新米母は各駅停車でだんだん本物の母になっていく

著者 :
  • 大和書房
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479784395

感想・レビュー・書評

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  • ちょっとクサいタイトルではある。しかも「本物の母」って何だろうってつっこみたくもある。母は母、本物も偽物もないだろうし、本物の母が経験を重ねた末になるもののようなこのタイトルはいかがなものか。
    それはさておき、著者・大平さんのブログ(らしきもの)を愛読してたぶん10年近くになると思う。折々に家族との様子を垣間見てクスッと笑ったり爆笑したりしんみりしたりじんわり温かくなってきた。そんな大平母子の23年分をまとめて読めるお得な本。
    下北沢住まいで自分はライター、夫は映画プロデューサーなんてカッコよさそうなんだけど、そんなことなくて生活どっぷりって感じのエピソードに、同じような共働きの家の子として育った自分は懐かしいような思いになる。
    著者も無頼なダメ母のように自分を書いていたりするけれど、そういうダメさも含めていいお母さんであり、いい家族なんだろうな。真っ当って感じがする。
    親をやっていると自分のことを二の次にしてやらなければいけないことも多々あるけれど、そんな不自由で幸せな時間はほんのひとときのこと。そんな大変だけど得難い幸せの尊さがふつふつと伝わってくる。

  • 少し前に、Twitterのフォロワーさんの影響で読んだ本。
    とても印象深かった1冊。折りに触れて読み返したい。

    育児は当事者として子どもとの距離が近いうちは大変に思えるけれど、こういうエッセイの目を通してとらえると途端に素敵に思えるから不思議だ。

    日常をどんなふうに切り取るか、楽しかったことだけではなく苦労したことも、どのような言葉で表現するか。
    振り返るきっかけにもなった。

    子どもの成長はこの1年間でさえあっというまだった。言葉にしていったり、記録していかないと流れるように日々が過ぎてしまう。
    もちろんそうやって過ぎる日々も愛おしいのだけど。私もその時々の気持ちを残すことを大切にしていきたいと思う。

  • 育児をスタートした今、読んでみたいと思った本。
    子育ての終盤にいるお母さんの心境を知りたくて。
    大変だったこと、反省したこと、嬉しかったこと、笑ったこと、すべて引っくるめて微笑ましい。
    振り返るとあっとゆう間、かけがえのない日々ということを噛み締めて、今を十分に味わいたいなと思う。

    "この程度で良いだろうと、と流してすませると、家族に伝わる。一緒に暮らす家族だからこそ、自分にまなざしが向いていないことや、想いがはぐれそうになる瞬間を敏感に感じ取るのだ。"

  • 2018/09/27 S リクエスト
    この著者の文章は、読みやすく、端的に書いてあるので、毎回楽しみにしてます。
    今回の作品も、よかったです。
    母親のステージ、どの段階の人にも、おすすめ。
    優しい目線で、泣けてきます。
    台所事情の本もとてもいいけど、こちらもいいです!

  • こういう本を読むと、渦中にいる幸せの方にフォーカスできるようになって良い。
    真夜中の絆創膏、私も受け取り方を変えてみようと思う!(寝てから、痛い…喉渇いた…と階段を降りてくることがうちの子も頻繁にあります)

  • また子が大きくなったときに読み返したい!いまは成人することなんて想像つかないけど、少し先の未来をイメージできてわくわくした!

  • 「母業23年つれづれ日記」とある。
    大平さん、30歳で母になりフリーランスの共働き。

    P112
    〈子供が幾つになろうと、子育てはジェットコースターのように上がったり下がったり忙しいものだということだけ、最近わかったところである〉
    いつまでもグラグラと不安定なのは親も子も同じだと思う。
    子育てに正解なんて無いのだから。
    (と感じるのは私だけだろうか)

    P199
    「運動会で、まさかの失敗」
    息子さんの中学校での出来事。
    運動会が延期になったことを知らないで送り出してしまう。
    怒り心頭、帰宅した息子さんの独り言は
    〈ばばあ、ゆるさん〉だった。
    でも大平さんは強気。
    読んでいて、これは少々強引な親離れ子離れだと感じたが
    独立した息子さんの成長ぶりを拝見すると
    何とも微笑ましいエピソードとして伝わってくる。
    手元に置き、何度も読み返したくなる一冊。

  • 人生

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著者プロフィール

大平 一枝:作家、エッセイスト。長野県生まれ。大量生産、大量消費の社会からこぼれ落ちるもの・
こと・価値観をテーマに各誌紙に執筆。著書に『東京の台所』『男と女の台所』『もう、ビ
ニール傘は買わない。』(平凡社)、『届かなかった手紙』(角川書店)、『あの人の宝物』(誠
文堂新光社)、『新米母は各駅停車でだんだん本物の母になっていく』(大和書房)ほか。
「東京の台所2」(朝日新聞デジタル&w)、金曜エッセイ「あ、それ忘れてました(汗)」
(北欧、暮らしの道具店)、「令和・かぞくの肖像」(OIL MAGAZINE)など連載多数。


「2021年 『ただしい暮らし、なんてなかった。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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