- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478117477
作品紹介・あらすじ
前著『幸福の「資本」論』にて、幸福を「金融資本(資産)」「人的資本」「社会資本」の3つの資本で定義づけし、「幸福な人生」のモデルを提示した著者・橘玲氏。
今回は、「幸福」な人生を最適、効率的に達成するための「成功」へのアプローチについて「合理性」という横軸を3つの資本に加えることで新機軸を打ち出した。
人生はトレードオフの連続でそれ故に選択が重要になる。同じ成果ならリスクが少ないがよいという「リスパ」など魅力的なキーワードを配しながら、制約の多い現代社会を生きていく上での「合理性」と「幸福」について追及する書籍。
感想・レビュー・書評
-
これまで多くの著書で、鋭い見解を発表している著者が、合理性をキーワードに、人生をどのように設計していくかを述べた一冊。
前著で、幸福を客観的に定義するため、幸福の土台を「金融資本」「人的資本」「社会資本」の3つで説明し、すべて満たしていると幸福だとし、それぞれの成功法則を解説しています。
合理性を「投入した資源(リソース)に対してより多くの利益(リターン)を得ること」と定義した上で、成功するために、人生の土台を合理的に設計するにはどうしたらいいかを説明しています。
これまでの著書と同様、言いにくいことはっきり言うスタイルであり、実践するのは難しい面もありますが、人生の1つの指針として意識していきたいと思います。
▼本書では、もっともシンプルな成功法則を提案したい。それが「合理性」だ
▼日本人は合理性を憎んでいる。だからこそ、合理的に生きることが成功法則になる
<目次>
プロローグ 成功するためには、人生の土台を合理的に設計せよ
PART1 『理論編』合理性の基礎知識
1 コスパ・リスパ・タイパ
2 睡眠と散歩は最強の自己啓発
3 進化論的合理性と論理的合理性
4 成功に至る意思決定
PART2 【実践編】合理的に人生を設計するための戦略
5 3つの資本と8つのパターン
6 金融資本の成功法則
◎お金と幸福の関係をあらためて考える
◎ビットコイン、FX、株式投資について知っておくべきこと
◎マイホームと保険をどう考えるか
7 人的資本の成功法則
◎優秀なライバルに勝つためのシンプルな戦略
◎バイオリンの天才児はなぜデリヘルドライバーになったのか
◎生き物たちの進化が成功法則を教えてくれる
8 社会資本の成功法則
◎「あなたは5人の友だちの平均」ルール
◎ネットワークの科学が教える成功法則
エピローグ シンプルで合理的な「成功のライフスタイル」
あとがき 日本人は合理性を憎んでいる。だからこそ、合理的に生きることが成功法則になる詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【合理的がいいのか?】
社会が複雑になればなるほどニッチ(パイの小さ)な世界が広がっていくことはよくわかります。
自分自身を見ているとよくわかるのですが、テレビを見ることがなくなりました。BGM代わりに付けていることはありますが、見ているという感覚はありません。
逆にYoutubeはよく見るようになりました。
かなりニッチな世界です。登録者数数千人の世界です。
経済的な成功はライバルがいない世界で生きることになると思いますが、全くの独りぼっちでは意味がありません。
このあたりはニーズに合わせて変化させていく感覚が必要です。
ある程度は独りよがりで好きな事をすればいいのですが、世間の反応を全く無視した方向は成り立たないということです。
しかし、かなりの部分で独自の世界が認められる状況にはなっています。
一般受けしない、マニアと呼ばれる世界に価値がある状態です。
マニア、ニッチ、少数派などは、わたし自身がもっとも好きな世界でもあります。
万人受けする方が気持ち悪いと思っています。 -
2023.03.19
筆者も述べているとおりである。「私とはパーソナリティが異なる人には「役に立たない」と思われるかもしれないがご容赦いただきたい。」
こういう本は「万人に共通する真理」を書いてあるわけがない。
そのことを自覚して読むことが肝要である。少なくとも私にとっては自分のモヤモヤしていることを説明してくれる内容であり、強く同意する。
残念なのは、わたしはいい歳になってしまっているので、この本に述べられる「合理的な」人生設計をするには少しばかり遅いということ。
しかし、人生100年時代、遅すぎるということはないと信じたい。この本をすべて丸呑みするのではなく、自分にとって使えることをつまんで有効に活用しよう。 -
幸せになりたければ長期的に得できるものを選択していく必要あり。映画もそうだが、序盤が無茶苦茶でもハッピーエンドならスッキリする、人生も4000週間という限られた時間の中で、後半戦の幸福度を上げなければ。
終わりよければすべてよし。 -
人生において、”選択は累積する”ので、良い選択をしていけるようにしないといけない。
FIREすれば人的資本を毀損してしまうので、私も夢に見ているがやっぱり働いていたいなと認識できた。 -
自由に生きるためには、人生の土台を合理的に設計せよと説く本。
1日は24時間ではなく10時間しかない。
幸福とは自分の人生を良い物語として自分や他人に語れること。
複雑系の世界では最適な選択等は存在せず、妥当なものしかない。
【関連書籍】
幸福の資本論、エッセンシャル思考、スマホ脳、筋トレが最強のソリューションである、進化しすぎだ脳 -
幸福の定義を金融資本、社会的資本、人的資本、によるものだとして描く人生設計。
どこかで読んだことある話の寄せ集め(もちろん注釈付き)だけど、(だからこそ?)色々なことがおさらいできる。
特に顔と名前が一致する限界値が150人、親しい友達は5人、というのは今回の私のよき確認ポイント。
最近人の名前と顔が覚えられないと嘆いていたけど仕方ない、出会う人が多すぎるのだ。
子どもにも読ませたい1冊。
#ブックサンタ
-
この人の本は、気持ちいいくらいに社会の不合理さを言語化していて、エビデンスもきっちりしている。
合理的に生きる方法を、様々な論点から書かれているが、最後のこの言葉に行き着いたのはちょっとおもしろかった笑
いや、面白いというより、「人生の深み」的なものを再認識することができた。
「どれほど合理的に人生を設計しても、それでも不合理なことはしばしば起きる。
それが人生だし、だからこそ面白いのだろう」
これは何回も読み返すべき本。 -
私自身も大好きな「合理的」という言葉(笑)
タイトル名である「シンプルで合理的な人生設計」
という私の心を響かせる単語ばかりで読まずにはいられなかった本です。
読んでみて…
著者のあとがきが2ページくらいがこの本の言いたいことかと思いました。
私も読み進めながら「合理的」に生きるって、
シンプルに生きるって、そんな人間簡単にできてないなと思い知らされました…
著者も言及してますが、
「合理的」を深堀している内容で、
私の求めている答えは出ませんでしたが(もともと期待もしてなかったのですが…)、それでも面白かったです。
あらためて、「合理的な人生」について考える良い機会になりました。 -
一言で言って、非常に残念な本。
ページ数にして約350ページとややボリュームも多いところに来て、何が言いたいかさっぱりわからない。
また、文体もなぜか外国書籍の日本語訳のようなスタイルで、私の嫌いな文体であった点も、この嫌な感じを助長した。
本書はページ数が多いだけあって、心理学や哲学からサブカルチャーまでかなり広範な事例や作品などが紹介され、それらに対する著者の論評が続く。
紹介されているエピソードそのものは、それぞれ単独でみれば読んでいて面白い部分もあるにはある。
たとえば、AV女優や風俗嬢の職業選択には、一定の経済合理性があるという指摘など。
それゆえ、このつまらない本を途中で投げ出さず、とりあえず我慢して最後まで読み通せたのだと思う。
しかし、それらの話しが全体として有機的に結びつかず、結局何が言いたくてその話しを持ち出したのか、またそれぞれのエピソードとの関連性などが判然としない。
本来、著者の主張や言いたいことは、タイトルに表われているはずであり、またそうあるべきだと思うが、本書の内容がこれでは、『シンプルで合理的な』とは真逆の内容になっており、これは皮肉としか言いようがない。