リーダーの仮面 ── 「いちプレーヤー」から「マネジャー」に頭を切り替える思考法
- ダイヤモンド社 (2020年11月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478110515
感想・レビュー・書評
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プレーヤーからマネジャーになってすぐのビジネスマンを対象に、いかにいいマネジャーになるためにどのように考え方を変えていくべきかを説いた一冊。
この思考法を「リーダーの仮面」と表現しています。文中で登場する「仮面をかぶる」という言い方が出てきますが、至極当たり前のことを主張しているように感じます。
昨今、コーチングやサーバントリーダーシップのように、新たなマネジメント手法や考え方が注目されています。それは時代の要請という側面があるわけですが、それが正しいマネジメントに繋がっているのかと問われれば確信がありません。
特にマネジャー初心者にとっては、著者の言う感情を横におき、後述する「5つのポイント」に絞ったマネジメントの有効性が見えてくると思います。
マネジャー初心者に限らず、マネジメントの基本をおさえるために、手にとっていただきたい一冊です。
「たしかに、人を人とは思っていません。ただそれは、「人を人と思って組織運営すると、人のためにならない」とわかっているからです。いったん人として扱うのをやめたほうが、人はむしろ成長するという逆説的な真実があるのです。」
▼「識学」=組織内の誤解や錯覚がどのように発生し、どうすれば解決できるか、その方法を明らかにした学問
▼「プレーヤーとして優秀だった人であればあるほど、リーダーとして失敗するリスクを抱えている」
▼リーダーの失敗の2つのパターン
①手取り足取り指導する人
②部下についてこさせようとする人
▼リーダーがフォーカスすべき「5つのポイント」:「ルール」「位置」「利益」「結果」「成長」
リーダーとしてどう振る舞えばいいか迷うとき、この5つに立ち返る
▼リーダーには、リーダーの役割を果たすための仮面がある。
「仮面をかぶる」→ペルソナを使い分けて人間関係の問題をなくしている
▼「5つのポイント」にフォーカスしてマネジメントを見直す
①「ルール」→場の空気ではなく、言語化されたルールをつくる
②「位置」→対等ではなく、上下の立場からコミュニケーションする
③「利益」→人間的な魅力ではなく、利益の有無で人を動かす
④「結果」→プロセスを評価するのではなく、結果だけを見る
⑤「成長」→目の前の成長ではなく、未来の成長を選ぶ
<目次>
はじめに なぜ、「リーダーの言動」が大事なのか?
序章 リーダーの仮面をかぶるための準備ー「鎖覚」の話
第1章 安心して信号を渡らせよー「ルール」の思考法
第2章 部下とは迷わず距離をとれー「位置」の思考法
第3章 大きなマンモスを狩りに行かせるー「利益」の思考法
第4章 褒められて伸びるタイプを生み出すなー「結果」の思考法
第5章 先頭の鳥が群れを引っ張っていくー「成長」の思考法
終章 リーダーの素顔詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
リーダー像と組織作り。
この立場に立つ人ならば、誰もが考える課題。
一番は、部下が成長し独り立ちする組織作り。
誰しも自分の栄光、さらには自尊心を大切にしたいもの
それはエゴでしかない。
会社の未来は若手のものだ。そのために尽力する。 -
まだ若手社員だが今後を見据えて読んでみた。
自分が思い描いていたリーダー像とはほぼ180度逆の事が書かれており衝撃を受けた。自分が思い描いていたのは社員のモチベーションを重視し雰囲気の良い職場作りができるリーダーだったが、これでは部下が育たずリーダーが抜けると組織がダメにタイプの有能風無能だと気付かされた。
良いリーダーとは単なる「良い人」ではなく、組織の未来、部下の成長を考え組織の利益を機械的に優先できる人物の事だと学んだ。
本書で学んだ5つのルールを念頭に今後励みたいと思う。 -
どんな姿勢で、どんな立ち位置で、どんな世界をイメージして、自分の役割を全うするか、かなぁ。人のことを思うからこそ、人と思わずマネジメントする(理解が違ってたら恥ずかしいな…)。まだまだ私は1人の人間として弱いなぁと思ったり、こういう風にみんなと接していこうと勉強になったり、いろいろ感じるポイントがあったので、今の私にはしっくりきた本だったなぁと思う。
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ルーティンワークやマニュアルに沿った業務、または営業などの目標が明確な仕事の部署の課長や部長であれば、この本の通りにすると、効率的なマネジメントをすることができるだろう。
しかし、常に新しいアイデアやブレイクスルーが求められたり、次々と前例の無い問題に対処しなければいけないような部署だと、すぐに機能不全に陥るのではないか。
なぜなら「○○はやらなくていい」と、本書で不要と切り捨てている中に、これらの通り一遍ではいかない問題の解決の切り口があるからだ。
目標が単純に分かりやすい仕事なら、そりゃあ、そのために不要と思われることをできるだけ切り捨てていった方が目標達成はしやすい。当たり前のことである。でもそれはマネジャーにとって「やりやすい」「簡単」な方法であって、様々な問題を部下に押し付けてしらんぷりしてるに過ぎない。
現在の自分の立場さえ上手くいけばそれでいい、と考えるイマドキのマネジャーにオススメの一冊だ。あなたの思いと行動を、「識学」というそれっぽい理論(オカルト)で正当化してくれるのだから。 -
今まさにプレーヤーからマネージメントになった人は、読んでおいて損のない本でした。リーダーはこうあるべきだ、特に現状のリモートワークでは親和性の高いマネージメント方法が記載されています。
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まだ未熟なプレーヤーですが、上司が求める上司の理想像を知りたいと思って手に取った。
実際、若手が読むと、上司がこう頼んでくるものだと認識し、いい意味でメンタルを鍛えられた。
•上司と部下の認識のズレを放っておかない。
•ルールを作って守らせる。
•報告を部下からするもの。(上司が聞いてはダメ)
•ほうれんそうで管理を増やす
•上司はプロセスに干渉しない
•褒めない。あくまでも業務はできて当たり前
正直筆者自身が厳しいところもあると思う。でも若手も読めば働き方が変わるだろう。
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プレーヤーからリーダーになる人をターゲットに描いた本ですが、プレーヤーにも役立つ本だと感じました。上司によるかもしれませんが、リーダーがプレーヤーに何を求めているか、またその為の行動が明確にわかります。
5つの項目をプレーヤーに守らせて、リーダーは『仮面をかぶる』ことをこの本で伝えています。この5つの項目は、サイコパス的、人間と思ってないなど、意見は分かれると思います。しかし、会社やリーダーの基本的な本質に立ち返ると、感情は邪魔になります。給料をもらう以上、利益を増やしていくことが仕事になります。
筆者の思考法を聞いていると、『出来そう』だと思いますが、実際自分の会社を想像しながら読んでみると、対人する時に生じる感情が自分の言動に影響するなと感じました。
その一方で、結果を出すこと、成長するためには、その感情はやはり足枷となります。目標に向けて取り組んだ結果と次どうすればもっと良くなるかを考えて行動し続けようと思います。報告書が日記のような感情の入ったものになっていたのは、図星です。
自分がリーダーになる時、そしてプレーヤーとして結果が出ない時などにまた読み返したい。 -
内容は中間管理職の立場の人、新人管理職向けでした。ただ自分が誰かをまとめる立場となった場合に、役立つと思った。
チームの育成や部下の育成をするタイミングで、読み直すといい本だと思う。