幸福の政治経済学: 人々の幸せを促進するものは何か

  • ダイヤモンド社
3.50
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本棚登録 : 101
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478210420

作品紹介・あらすじ

従来の経済学では「幸福」は非科学的な概念とされてきた。しかし今では、政治学、心理学、社会学から得られた理論を統合することで、極めて説得力ある議論が可能となった。その最新の研究成果といえる本書では、所得、失業、インフレ、政治システムなどが幸福に与える影響を詳細に調べ、金銭的な充実のみが幸福を決めるのではなく、より進んだ民主的な政治体制こそが人々の幸福感を高めることを明らかにしている。市場原理主義の限界が叫ばれる昨今、我々が目指すべき方向を考える上でも、本書内容は極めて示唆に満ちている。

感想・レビュー・書評

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  • 幸福には経済面だけでなく、政治体制や政治への参加ができることが大切という話。

  • 2005年に出版された本になります。当時は「幸福の経済学」といっても関心を持つ人はあまりいなかったのではないかと思いますが、翻って2022年時点をみると(この書評執筆時)、世の中では「ウェルビーイング」ブーム真っ盛りと言えます。政府や企業は市民や従業員・お客様のウェルビーイングを向上させることこそが至上命題である、というような論調があちこちに散見されるようになりました。それをうけて経済学者が幸福(あるいは生活満足度)を解説している本も多く見られますが、本書はそのブームの先駆けとなる重要な書籍だと感じました。著者はスイスの大学に勤める経済学者ですが、特にスイス人を題材に幸福の背景を探ります。私が一番面白いと感じたのは、スイスの代名詞でもある直接投票制の幸福度へのインパクト分析でした。結論から言えば直接投票制は幸福度(生活満足度)にはプラスに効いているということで、自分が政治に参画しているという感覚の重要性を感じました。本書は経済学者による計量分析の結果を、そのような分析になじみのない人にもわかるように、ギリギリ解説されていると思いましたが、アカデミック論文のなじみがないと読みづらいかもしれません。いずれにせよ、経済的な要因(制度も含む)と人々の生活満足度との関係性については、今後もより一層注目が集まっていくと思いますので、そのような研究をする人にとって、本書は必読書かと思います。

  • 0円購入2010-05-21

  • ポジティブ心理学やサブジェクティブ・ウェルビーイング関係の本を検索しているとよく引っかかってくるのが、”happiness and economics"という本で、装丁もきれいなので、ずっと気になっていた。

    が、よく調べてみると、実は翻訳がだいぶ前に既にでていた。地味なカバーデザインと地味なタイトル。2005年に初版発行以降、重版はなされていない。なんかこのタイトルとデザインで損しているんじゃなかろうか。それとも、日本では、まだまだ新古典派経済学以外は経済学じゃないという風潮なんだろうか。

    内容としては、幸福と経済や政治との関係に関する計量的な先行研究をうまくまとめつつ、著者たちの研究を紹介するもの。学術的な正確性が感じられる一方で、実にコンパクトにまとまっていて分かりやすい。(著者自身の研究の紹介部分については、説明が結構こまくて、学術的な厳密性が一般読者にはややつらいかな)

    その緻密な実証研究の結果は、というと、ある意味、日常的な感覚にフィットする当たり前といえば当たり前のもの。でも、それは通常の経済学のインプリケーションとは全く違うものである。それだけ、新古典派経済学が世間から離れているということが改めて証明された感じがする。

    日本語で読めるサブジェクティブ・ウェルビーイング関係の本としては、まず読むべきものかな。

  • 最初の想定よりやや学術的な内容だった。
    しかし、幸福の定義とは何かや、色々な側面から捉えようとしているのは興味深かった。今回は即効性のある本を探していたので、じっくり読んでいないが、次回時間のある時に読みたい本。

  • 再々読
    2013/03/06 鈴鹿市立図書館---県立図書館。
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    再読---ブータン王国の国民総幸福度。 

    11/27 鈴鹿市立図書館-----県立図書館。

    9/14 津市津図書館---安濃図書館。

  • 原題:HAPPINESS AND ECONOMICS
    How the economy and institutions affect human well-being

    Social Capital 論文資料として。

    購買力10,000ドルを超えると生活満足度はそれ以上上昇しない(米国)

  • 題名の通り。でも回りくどい。

  • 幸福と政治経済の関係についてデータに基づいて論じている。斬新さを感じる。

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