- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784479392743
感想・レビュー・書評
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2016/12/2 読了
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ちょっと、感傷的すぎかな。
何かで誰かが紹介していた本。気になって図書館で借りた。
東京を生きるとは。
上京がどのようなものか、私にはきっとずっとわからないんだろうなあ。
くるりの「東京」もきのこ帝国の「東京」もいい曲だなと思うし、とても好きだけれど。 -
914.6
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著者の作品は今のところどれも好き。
出身がなんとも中途半端な関東のとある県ということもあって、東京という街の存在の強さや業の深さが今ひとつ分からずにいる。
でも東京が好きで好きで、そこに生きる人の物語にはすごく惹かれる。 -
女性で初めてのAV編集者
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自分の考え、感覚を捏ね繰り回すことなく率直に書かれていることに驚いた。自分を醸すことは簡単だけど、卑下せず書かれている。
自分を表すのは、簡単な様で難しい。ましてや、自分のことを書き表したいと思っている人間は、多分文章も何とか個性的にしようとするのではないだろうか。それは自意識の塊だからそうなってしまうと思う。
でもこの本は、正直に自分の気持ちがきちんと書かれている。ストレートで気持ちが良かった。
ただ、後になるにつれて段々読むのが苦しくなってきた。テーマが同じなので、正直共感出来ないところは読むのが辛いかも。
読んでも何も感じない人も居るかもしれないし
凄く共感する人も居ると思う。
自分はとても共感出来る部分もあった。
ただ、本当に自分の考えていることをきちんと、シャープに書けている凄い本だ。 -
私はここにいるべきじゃないと感じながらも、本当は空っぽなのではないかという恐怖。
ただ眠りたい。 -
ちょうど去年の今頃だった、ネットで連載されていた東京を心待ちにしていた。
その中の「幸せ」で
《「あの男と別れなければ良かったのに」
「結婚できていたのに」と言われ続けていることも知っている。
私が悪かったのだと、誰もが知っている。
でもそれが私の望む幸せではなかったことは、
なぜ誰も知らないのだろう。》
というのを読んで苦しかった。
その通りすぎて。
そして私は同棲を解消した。
リッチで教養がありハイクラスな暮らしの提案をしてくれる彼との暮らしを。
どうしても選べなかった。
今は全く違う幸せを歩いている。
だけど、この本に書いてあるだったひとりの小さな、女として、ごく個人的な想いを、時々思い出す。 -
小西さんの新譜「わたくしの二十世紀」を聴きながら「東京を生きる」を読むと何倍も増して雨宮さんの言葉が刺さってくるのはなぜだろう。。鋭さと弱さを同時に感じさせる文章の良さがたまらなく良かった。
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私のための本かと思った。
以下引用
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そのときどきで、面白いことはあったし、こうしたい、こうなりたいという向上心もそれなりにある。嫉妬心が強いから、妬むくらいなら乗り越えたい、と思う。
だけど、本当はすべてがめんどくさい。嫉妬することですら、いちいちそれを処理していかなければならないなんて、めんどくさすぎる。心はこちらの意思とは関係なく、絶え間なく動き、美しいものに吸い寄せられ、醜いものにショックを受ける。お腹がすくのと同じように、快楽や美しさをくれとうるさくわめきたてる。つらければいつまでも泣いている。聞き分けのない子供を飼っているようだ。
私は本を読んで寝ていたいだけなのに、たったそれだけのことのために、意外とがんばらなければいけない。心穏やかに、本を読んで眠るために。
(中略)
だけど、私は、本を読んで寝てるだけの人生がつまらないなんて絶対に思わない。
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いつになれば自分の正しい「身の丈」がわかるのだろう。「丁寧な暮らし」ができるのだろう。そのサイコロでどんな目が出れば満足するのだろう。そしてそのサイコロの「強い目」とは、何なのだろう。お金をたくさん儲けることなのか、成功者らしいふるまいができることになることなのか、誰もが羨むような暮らしをすることなのか。東京で「勝つ」とは、どんなことなのだろうか。
(中略)
私は何かを信じたいし、信じることをやめたくなんかない。けれど、東京では私が唯一信じられる自分の欲望が、よくわからなくなる。欲しいと思って手に入れたものが、あっという間になんの魅力もない布切れやがらくたに変貌していく。越境すればものの価値など一瞬で変わる。
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幸せな瞬間が自分を救ってくれないわけではない。ほぼ完璧に救ってくれる。だから、その救いを失うことが、余計に怖い。最初からないほうがまだ、耐えていけるのではないかと思ってします。そんな臆病な生き方はしたくなかったはずなのに。いつだって瞬間の幸せを、最高の幸せを求めていたはずなのに。
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家族との関係が悪いわけではない。何も恨んだりしていない。感謝しているし、好きだと思う。
けれど、それ以上に後ろめたくてたまらないのだ。
たぶん、もう、何か起こらない限り、一緒に生活することはないこと。
毎日顔を見て暮らすことはもうないこと。
なのに、困ったとき、自分が東京で食べていけなくなったとき、逃げ場として心の中で実家を頼っていること。
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引用終わり。