フリーエージェント社会の到来―「雇われない生き方」は何を変えるか

制作 : Daniel H. Pink  池村 千秋 
  • ダイヤモンド社
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レビュー : 160
  • Amazon.co.jp ・本 (394ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478190449

感想・レビュー・書評

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  • 個の時代ということがどういうことか、より深く知ることができた。

    フリーエージェントの労働倫理の構成要素
    自由、自分らしさ、責任、自分なりの成功
    「成功したと言えるのは、朝起きて、やりたいことをやれる人だ」byボブ・ディラン

    フリーエージェントという働き方の出現の背景
    1.従来の労使関係の崩壊
    2.生産手段が小型・安価になった
    3.仕事にやりがいを求めるようになった
    4.組織の寿命より人の寿命のほうが長くなった

    フリーランスと臨時社員とミニ起業家の三種類になる

    税制、医療保険の古い制度が足かせに

    大企業とミニ企業が主役になり、中堅企業は淘汰される

    縦のつながりから横のつながりに
    FANクラブ
    起業家ネットワーク
    同窓会グループ
    信頼が支えるシステム

    個人が株式を発行する
    FAN債→証券化

    eリタイア

    日本の状況
    出版、広告といった一部の分野で進む

    コネクション、同窓会、保護者会、NPO活動など、なんでも活用して、社外に話し合える仲間や話しあう場を作ること。そこで他人の話をよく聞くこと

    非正規労働者の組織化、その状況の情報公開が必要

    マイクロファイナンス、臨時社員の権利特典

    ジャストインタイム方式を政治の世界に
    ビル・クリントンが達人だった

    高校はなくなる
    自分で学ぶ力をつける
    学生の交流相手は年代、地域ともに広がる
    地域活性化

  •  なんか、積ん読していると、なにかしら、本の方から読んで欲しいなというオーラが見えてくる。

     別に理由もなく、そのオーラに惹かれて読了。

     ダニエル・ピンクは、労働長官のスピーチライターをしていて独立。この本は、2002年に書かれたことに注意する必要がある。

     長い不況と欧州金融危機のときに、FAになるのは相当勇気がいる。

     例えば、日本だったら、こんな切り口でFAが進まないか。

    ①60歳の退職年齢が結構早いし、これからの退職者はさすがにパソコンもインターネットも使えるので、長年のネットワークをつかってFA化する?

    ②女性のガラスの天井は、役所以外には根強いようなので、女性で卓越した能力がある人は、子育てを機会にFA化する?

    ③1990年代に正社員になれなかった、30代のフリーターが実力をつけてFA化する?

     アメリカでは大問題の医療保険が日本の場合、一応皆保険で問題がないのは、一つハードルを下げている。

     しかし、いずれにしても、組織の枠にとらわれずに、人にかってもらえるような、能力をつけておくことが大前提。

  • フリーエージェントとして社会に啓蒙を与える活動を
    続けているダニエル・ピンク。
    彼がいまから10年前、2001年に発表した超力作である。

    原題は
    「Free Agent Nation
     The Future of Working for Yourself」
    私なりに意訳すると
    「自立したビジネスパーソンとして働く、生きる時代」
    といったところだろうか。

    サラリーマンが読むと、自分が思い込んでいた常識が
    ボロボロと剥がれ落ちていく。
    ほんとに、その音が聞こえるかのごとくに。

    たとえば
    「会社に労働を保障してもらわないと、
     普通の人は生きていけない。
     プロなんてのは一部のアスリートくらいのもの。」
    というような概念が常識だとしたら、
    本書はロジカルかつエモーショナルな語り口で
    それを完璧に破壊してくれる。

    2001年の時点で、著者の調べるところでは4人に1人は
    フリーエージェントだという。
    じゃあもう、「ごく一部」などとは言えない。
    さらにさらに、それから10年経った今はどれくらいだろう。1/3? 半分?

    どうしてフリーエージェントが加速するのか?
    思うに、理由はたぶんいろいろある。

    ・経済の成熟化に伴い、右肩上がりの企業が社員の生活を保障する、
     というモデルが崩壊した(日本にも見事に当てはまる)
    ・大量生産消費時代が終わり、モノやサービスは付加価値がなくては
     顧客に強く支持されない時代になった。その付加価値をつけるのは、
     極めて人間的なクリエイティビティである
     (これは著者の「ハイ・コンセプトの時代」に大いに関連する)。
     したがって、個人が有機的に繋がってプロジェクトを動かす
     フリーエージェントという働き方が、そのビジネスにフィットする。
    ・ITが進歩し、普及し、安価に、容易になったことで、
     個人でも十分なビジネス環境や設備が持てるようになった。

    これらは、たとえば内田和成さんが著書「異業種競争戦略」で
    語る現代のビジネス状況ということとも大いにリンクしていると思う。

    20世紀までは、「フツウのヒト」は会社に依存するのが「安定」を得る
    最良選択肢だと思われていた。会社も、小さいより大きいほうがいい。

    21世紀は、少なくとも先進国では「フツウのヒト(無個性)」では
    会社に依存した安定を得ることはできない。
    なぜなら、ビジネスがどう転んでいくかまるで分からないし、会社が
    個人を守ってくれる可能性はどんどん小さくなっている。

    逆に、高い付加価値をつけられる「ユニークなヒト」は
    ますます需要が高まっていく。
    そういう人は、もちろん大企業で働いてもいいし、独立個人で働いてもいいし、
    その間を行ったりきたりとか、両方に足を突っ込んだりとか、
    なんでもできる。

    著者は15章「テーラーメイド主義の教育」で、
    義務教育という「品質保証書」を出すだけの教育は終わっていくだろうと語る。
    私もそう思う、というか、終わらないといけない。

    が、日本を眺めてみると、それを加速させるような雰囲気がまるで見当たらない。
    相変わらず「受験予備校」は人気だし「偏差値」が評価される。
    一方で大学のAO入試では「基礎学力が下がりすぎた」と評されていたりする。
    結局これは、「これから価値を生む働き方」の社会的合意がまるでなくて、
    行き当たりばったりだからいろいろと変なズレが出ているように思うのだ。

    うーむ・・・どうしたものか。

    -------------------------------------

    目次、レビューなど。

    http://www.tez.com/review/k200206.htm

  • 自身のキャリアのヒントにするという点ではつまみ食い程度に読めばいいかな。

  • フリーエージェント、つまり組織に依存せず独立した個人が仕事をする社会についてのリポートと、未来予測について書いた本

    目次
    <blockquote>第1部 フリーエージェント時代の幕開け
    第2部 働き方の新たな常識
    第3部 組織に縛られない生き方
    第4部 フリーエージェントを妨げるもの
    第5部 未来の社会はこう変わる
    </blockquote>
    非常に面白い本だ。内容ではないが、各章の最後にまとめページが付いている。
    コレだけ読めば早く読めてしまうだろうなぁ……読書メモが不要なくらい。

    さて、内容。要は個人がビジネスの一切を取り仕切る格好がどのようなものなのか、著者自身がアメリカ全土で調査を行ったレポートが書かれている。
    これを著書では「フリーエージェント」という言葉でまとめてしまってるのだが、
    フリーエージェントは、「フリーランス」、「臨時社員」、「ミニ企業家」の三種類に分かれる。
    これらの人々がフリーエージェントというやり方を選んだ背景には、

    ・旧来の会社システムの不備(常に安定した雇用ができない)
    ・技術の発展(インターネット、ビジネス用素材用店舗の充実化)
    ・仕事道の変化(金稼ぎから自己実現へ)
    ・高齢化(定年より永く働ける社会構造)

    という4つの柱がある。(人によっては望まざる選択もあるとは言っているが……)

    彼らは、ヨコの忠誠心と作業時間のコントロールという二つの武器を持つことで、有意義に活動している。
    ヨコの忠誠心とは、ゆるやかなネットワークの事を指し、同じような境遇のフリーエージェント同士がつながる利他的なコミュニティのことである。ネットであればmixiのようなSNSの仕組みが正にそうで、そのお互いに助け合うアプローチの中で、会社勤めでの同僚とのコミュニケーションの代替と、仕事の融通などを図っている。
    もう一つの作業時間のコントロールは、言葉のとおりで、自分の作業する時間を外から決められるのでなく、自分で決めてしまうスタイルのことである。ただし、時間のコントロールをミスると、生活のリズムを崩しかねないので、メリットだけがある訳ではないと思う。

    その一方で抵抗勢力もいるわけです。
    古い価値観との格差は、正にその一つでしょう。特に法律。
    法律は常に世の中の流れに取り残された格好になるが、ここでもやはり問題が起こる。
    個人がビジネスをするのに制約があったり、酷い場合では家で仕事をする事が違法になってしまう。
    この本はアメリカのケースが中心だが、日本でも恐らくそうだろう。昨今では事情が変わってきたものの、個人事業と法人事業の格差は大きい。世間体を見ても、よほどの実績がなければ、機会そのものが見当たらない。

    もう一つは「万年臨時社員」……ってこれは派遣の問題だろ?
    派遣にもピンキリあるが、ここで主に書かれているのは正社員と派遣との格差。
    派遣と言うと雇用の不安定が日本では問題視されるが、一方で安定的であっても賃金格差の問題があったりする。
    特に日本だと、賃金格差は年をとるたびに広がっていき、定年直前であっても、年収400万程度だという話もある。
    そのあたりはうーん……厳しいよなぁ……。

    そこから著者の主張が並ぶ
    <blockquote>フリーエージェントの時代には、様々な形で「脱学校」が進む。学校での義務教育は次第に廃れて、多様な教育の形態が生まれる。
    </blockquote>
    確かに、義務教育は、工場労働者的な、みんなが同じことをする仕事には向いた教育法だったのだろう。
    今、日本でも教育については紛糾しているが、義務教育とは違う多様な教育の形態は生まれるのだろうか?
    そのあたり、この本を読んでても疑問視してる。

    あとは、資金調達、オフィス、政治……とあるが、ちょっとこの部分だけはイマイチ納得がいかない。
    多分、フリーエージェントという仕組みが過去に例のないものだから、今のシステムに組み込みづらいのだろう。
    頭に概念が入ってこないんだと思う。

    一方で、この自由な働き方が誰でも可能であるとも思えない。
    この本の初版は2001年。そこから去年まではアメリカは好景気だったわけで、このような働き方をする人が増えやすかった……ともいえる。しかし、この不況で同じように働く事はできるのだろうか?
    全くゼロではないと思う。個人であってもこの人ならば仕事を任せたい……そういうケースがゼロになるわけではないからだ。
    才能、技術、もしくは個人が作り上げたシステム……そういったものが源泉であるならば、可能だろう。
    但し、すぐにできるものでもないと思う。

    この生き方はすばらしいが、そこへ辿り着く為の努力も必要だ。しかし、この本だけではそれは示されていない。
    恐らくはフリーエージェント同士が交流する独自コミュニティ、仕事を持ってくる人脈、更に他の人にはない、オンリーワンなリソース(能力・技術)が必要なんだろう。
    できそうな気もするが、永い道のりのような気がする。

  • 1

  • 著者は、米上院議員の経済政策担当補佐官、労働長官の補佐官、副大統領の首席スピーチライターを務めた後、フリーエージェントになったダニエル・ピンク氏。ここでいうフリーエージェントとは(巻末解説を引用すると)、“「インターネットを使って、自宅でひとりで働き、組織の庇護を受けることなく自分の知恵だけを頼りに、独立していると同時に社会とつながっているビジネスを築き上げた」人々のことである。それは大別すると、フリーランス、臨時社員、そしてミニ起業家から構成される。“である。
    日本人にとってのイメージはプロ野球選手かもしれないけど、アメリカでは既に働き方のひとつの選択肢であって、就業者の4人に1人は何らかの意味でフリーエージェントであるという。本書は、そうした実態と展望を様々な角度から細かく調査・分析したもので、働き方とライフスタイルの新しい現実について論述されている。
    とまぁ、そういう内容なんだけど、感想としてはよく調べているなぁと。また、もっと早く(2002年4月発売日以前に)この本に出会いたいたかった、知っておきたかったと感じた。学生時分…いや、それまでに読んでおきべきだなと思った。就活中の学生にも是非といったところ。
    日本は遅れ気味…でもフリーエージェント社会の到来は必然であって、そのために自分はどうすればいいのかを考えなければならない。その考えるキッカケを得ることができる本なんだと思うわけです。まずはフリーエージェント社会について知る…で、頭が解れた後にいろいろ考えみようかなと(笑)。
    (過去の読書記録登録のため評価なし)

  • アメリカはとっくの昔にフリーエージェント社会になっていると思っていたのだが、意外にそうなったのは遅いことをこの本で知った。戦後は組織人の社会が長く、20世紀末にようやくフリーエージェント社会になったというのだ。
    この本は、そんなアメリカのフリーエージェント社会の実情を良く描いている本である。日本も遅ればせながら、フリーエージェント社会に近づきつつあると思う。最近はやりのノマドライフも、すでにこの本に十分に記述されていんた。ある意味パクリでは?と思ってしまうぐらいに。

  • すばらしい!目次に付け加えて要約を書く予定。

    目次
    第I部 フリーエージェント時代の幕開け
     第1章 組織人間の時代の終わり
     第2章 3300万人のフリーエージェントたち
     第3章 デジタルマルクス主義の登場

    第II部 働き方の新たな常識
     第4章 新しい労働倫理
     第5章 仕事のポートフォリオと分散投資
     第6章 仕事と時間の曖昧な関係

    第III部 組織に縛られない生き方
     第7章 人と人との結びつき
     第8章 互恵的な利他主義
     第9章 オフィスに代わる「第三の場所」
     第10章 仲介業者、エージェント、コーチ
     第11章 「自分サイズ」のライフスタイル

    第IV部 フリーエージェントを妨げるもの
     第12章 古い制度と現実のギャップ
     第13章 万年臨時社員と新しい労働運動

    第V部 未来の社会はこう変わる
     第14章 リタイヤからeリタイヤへ
     第15章 テイラーメード主義の教育
     第16章 生活空間と仕事場の緩やかな融合
     第17章 個人が株式を発行する
     第18章 ジャストインタイム政治
     第19章 ビジネス、キャリア、コミュニティーの未来像

    368
    大企業:「規模の経済」の恩恵を受ける企業はとほうもなく巨大化し、国家の規模に近づく。
    小企業:企業の小規模化もさらに進行し、フリーランスやミニ企業は増え続ける。
    中間の規模の企業:消滅したり、存在感が薄まっていく。

    「ひとつの企業の内部で取引を行ったほうがコストが安ければ、企業の規模は大きくなる傾向がある。
    オープンな市場で外部の独立した相手と取引をしたほうがコストが安ければ、企業の規模は小さいままだったり、さらに小型化する傾向がある。」
    MIT トム・マローンとロバート・ローバッチャー

    インターネットの普及により、企業と外部との取引は容易になった。その一方で、企業内のイントラネットのおかげで、巨大企業はその内部で取引を行えるようになった。

    ロナルド・コース
    「企業が仕事を下請けに出すのが容易になれば、多くの中小企業が活動できるようになる。そして、中小企業がたくさん存在すれば、一部の企業が大きくなることが可能なる。」
    中規模の企業は、このどちらかに移行しなければ、両者の間に広がる裂け目に落ち込んでしまう。

  • 【期待したもの】
    ・新しい版との違いを確認するだけ

    【要約】


    【ノート】


    【目次】

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著者プロフィール

Daniel H. Pink
1964年生まれ。米国ノースウエスタン大学卒業後、イェール大学ロースクールで法学博士号取得。米上院議員の経済政策担当補佐官を務めた後、クリントン政権下でゴア副大統領の首席スピーチライターなどを務める。フリーエージェント宣言後、経済変革やビジネス戦略についての講義を行うかたわら、「ワシントン・ポスト」「ニューヨーク・タイムズ」などに寄稿。著書に、『ハイ・コンセプト』(三笠書房)、『モチベーション3.0』『人を動かす、新たな3原則』(ともに講談社)など。

「2018年 『When 完璧なタイミングを科学する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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