外資系トップの仕事力―経営プロフェッショナルはいかに自分を磨いたか
- ダイヤモンド社 (2006年9月8日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478733349
感想・レビュー・書評
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トップ12人の歩んできたキャリアが語られている。感心。納得。とても面白いし、4月から始まる仕事に対して前向きな気持ちになった。各人が最後の方で語っている若者へのメッセージもためになる。海外で働きたくなってきた。英語がんばろ。
以下特に心に残った内容。
・次に何が起こるかを想像して仕事をするというのが主体的に動くということ。これは能力の差というより意識の差
・怖がらずに、すごいと思う人に飛び込んでいくことで自信がつき、それと同時に謙虚さも生まれる。
・自分の専門分野を持つ。それにより、立場が上の人にとっても有益な情報を発信することができ、人に話を聞いてもらえるようになる。
・全ての条件を満たす結論を考えるのではなく、条件を削って素早く結論を出す詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今秋からしゅーかつなるものが始まるらしいがまったく就労意識が芽生えないのでとりあえず働くとはなんぞやってことを理解するために読んでみた。
アカデミックな本の後こーいう一般書読むとクソ簡単に感じるなースラスラ読めた。世界を舞台に活躍するおじさんたちの話はなかなか面白い。
ただ、この本を読んで俺の就労意識が芽生えたかどうかはまた別の話ww -
おもしろかったし、自分がいま考えるべきことについて色々とヒントを得た。
全員が口をそろえて言うのは、結局キャリアは偶然によって形作られるってこと。でも、いまある仕事に対して精いっぱい取り組むことでスキルもつくし、シゴトのレベルも上がる。
おもしろかったけど、私はやっぱり、トップに立ちたいとまでは思わない。
遺憾ですけれども、結局私はそこ止まりなんでしょうね。 -
2011年2月14日読破!!
期間:8日
感想:12人の外資系トップがインタビュー形式で人生の軌跡について振り返り、若者にアドバイスをしている。
注目すべきはそれぞれのトップが後半部分で述べている、若者が心掛けるべき要素だと思う。
LVJグループCEO藤井氏が述べている「まず、何より必要なのは情熱です。」や「与えられた運命の中でベストを尽くすことです。」が印象的だった。
他にも数多くの心に残る言葉が記載されているので、グローバルで活躍したいと少しでも考えている人には何かしらの気づきが得られる一冊だと思う。 -
読みながら、なんども目を閉じて考え込まされる1冊であった。
同時に自分の甘さを思い知らされた。
もっと若いときに読みたかったと思いながらも、今からでも遅くないと奮い立たされた。
何事も前向きに、もっと自分を信じて人生を楽しんで生きたいと感じることができた。
自社のトップがインタビューに応えていることもあるが、共感できることがとても多く、さらに自分に磨きをかけていこう。
アンダーライン
・自分で仮説を組み立て、主体的に検証できる能力
・評価とは、人間としてのポテンシャルである。
・人生を後悔したくない。
・オリジナリティは魅力であること。
2006.9.18 -
◎関口康(ヤンセンファーマ代表取締役社長)
・大事なのは思い。思いがひとつになったら志になる。でも、思いはぶつかる。
仕事に真剣になるほど感情が入るから当然。
・組織のなかで偉くなるよりも、プロフェッショナルになりたかった。
だから、自分にきちんと投資をし、自分の可能性は自分で切り開いていこう、という意識はあった。
・プレゼンは、ワンスライドワンメッセージ、多くて9行。
箇条書きにして大・中・小項目に構造化する
・当事者意識がモチベーションを上げる。
一人ひとりの当事者意識から思いが芽生え、それらが合意に至ったとき、志が生まれる
・日本の優れた仕事をグローバルスタンダードにしたい
◎魚谷雅彦(日本コカ・コーラ代表取締役社長)
・1年間、目の前の仕事を気合いを入れてやってみよう
・(MBAの勉強)全部はできない。要領を学んだ。
・一番重要なのは人の心
・仕事はいつもうまくいくわけじゃない。
「これでいいのか」と常に考え試行錯誤をすることで、自信を持って行動に走れるようになる
・日本の市場を任される=日本人の心がわかっている
◎柴田励治(アーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティング代表取締役社長)
・悪いことがおきても、クヨクヨしても仕方ない。次の一歩を踏み出せ
・今、自分に期待されていることに応えられない悔しさで、どんな仕事もやった
・組織としてのビジョンを追求した結果、お金がついてくる。それが経営だ。
・資格を取得できたかよりも、プロセスが大事
・会議では必ず一番最初に発言しなさい。しないならその場にいる意味はない。
・周りに気を配り、喜ばせることをカンファタブルに思えるなら、リーダーの資質がある
・昇進が早い人の共通項
①第一志望で入社していない
②若いうちに修羅場を経験している
③異文化(海外、異なる事業、子会社)に放り込まれた経験がある
・人間としては最終的には一緒なんだ
・会社の駒ではなく、会社を利用して自分を高めていきたい人を評価する
◎平野正雄(マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク・ジャパン ディレクター)
・マッキンゼーは人の成長にこだわる。
成長が止まるのは、本人にとっても、マッキンゼーにとっても、クライアントにとっても、幸福なことではない
・インプット(質の高い人材を動機づけし成長してもらう)の最大化に妥協をしなかった結果、アウトプットの最大化がついてくる
・どれだけ仲間を助け、仲間に信頼されたかをマッキンゼーは問う
・考える力、コミュニケーション力、プロジェクトを進める力、組織を動かす力を総動員する仕事はおもしろそうだ
・課題の前にヒエラルキーなし
・自分が奉仕しているのは、クライアントであって、上司でもマッキンゼーでもない
・自分で仮設を組み立て主体的に検証することがコンサルタントには不可欠
・当事者意識をもたなければいい仕事はできない。
コミットがないとエクスキューズを探し始めるから
・プロフェッショナルのモチベーションとは、クライアントに喜んでいただくこと
◎藤井清孝(LVJグループ代表取締役社長)
・自分がやりたいことのイメージがあると、主体的に仕事を見つける
・マッキンゼーのことを悪く言う人は全部イメージがベースだった。よく言う人は、全部事実のコメントだった。
・最初からおしりを決めてキャリアを築こうとするのは傲慢
・留学は自費で行ったから、必死さがあり、それが人脈や力を生んだ
・運命は自ら選ばない。与えられた運命の中でベストを尽くす
・ビジネスマンの真価とは、自分で発言したことはちゃんと実行できて、結果を出して、その責任を負うこと
・誰にどんな貢献をし、社会にどれだけ還元しているかをはっきり答えられない企業や仕事は淘汰される
・一番必要なのは情熱
・社長という仕事自体には本来的な価値はない。社長が一番強い情熱を持っているから迫力が生まれる。
・面接で見ること
①どういう考え方でその道を歩んだかを説明できるか(転職したかどうかとかは関係ない)
②努力から醸し出される静かな自信。結果が出ないときに悔しそうな顔をし、「次はやるな」と思わせる
・日本人に欠けていることー現場を知らない人に説明する力。中途半端な英語力では無理
◎安田雅典(BNPパリバ 在日代表)
・将来設計をしても、その通りにはならない。学生はもっと勉強をしてほしい。
・ビジネスに正解はない。けれど、決断はしなければならない。
・組織に頼らない生き方も気持ちいい
・何の仕事をやるかではなく、だれとやるかのほうが大切だ
・(リーダーシップについて)無私と夢。
自分の給料や地位のためには人は動かない。
「この人の夢についていきたい」と思わせる、共通の目的や夢のためでなければ。
・日本人が尊敬されるときは、日本人らしいとき。礼節、謙虚さ
・流暢に話せるかよりも、言いたいことがあるかどうか
・束縛や執着がない、自分の思ったことを素直に実行できる自由な生き方はすばらしい
◎山中信義(日本エマソン代表取締役社長)
・若いときにいろんなチャレンジと経験をさせてこそ、リーダーが生まれる
・20代はとにかく勉強し好き嫌い言わず周りにあるチャンスを自分のものにする
30代は自分のスタイルを作る、「山中だからこういう仕事ができる」と言われたい
40代は勝負に出て実績を作る、50代で組織を任される
・真ん中の差は大したことない。全力を出し切れるかどうかの違い。
・新しい組織に入ったら初めの3カ月が勝負。
最初の1カ月が、これまでの環境との差をインパクトとして受け止めて馴染む。
2ヶ月目で何をやらなければならないかを把握する
3ヶ月目で何をしようか動き始める
・そのときそのときの瞬間の最善の努力の積み重ねで道が開ける。
・あまり余計なことは考えずに、何をやりたいか、納得できる仕事はなにかを模索しながら一生懸命やれば、結果はついてくる
・100点を求めたら前に進めない。若い時は間違ったって払うコストは大したことはない。失うものはないんだからどんどんやればいい。
大事なのは自分がどうしたいか、どんな方向に進みたいか
・現在のグローバルスタンダードをアングロサクソンがにぎる理由
①楽観性で人を集め?寛容性で我慢をし?必要に応じてリアリズムに判断していく
・グローバル化が求める人材は、多様な答えを求め認める人間。間違いを恐れず自分の意見を言え。
◎脇若英治(BPジャパン代表取締役社長)
・MBAで貴重だったのは、日本人として西洋の連中と対等にやっていける自信をつけたこと、日本人の友人を作れたこと
・6,12,6の法則 職場を移ると、最初の6カ月はまず覚える、次の12カ月でマスターして、最後の6カ月で結果を出す
・若い人はとにかく勉強しろ。くだらないと思っても、必死にやれば動く。
・迷ったらやれ。リスクを恐れていたら、スキルはつくれない。
・BPでわかったことは、自分の人生は自分の問題なんだ、尊敬されるのは、ファミリーを大事にする人間。
◎ラヴィ・チャタベディ(プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン取締役社
・会社を選ぶときは、企業の価値観と自分個人の人生観が一致しているか
・仕事を見つけるのは住む家を見つけるのに似ている。一生働いても楽しいか、一生働けるか
・自分の仕事について誰よりもよく知れ
・リーダーシップとは、方向設定をし、グループ全体を引っ張っていくこと。
・リーダーシップを発揮できれば、仕事は楽しくなり、必ず成功する
・グローバルに成功する能力
①グローバルコミュニケーション(グローバルノウハウの伝達のため)
②リーダーシップ
③専門性
・日本人に欠けているもの
①自分の意見を表現する、異なる意見の違いを生かしつついい意見にする
②階層ではなく専門知識に基づくリーダーシップ
・グローバルな企業とは
どの国にいっても同じ価値観がある
行動規範、理念、ミッションが一貫。
人に対する共通の評価基準があり、多様性が実現する
◎グレン・S・フクシマ(エアバス・ジャパン代表取締役社長)
・人生は若いうちに決まらない。やってみなければわからないことはたくさんある。
・考えるだけでなく仕事を通して実行することの重要性。ふたつのバランス
・チャレンジして経験を積む
・人を大切にする
・目標は何か?誰がどういう基準で何を成功とするのか?クリエイティブな方法で達成する -
久し振りのレビュー
外資系を受けるからという理由だけでなく、一流の仕事をしている人がどのような意識を持って仕事に取り組んできたのかを知りたくて読んでみた。
みんながみんな最初から優秀な社員としてスタートしてのではない。
自分のしたいようにしてきたのではなく、与えられた仕事をしていくうちに出会った、思いがけない機会がその人の現在を形成している。
月並みな表現だが、各々が各々なりの仕事に対する熱い想いというのを持っている。
まだ、そんなに多くの企業を回ったわけではないが、自分の目指す目標やしたいことを持っている人というのは、話していて自然と惹かれていく。
そんな人と一緒に働けたら仕事だけでなく、人間的にも大きく成長できるのではないだろうかと思っています。
自分なりに考えることで自分の目指す目標というのが、朧げながら見えてきた。もっと多くの人と話し、自分の目標に少しでも近づくことのできる場所を探したい。 -
【Memo】
GEやマッキンゼー、オラクルやコカコーラなど外資系企業のトップで働く日本人に対してインタビューを行ったもの。
将来にビビりながらキャリア形成をした人なんて一人もいない。また、元々トップの地位につきたくて出世を目指した人もいない。
むしろこれがやりたいとか、こうなりたいと言う思いに全力で取り組んだ結果、トップに選ばれた人が大半だった。
本に出てくる人はほぼ高学歴のMBAホルダーだったけれど、学歴が高いから成功したと言うより、人並みならない努力をしたからこその目に見える結果であると改めて思える内容だった。
グローバル企業で指揮をとる立場になったのは、それだけの実力をつけたことは勿論のこと、人が魅力を感じるほどの熱い思いや人間性が伴ってのことであった。
トップに着きたいと思ったことはないが、企業や社会の歯車にならず、主体的に動かしていく為のヒントとモチベーションを与えてくれた。