IoTの衝撃―――競合が変わる、ビジネスモデルが変わる (Harvard Business Review Press)

制作 : DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部 
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478100882

感想・レビュー・書評

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  • 先見の書として、IOTがモノづくりにどういうインパクトを与えるのかがかたられる。
    概念的で、抽象的なのでイメージするのに疲れる。ところどころにある図表が手がかりでした。
    二、三章は、巨匠マイケル・ポーターの論です。

    第一章 IoTという新たな産業革命
    ITの活用によって価格が低下するが、品質管理、知的財産権、製造物責任の課題が発生する

    第二章 IoT時代の競争戦略
    モニタリング、制御、最適化、自律性の四段階で、スマート製品の利便性が高まっていく。そのことが、参入障壁や代替製品に影響を与えてゆく。

    第三章 IoT時代の製造業
    新しいテクノロジースタック、データから新しい価値を創造する、新しい組織形態、という三つの概念図が、示されて新しいビジネスモデルと組織の説明がなされる。

    第四章 GEが目指すインダストリアル・インターネット
    取引ベース、顧客ベース、広範な顧客の成果ベースというサービスレベルの進化と、新しい収益モデルとリスクが提示される。

    第五章 データは誰のものか
    プライバシーと、データの多量収集の功罪を問う。

  • HBRのIoT特集。かの有名なポーターさんがIoT時代の戦略について寄稿しています(もちろん5Forces分析付きで)。テクノロジーのビジネスへの適用のヒントがあるかもしれません。
    続きはこちら↓
    https://flying-bookjunkie.blogspot.com/2019/10/iot.html
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  • 2回程時間をおいて読みました。
    初めて読んだ時は、あまり身になっていなかったと思います。刊行から2年して読み直してみると、現実の世界も日進月歩でIoT化が進み、実感できる部分や今自分が取り組んでいることが本書に書かれている内容に沿ってやっているような印象を受けました。やはりポーター教授はすごい!
    職場で部下にも進めています。

  • 【IoTの本質を探る】
    IoTの本質を探るために読んだ本。インターネットの本質は「中抜き」だが、モノのインターネットに関しても本質の中に「中抜き」があることがわかった。

    製品の販売、修理で稼いでいる企業がモノのインターネット、IoTによりサービサーになる。故障する前にあらかじめ交換するなど、稼働率が上がるような仕組みが構築されると、修理を行っていた委託会社は中抜きされる、など。

    随所にある図が良い。もう1〜2回くらいは斜め読みして、本質を探りたい。

  • IoTの衝撃 ハーバートビジネスレビュー


    IoTの衝撃の最たるものとして、企業が売るものがモノからコト(サービス)に代わっていくということである。もともと製造業は商品を製造することが中心だったが、商品同士が繋がり、接続可能になっていくにつれて売るモノ自体の意味は薄まり、継続的なアップグレードや業界を横断した複合的なシステムの構築に中心が変化していく。このような変化の中で、企業内部の形も変化していくと考えられる。主に、続々と生まれる新規データの管理や、商品のアプグレードを中心とした半永久的に続く顧客との関係性のマネジメントである。ポーターは早急にデータの統合的管理を行う部門と顧客成功部門と名付ける顧客に対する効用をリアルタイムで図り、最適化を促すことを専門とした部署が必要になると訴える。断片的なデータを結び付けることや、顧客との半永久的な関係性をマネジメントすることが人の行うことであり、製造業においてすら第三次産業的な側面が強化されていくとポーターは見ている。個人的な感想として、最適化が技術的に可能になった市場では、先に顧客を得た企業がデータを継続的に獲得し、他社よりも最適なアップグレードや提案が可能になるという点で、顧客側に他を試す動機が働きにくくなり、参入障壁が高くなると予想できる。そうなった場合、まさしく先手必勝の市場であり、既に顧客とのデータを持つ企業がより強くなる。最適化を重ねることで、資源の分配におけるムダは軽減できるとは思うが、市場としては独占・寡占化が進むのではないかと思う。第一次世界大戦前の巨大財閥企業が跋扈する状況が、舞台を世界にして展開されるのではないか。ナショナリズムこそないため、国家的な戦争が起こるとは思えないが、そうであるからこそ国家という存在の賞味期限が切れるとも考えらえる。国家というものの寿命が長くないように思えるが、最低限の社会的包摂機能を少なくとも営利目的を持たないどこかに担保した状態で国家が消滅してはならない。中世・近世的な、国家ではなく宗教を基盤にしたISISのような共同体が、企業を母体として出来る可能性も払しょくできない上に、むしろ国家によらず既に宗教的な母体を持つ共同体の方が、時代の流れに遅れることなく新たな共同体へとアップグレードされる可能性すらある。
    最後のペントランドのインタヴューも面白かった。データ銀行という構想はとてもユニークで面白い。

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