBookの「いいね!」、3)進歩の実感、4)難易度のエスカレート・・・ゲーム機、例えばテトリスがやっていくうちに難易度が高まっていくこと、5)クリフハンガー・・・つまりドラマで次にどうなるか判らないところで終わったら、続けて次の回を見たいという衝動にかられて、一気見してしまうこと。6)社会的相互作用・・・みんな比較が大好きという仕組みが使われている。どれも思い当たる者ばかり。そして、どっぷりと意図的に依存症にならされてしまう。とても勉強になりました。

  • なんだって人の研究の成果というのは面白いはずなのだがゲームフィケーションなしには読めなかった本。(もらったばかりのフィットネスバイクを漕ぎながら読んだ)

    などとがっかりしたふりをしたがこの悪の技法を知ったからには私は今後あらゆる本をフィットネスバイクを漕ぎながら読むだろう。不誠実極まりなくても5ページとかでギブアップするよりはましだ。と考えた私の誠実な努力を駄作の著者らには認めてもらう。

    さて、あまりのつまらなさに右から左に抜けていくばかりの内容だったので改善点も考えてみた。

    著者らは抽象度を考慮したコンバージョンを決めたらどうだろう。そうしたら少しは研究と呼べるものになるのではないだろうか。

    たとえば、とある国ではデータのカタログを研究と呼んでいるがよく考えたらカタログを作っただけで面白がっていられるのは人間の脳では小学生までのはず、との仮説を立ててみる。そしてゲームがキッズのものとされるのは実は文化に関係しない根拠があったという超展開からゲーミフィケーションが意味するものを解き明かす。

    あるいは私たちの依存症に対するスタンス、たとえば意志の力という言葉が出てくる根拠や薬物中毒者が差別されるのには何か本能的な理由があるとして根拠を仮定してみる。そして前頭葉を使わない(自己を対象化できない)個体は人間と認識されないという超展開から依存症を通した人類の存在理由を解き明かしてみる。などなど

    ところで私なら(宿題を出されたとかなら)、依存症ビジネスが模倣しているもの。つまり習性のアルファに期待されたものは何かという展開にする。

    ゲームで表現するならば私のコンバージョンの全ては設計者の捕獲に向かっている。なぜならば(それを私のクリエイティビティと言う人もいるが)ここが決定されたことをプレイしない意味が存在しないように設計されている世界である以上、最終的にはそれが期待されることであり、またそうする以外にないからだ。これはそのための機能にちがいないと。

    というふうにしたらあまり実験とかしなくていい感じにできるかもしれない。たぶん。

  • Irresistible:
    The Rise of Addictive Technology and the Business of Keeping Us Hooked
    https://www.diamond.co.jp/book/9784478067307.html ,
    https://diamond.jp/category/s-Irresistible

  • この一冊僕らはそれに抵抗できない アダム・オルター著 行動経済学から依存症分析
    2019/9/28付日本経済新聞 朝刊

    本書は、米アップルの創業者、スティーブ・ジョブズが自分の子どもたちにiPadを使わせていなかったというエピソードから始まる。現代人のゲームやSNS(交流サイト)、スマートフォンへの依存が語られるようになって久しいが、このような「行動嗜癖」は人口の40%にものぼり、ごく一般的な症状として世界にまん延している。こうしたデバイスやソフトウエアには、依存症をつくりだすためのどのような仕掛けがあるのだろうか。そのための6つのテクニックを詳しく記している。







    第1は具体的な小さな「目標」を与えること。スマートウォッチで運動量を表示する仕組みはユーザーを目標に依存させるための仕掛けなのだ。第2は「フィードバック」。人間は得られるかどうかわからないフィードバックを求めてやまない。フェイスブックで「いいね!」を求めるのはこの心理に基づく。3番目は「進歩の実感」。任天堂のスーパーマリオブラザーズが成功したのは、ビギナーもマニアも低いハードルから高いハードルまで、達成していく実感を提供したことにあった。


    4つ目は「難易度のエスカレート」。危険な山に登る人が絶えないように、難しい課題にチャレンジして興奮を味わいたい気持ちを我々はもっている。ゲーム「テトリス」が成功したのは上達していく自分が心地よいからだ。5つ目は「クリフハンガー」。崖っぷち状態に人を置くことで、人をひきつけるやり方だ。人気のテレビドラマでは、予期できない小さな筋立てに視聴者はドキドキし続けて快感を覚える。


    6番目は「社会的相互作用」。インスタグラムがそうであるように、自分の写真を公開することで、どのように他人から見られているかを気にする気持ちを満足させることができる。人間はネガティブなコメントをポジティブなそれよりも気にする傾向があるために、より念入りに加工した写真をアップしたくなる。


    本書は行動経済学に裏打ちされた豊富な事例と読みやすい文体で、現代の依存症のあり方とその背景を解き明かしている。本書は依存症を治そうとしている人、また、あらたな依存症をつくりだそうとたくらむ人、両者に有用な知見を提供している。




    《評》中央大学教授


    田中 洋




    原題=IRRESISTIBLE


    (上原裕美子訳、ダイヤモンド社・1800円)


    ▼著者は米ニューヨーク大スターン・スクール・オブ・ビジネスの准教授。著書に『心理学が教える人生のヒント』など。

  • 依存症は薬物・アルコールといった物質依存だけを指す言葉ではない。精神病理に依存症はあるが、本書ではスマホ依存といった、現代のテクノロジーが引き起こす行動嗜癖についてがテーマです。スマホの普及で人の行動嗜癖だが深刻化してういる。それがどのように深刻化していて、どういう症状を引き起こしているか、具体的に依存患者を紹介しながら、行動嗜癖のもつ弊害を教えてくれます。
    「依存症とは、本人がそうなりやすい性格かどうか、ということだけで語られる問題ではなく、ただ弱いから依存症になるわけではない。倫理観が欠如しているからでもない。多くの場合はただ不運だということが原因。」
    スマホゲーム、Eコマース、SNSがいかに人の欲望を刺激し、脅迫観念と脅迫行動を植え付けて、依存させるかをアプリ開発者は意図して研究し設計されているということが知れた。
    リテラシーを持つことって大切だとあらためて思った。

  • ジョブズが自分の子どもにiPadを使わせていない、というのがショックで、図書館で借りてざっと読んでみた。
    記憶に残った箇所をピックアップ。

    第2章 僕らはみんな依存症
    ・ベトナム帰還兵の奇跡の回復の真相―依存症は記憶に埋め込まれる
    →ヘロイン中毒になってもわずか5%しか再発しなかったのは、薬物に身をゆだねてしまったベトナムという環境に戻ることはなく、新しい生活をスタートさせていたから。とのこと。

    第10章 予防はできるだけ早期に
    軽めの依存症への有効打はあるか?―「動機付け面接」というアプローチ
    →せねばならない!ではなく、何かお手伝いできるか?というアプローチで、子ども自らが本人の意思で変化を促すこと。

    第12章 ゲーミフィケーション
    ・「ゲーミフィケーション」成功の3つのポイント
    →ゲームではないことをゲームにしてしまうこと。3つの要素は、ポイント制、バッジ、ランキング表とのこと。
    ・研修をゲーム化すると、仕事のパフォーマンスも定着率も向上する
    →仕事や体験が退屈であるときに、ゲームかすると効果が高いとのこと。仕事に対する自信と意欲が20%も上昇したそうな。

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