僕らはそれに抵抗できない 「依存症ビジネス」のつくられかた

  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478067307

感想・レビュー・書評

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  • 自身はSNSでの投稿もゲームもやらないが、それでも読書をしていた筈がいつの間にか食べログを見ていたことも再三。
    本書は、ネット、SNS時代の依存症をテーマにした本だが、依存症そのものを幅広く題材にしているため深みがあった。
    我々の時間を奪おうと虎視眈々と狙う企業に意思の力で対抗するのはいかに難しいことか。原始的だがスマホを手元から離す、電源を切る。物理的な遮断が結局は有効なようだ。

  • 「行動嗜癖」という、どうして人は依存するかについて書かれている本。
    企業が私たちの依存性につけ入って仕掛けた罠に掛からないためにはどうしたらいいか等が書かれているが、逆にどのようにしたら人に夢中にさせられる仕組みを作れるかというアイデアを生み出すヒントになる一冊だと感じた。
    数人の部下を持つ私としては、この本の目標管理の仕方によって部下を仕事に夢中にさせる方法論の勉強になったと感じた。

  • 行動嗜癖(こうどうしへき)。麻薬と同じ機序で、行動への依存症になってしまうこと。
    SNSを見続ける、ゲームにハマりする等で、日常生活に支障を来たす状態。

    ブクログでも、いいねが欲しくて感想を書いてしまっているのか!?自分は、と少しビビるも、読み終わった感想やら備忘録を残すだけなので、そうでもないな、と。

    思春期や10代後半だけがゲームへの行動嗜癖になっているだけでなく、スマホを眺める、という行動には老若男女、誰でもこれになってしまうリスクがある、ということに戦慄した。

  • 主に行動嗜癖を誘発させるような設計のされたデバイスやアプリなどの仕組みを解説している。
    便利な機械とは適度に距離をとる、適度に使いづらいほうが長期的にみると自分のためになるということだろうか。

  • 人が物事に依存する原因を、過去の実験や有識者によるインタビューをもとに解説し、どう対応すべきか提示している。

    以前は【薬物・酒・たばこ】といった物質的依存が主であったが、現代においては【SNS・ソシャゲ・VOD】といった行動的依存に警鐘を鳴らしている(本書では行動嗜癖と言っている)。

    テクノロジーが身近になった故に、僕らはそれに(安易に)抵抗できないのだ。例えば、Netflixが仕掛ける「ビンジウォッチング」について言及している(海外ドラマなど、次のエピソードを自動再生して、2~6話一気見させる仕組み)。この章だけでも、本書を読んだかいがあったと思える。これらの依存ビジネスが、生活のあらゆるシーンに潜んでいることに、ハッとさせられたからだ。

    便利な現代において、テクノロジーといかに適切な距離で付き合っていくか。リテラシを見つめなおす良い機会となった。近い将来、より没入感の高いVRやAR、MRなどがメインストリームとなったとき、GAFA、とりわけFacebookがオキュラスをどのような怪物に育て上げ、我々の目の前にお披露目するのか。僕らは、目をキラキラさせながらも、俯瞰した厳しい目で見守る姿勢が必要なのかもしれない。

  • 依存症は誰でもかかる。意思のチカラは何の役にも立たない。不安や心配から一時的に逃れられた経験は依存の引き金になる。依存に伴う物質の摂取や行動嗜癖は仮に命の危険があったとしても止められない。否認(「私は●●ではない」)は回復の妨げになるだけ。依存してしまう環境から離れる。害がないむしろ益になるものに対象を変える。
     根本的な解決には「アドラー心理学」もしくは「嫌われる勇気」が役に立つ。①課題の分離:共依存であるかどうかの見極めの基準となる/縦のつながりから横のつながりに関係性を転換できる、②共同体感覚:白黒思考ではなく自己受容・他者理解・他者貢献という新しい価値観を持てる、③過去や未来ではなく今に集中する。

  • メール、ゲーム、活動量計。様々な中毒に対して解説をしている本。
    メールが6秒待てないとは大部分の日本人に当てはまるかもしれませんね。




  • 依存症はドラッグやアルコール、タバコなどに発生するだけのものではない。恋愛やランニングなどどのような行動でも条件が整えば発現する

    好きであることと欲しい事は全く別物で好きでもないのに欲しがってしまうものがいわゆる依存。健康に悪いと分かってお酒を飲んでしまう。肥満を気にしながら甘いお菓子を食べてしまう。など


    デジタルデバイスは依存性商品。スティーブ・ジョブズは自分の子供にデジタルデバイスの利用を制限していた。

    Instagramの開発者:自分の仕事は依存症製造機の開発

    依存症は主に環境と状況によって引き起こされる。

    新しい依存症は物質の摂取を伴わない。

    物質依存から行動依存へ。

    依存症を指すアディクション(addiction )の語源は「奴隷となる宣言を受ける」

    フロイトはコカイン中毒だった

    ベトナム戦争では何千人と言うアメリカ映画数週間、数ヶ月、ときには数年も、ただ待機するだけの時間を過ごしていた。
    →待機時間の暇つぶしでヘロインを摂取し中毒者続発。

    快感回路を刺激する電流の虜になったネズミやサル
    →サルは依存引き起こす環境から引き剥がすと正常に
    →依存の改善は環境・状況から。

    依存からの脱却。自分はもう治った、だから前言ってたことを再開できると思った時が一番危ない

    依存は本人の意思の強さや性格、倫理観の有無だけでは説明ができない。単にそれに触れてしまうかどうか。

    デジタルデバイス依存症からの睡眠不足
    ブルーライトは昼間にしか存在しないものだった

    快感状態が続いたときに脳がする事は2つ:
    1つは多幸感を放出するドーパミンの量を少なくすること(摂取量の強化が必要)
    もう一つはドーパミン生成量が少なくなった状態への対処方法を必死に探すこと。(依存を引き起こす行動をしていないときの行動にも影響 )

    依存症とは人物と体験との関連性
    他人に薬物や行動を強要されるだけでは依存の条件を満たさない。何らかの物質や行動自体が心理的な苦痛をやら和らげる手段としてそれを利用することを学んでしまったときに依存する。

    恋をする人は天然のドラッグでハイになっている

    好きであると言う事、と、欲しい事は別物である。好きでもないけど欲しがってしまうものがあればそれは依存。
    ファストアンドスローのシステム1が後者、2が前者かな

    現代は目標追求文化の時代。目標追求と言う言葉が本に本に爆発的に登場するようになったのは1950年から。生き残ること以外の様々なことが人の目標として掲げられる。未読を0にせずにはいられないのも一種の目標の引力
    数値、いいね通知、

    マラソン:きりのいいタイムのゴール者が露骨に多い→目標設定は人を動かす

    目標を目指すと言う行為は成功の果実を味わう時間よりも目標を追いかけている時間の方が長い。目標追求は人を慢性的な敗北状態にする

    フィードバック→自分がしたことに反応がある

    ボタンを押すとエサが出る仕組みを使った動物実験。ボタンの押下とエサが完全にリンクしたパターンより、時々ボタンをおさしてもエサが出ないにするといっぱいボタンを押す→ガチャやん。

    「いいね」は電子ドラッグ、sns会社は合法ドラッグ屋さん

    穏やかな心地よさが続くとそれを適量の苦痛で打ち破る行動を取るという実験結果。
    →ずっと成功し続けるより敗北、困難、苦難がある程度の範囲で必要。

    ゾーン(フロー ):適度な難易度とスキル、没頭

    「あとちょっとで勝てるという体験が、人の心に火をつける」→投機もゲームも当てはまるな

    クリフハンガー、ツァイガルニク効果
    →100日後に死ぬワニ、漫画の伏線の魔力はこれか

    純粋な意志の力で依存症を克服することは不可能
    意思による抑制をするほど、反動がくる
    →解決策:誘惑を手元に置かない。思考の対象を別に移す(アイスクリームでは無く赤い車 )
    やはり別のものと差し替える(タバコの代わりにニコチンガム )

    習慣は三つの要素で構成:
    合図(きっかけ )、儀式(行動そのもの )、報酬
    →儀式を変えていく

    Facebookができない
    Facebookをやらない
    →後者の方が宣言を達成できる。意志を持った発言。

    ゲーミフィケーションの三つの要素
    ・ポイント制、バッジがある、ランキング

  • 個人的には子供がいる人、子供ができる親になる10代に読んでほしいぐらい。今のデジタルネイティブのテクノロジーとの付き合い方の参考になるでしょう。今ですら依存症気味でまともにコミュニケーションできなくて性犯罪起こす奴の予防につながると思う。小さい時から触れすぎると脳が

  • なるほど!
    と納得できた。

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