14歳からの個人主義~自分を失わずに生きるための思想と哲学

著者 :
  • 大和書房
4.10
  • (12)
  • (10)
  • (9)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 236
感想 : 14
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479797555

作品紹介・あらすじ

みんながと同じでいることが、少しつらい人へ
「ワクワクしてますか?」
「ワクワクしましょう!」
最近よく聞く言葉です。こうした呼びかけをメディアなどで目にするたびに、
ぼくは少し複雑な気持ちになってしまうのです。
そもそも「ワクワク」って、意志の力で「する」ものだったっけ?
人に聞かれるほど、いつもしていなくちゃいけないものだったっけ? と。
この本は「 ワクワク」しなくちゃと、もしかしたら少し焦っているかもしれないあなたに、
みんなから取り残されないように何か見つけなくちゃと不安を抱えているあなたに、
そして、こうしたかけ声ばかりが空まわりしがちな世の中にうっすらと違和感を抱いているあなたにこそ、読んでほしいのです。
「ワクワク」のかわりに、心の底から確かに「生きている」と実感する、あなただけの感覚を得るために。
あなたが、確かに、あなたであるために。そこで、少し変わった言葉を引っ張り出してみました。
「個人主義」です。
「個人主義」は、変化への対応が叫ばれるいまという時代だからこそ、身につけるべき考え方です。自分を失わないために。


夏目漱石、フロム、荘子、モンテーニュ、西田幾多郎、、、世界の知性とともにーー
1章  この社会の中で 「自分」を失わずに生きるための 「個人主義」とは
2章  「みんなと同じ」から離れる勇気ーーひとり歩きする自分を見すえて
3章  自分の中にある2つの自分との向き合い方ーーラカンとフロムに学ぶ
4章  「自分」の基準をはずすということーー老子と荘子に学ぶ
5章  あるがままの「自分」に向き合うーーモンテーニュとパスカルに学ぶ
6章  おのずから「自分」は生まれるーー鈴木大拙と西田幾多郎に学ぶ
最終章 「自分」を解き放つということーーふたたび漱石へ
NHK「欲望の資本主義」「ネコメンタリー 猫も杓子も。」プロデューサーからの生き抜く教養

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • SNSが普及し誰もが世界と繋がれる時代。
    そんな時代だからこそ虚しさ、寂しさを感じる人がいる。
    そんな人たちに贈る「個人主義」について説いた一冊。

    時代が移り変わっても人の本質は変わらない。
    過去の偉人たちの言葉を引用してそれを伝えてくれる。

    個人主義は自分勝手に生きることではない。あなたらしく生きることだ。

  • 同じことを違う言い方で表現し、同じものを違う物差しで測ってみせたりする時代。どんな問題を扱っても死の目前と叫ぶ人々。視聴率が声の大きさになり、見失わせるために正しさが聞こえ、引き寄せて集団を作り、かつて殺戮を生んだ行為を繰り返している。

    手柄が欲しくて問題を大きくする。共感する心は消費させるための教育になってしまい、どちらでもいいようなものにこだわりを持たされて、感情のために人は金を払い、共感、わかりやすい、満足、本当の環境など、入手困難に見せるほど高い値が付き、ブランド値が上がる。現実にどうしても必要なものから離れるほど高額化していく。自分を見失って時間が経つので、もはや異常に気付けない。自分を無駄に投げ出すようにしつけられている。

    自分の人生を手に入れたくて、自分を抑え込んでいる。自分のソウルではなく成果や手柄を必要としている。自分を裏切ることばかりしている。村の空気から解放されて自由になったが耐えられずにムラのノリに戻る。

    どうするのか。

  • 現在12歳ですがすごく面白かったです
    沢山の人たちの考えを1冊にまとめてあったので
    初心者にも簡単に分かりました。
    特に印象に残っているのはモンテジーニュ エセー
    の考え。「ワクワク」は無理にするものではない
    、落ち着いた静かな充実感こそ確かに持続する喜びがある。と言う考えには深く考えさせられました。
    こういう深く考える事も落ち着き払った充実感だと思い自然にワクワクできるような本だったと思います。

  • 夏目漱石からフロム・老荘思想・モンテーニュに鈴木大拙。14歳「から」ですから、もちろん大人が読んでも読みごたえがあるし、とても勉強になる。いまさらながら、夏目文学の読み方を教えてもらったようで、ちょっと恥ずかしくもある。今の青少年は、私の若い頃よりもっと縛りがキツイのかもしれない。精神を解き放つということは、青春の大きな課題の一つであることは今昔同じだろうけど、選択肢や情報が多いだけに悩みも増えて大変だ。これは自分にとって本当に必要?本当に好きなこと?自分に問いかけることはいくつになっても続けたい。

  • 14歳が読んで分かるのだろうか?難しいと感じた。みんなと同じじゃなくて良いとか、個人主義の教育は子どもたち伝えるべきと共感しました。
    単に大人の主張で教えるのではなく、こういうのも良いかも。
    夏目漱石、森鴎外に関しては初めて知った思想があり、著者に感謝です。夏目漱石の個人主義とモンテーニュのエセー抄を読んでみたくなった。

  • わかりやすい表現で夏目漱石の「私の個人主義」に端を発する個人主義について、現代の状況を踏まえながら考察していた。
    承認欲求や同調圧力など昔からある日本人っぽい性質に対する疑問の投げかけ、マインドフルネスやアドラー心理学など近年注目されている自分らしく生きるための考え方の要素など多面的に個人というものを捉えている。加えて、古典とも言える昔の哲学者、思想家の文章を引用することで有史以前から人は「生きる」ということに矛盾を抱えながらここまできていることが示唆されている。
    14歳「からの」という表現がぴったりだなと思うぐらい年齢に関わらず折に触れて読みたいと思った。

  • 【請求記号:151 マ】

  • SNSでお勧めされていたので図書館で借りた本。

    一言。難しかった…。

    私はだいぶイイ大人だし、それなりに本は読んでると思うけど、いやー難しかった。

    これ読んで"わかる"14歳凄いな!!って。
    わからなくても、何かを感じ取れたら凄いと思う!!!!!

    14歳…に向けた本なのか?というくらい、書き方や表現が抽象的で、具体例も少ないから、想像がし難かった…。。私のキャッチする力が乏しいのかわかないけれど…。。

    ふんわーりと大枠では言いたいことはわかるんだけど…わかりやすいものに慣れすぎてしまいましたかね。。私は。。

    なんか、1対1の食事会で、突然色々な人を紹介されて、その人のことについて、深々とエピソードを語られて「えっ…えっ、あ、はいっ」って、え?結局さっきの人が誰さんだったけ?え、もう新しい人?あ、でもなんかイマイチ言葉もよくわからないし、みたいなあたふたしてる自分。という読後感でした。

    私はあなたについてもっと知りたかったのに。みたいな。

    漱石は刺さりませんでした。いつか私も"わかる"時が来るのかなあ。
    出口さんもよく色々な方のエピソード出したりするけど、それらはすんなり入ってくるし、勉強になるなーと思うんだけどな。この違い、なんだろう。

全14件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

丸山 俊一(マルヤマ シュンイチ)
NHKエンタープライズ エグゼクティブ・プロデューサー
1962年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、NHK入局。「欲望の資本主義」「欲望の時代の哲学」などの「欲望」シリーズをはじめ「世界サブカルチャー史 欲望の系譜」「人間ってナンだ?超AI入門」「ネコメンタリー 猫も、杓子も。」「地球タクシー」他、異色の教養番組を企画・制作。
著書『14歳からの資本主義』『14歳からの個人主義』『結論は出さなくていい』他。制作班などとの共著に『欲望の資本主義』『欲望の資本主義2~5』『岩井克人「欲望の貨幣論」を語る』『欲望の民主主義』『マルクス・ガブリエル 欲望の時代を哲学する』『マルクス・ガブリエル 欲望の時代を哲学するⅡ』『マルクス・ガブリエル 危機の時代を語る』『マルクス・ガブリエル 新時代に生きる「道徳哲学」』『AI以後』『世界サブカルチャー史 欲望の系譜 アメリカ70~90s「超大国」の憂鬱』他。東京藝術大学客員教授を兼務。

「2022年 『脱成長と欲望の資本主義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

丸山俊一の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
凪良 ゆう
ブレイディみかこ
凪良 ゆう
宇佐見りん
伊坂 幸太郎
雨穴
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×